明日の約束

ばいばいさよならまた明日
カラスが鳴くから帰りましょ
夕日に染まる公園で
友と「明日」のお約束

小さい頃はただいつも
去りゆく友に手を振って
明日も会えると疑わず
明日が続くと疑わず

そうして年をとり行けば
次第に減った「また明日」
なかなか会えぬ友との間
次第に増えた「また今度」

年取り世界が広がれば
次第に減った「また今度」
友は変わらずいるのだろうか
次第に増えた「またいつか」

「明日」が「今度」
「今度」は「いつか」
年取りシワ増え生き永らえて
ただ懐かしむ「また明日」

艶ある髪は白髪へ変わり
次第に減った「またいつか」
「いつか」はいつか果たせるかしら
次第に増える「さようなら」

私も沢山生きました
昔の友と「さようなら」
この世去りゆく彼らを見ては
一人ひっそり泣きました

私も随分生きました
とうとう私が「さようなら」
泣いてすがった子と孫と
この世に別れを告げました

さらさら流れる川渡り
ゆらりゆらりと船の旅
さわさわ揺れる花畑
うとうと眠る黄泉道中
私は昔の夢を見る

夕日に染まった公園で
友と交わした「また明日」
またできる日がくるならば
君と「明日」のお約束

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