ちよこ

言葉が好きで物語が好きなメイドです。たまに創作も致します。創作の場はこことここ@lay…

ちよこ

言葉が好きで物語が好きなメイドです。たまに創作も致します。創作の場はこことここ@lay575cacao77普段はこちらに@choco_Chiyochi

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  • ツイッターのタグをやらせていただいた時のものです。とりあえず初めの第一歩として。

最近の記事

さんすうきらい

⑴数字にも信号があればいいのにな 点Pだってきっと止まるよ ⑵真面目ゆえ√2で済む直線を 1たす1できちんと渡る ⑶文字たちの交通整理 等号の橋を渡ってx(きみ)を導け ⑷黒板に埋もれた四角 想像で回せだなんて無茶を言うよね ⑸割り切れぬことくらいある この僕も 3の連なるこの小数も ⑹正しさを確かだというため間違える 回りくどさが私は嫌い ⑺美しく思わないこともないけれど やっぱりわたしさんすうきらい

    • 数合わせ

      俺はどうやら世間的にいうところのいい人間らしい。 確かに、我ながら周りを大切している方だと思うし、助力を惜しまない。 二週間前、母が倒れた。 「すまんが足がなくてな、車を出してくれないか。」 珍しく慌てた様子の父にそう頼まれ、俺は急いで病院へと車を走らせた。 「ごめんね、ありがとう。」 申し訳なさそうな顔でそう言う母に俺は言った。 「いいさ、気にしないで。」 その日の晩、車を出そうとしてアクセルを踏んだ。だが踏み込んだ足に力が入らない。不思議に思い見ると、膝から下がまる

      • 空の色

        わたしが知ってる空の色 紫を押す薄黄色 翼休めのねぐらから 見える山の端輝いて 陽の住むところどこだろう わたしが知ってる空の色 ただ純粋な澄んだ青 翼を広げ飛ぶここは 雲ひとつなくひとつづき 海との境はどこだろう わたしが知ってる空の色 青が滲んだ深い赤 翼を赤く染められて 飛ぶ空の中照る夕日 月はそろそろくるだろう わたしが知ってる空の色 すべて飲み込む深い青 翼の音も何物も 聞こえぬ暗い世界では 生き物は皆眠るだろう わたしが知ってる空の色 あな

        • あやしきかたり

          あやしあやしやうつし世の たそかれどきは奇奇怪怪 あちらもこちらも入りまじり ものどもぞろぞろ集まって 百の蠟の火揺らめく中で あやしきかたりはじめます 怪異(けい)なるものの かたること 魑魅魍魎の晴れ姿 大将無き今百鬼夜行を 懐かしむ様 あわれなり 奇怪なるもの かたること 狐狸妖怪の化け話 面白おかしく惑う人らを あれこれ言うは 愉快なり 妖美なるもの かたること 惚れた腫れたの物語 細谷川の丸木橋とか 端唄うたった 昔とか うつし世常夜もあいま

        さんすうきらい

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        • 15本

        記事

          航海士

          私は一人の航海士 文化の海を渡ります 言葉を編んだ船に乗り ゆらゆらゆらり なみのうえ 五七調子の波音聞けば 七五を頭にえがきます 私は一人の航海士 文化の海の水面(みなも)では 音符ぴょんぴょん飛び跳ねて どれみふぁそらし 七音の ウロコ輝く魚が泳ぐ 五線譜の流れ 海の歌 私は一人の航海士 文化の沖つ白波は 先人たちの夢の跡 私の心の海もまた のたりのたりと終日(ひねもす)に ざばりざぱりと時々に 満ちてはひいて揺さぶられ 私は一人の航海士 文化の海の地図

          諸刃の剣

          これは諸刃の剣です 下手うちゃ自分も怪我をする これは諸刃の剣です それをあなたに突き立てる 貴方と私の間には 薄く見えない壁があり どうにも私は もどかしくなり 諸刃の剣を突き立てる パリパリと 壁の壊れる音がする ケラケラと 周りの笑う声がする ドキドキと 僕は剣に期待する チラと見る 貴方の壁はそのまんま ヒヤヒヤと 冷たい目線が飛んできた これは諸刃の剣です 覚悟を決めて突き立てた これは諸刃の剣です うっかり僕が怪我をした これは諸刃の剣です

          諸刃の剣

          屈折率

          私が生きる世界には 汚れた空気が漂って 貴方の生きる世界には 綺麗な水が流れてる 空気と水の間では 光はまっすぐいられない 私と貴方の間では 声はまっすぐ届かない 私の言葉が全てなら 貴方の言葉もまた全て 私の言葉が正しいのなら 貴方の言葉も正しくて きっとそうに決まってるけど きっとそのはずなのだけど どうして光は歪んで見えて どうして言葉が届かない? 屈折率 屈折率 その角度を知らぬ私は 屈折率 屈折率 その角度を知らぬ貴方は まっ

          この世家賃

          人がお家に住むために 家賃を払うは道理です 人と人との関係は ギブアンドテイク当然です 見目麗しいあの少女 周りの心を踊らせる 性根優しいあの男 周りの者を救ってる 朗らかに笑うあの赤子 周りの心を癒してる 緩やかに話すあの老婆 周りに知識を授けてる 人と人とのその中で 誰かが誰かを助けては 自分の役割見出して 自分の居場所をつくります 自分の居場所をつくるため この世にいきる代償に この世の何かの役に立ち この世(よ)へ家賃を払います 貴方が僕にくれ

          この世家賃

          四畳一間、宇宙

          わたくしの 部屋に宇宙がありまして 四畳一間のその場所に 綺麗に並んでいたりとか 積み上げられていたりとか 部屋に宇宙がありまして 私が生きる今のこと 貴方が生きた過去のこと 誰かと生きたい未来とか 部屋に宇宙がありまして ミラノのカフェや エベレスト 誰かの思考の海だとか 時間も場所もバラバラな 星が集まる宇宙です 部屋に宇宙がありまして それは形を取っていて 本の形を取っていて それが私を取り巻いて 意味なき記号の整列は 私が触れて意味を持つ

          四畳一間、宇宙

          明日の約束

          ばいばいさよならまた明日 カラスが鳴くから帰りましょ 夕日に染まる公園で 友と「明日」のお約束 小さい頃はただいつも 去りゆく友に手を振って 明日も会えると疑わず 明日が続くと疑わず そうして年をとり行けば 次第に減った「また明日」 なかなか会えぬ友との間 次第に増えた「また今度」 年取り世界が広がれば 次第に減った「また今度」 友は変わらずいるのだろうか 次第に増えた「またいつか」 「明日」が「今度」 「今度」は「いつか」 年取りシワ増え生き永らえて

          明日の約束

          つらぬきとめぬたまぞちりける

          ひらり舞い散る桜の花弁 はらり消えゆく線香花火 つらぬきとめぬたまぞちりける つらぬきとめぬたまぞちりける ふわり舞い散るもみじの葉っぱ ちらり溶けゆく白雪の粒 つらぬきとめぬたまぞちりける つらぬきとめぬたまぞちりける 整った景色を撫でて 乱しては 完璧がいた小さな跡に 風は季節を運びゆく 整った はずの季節の 歪さが わたくしに 季節の終わりを 予感させ そうしてできた心の隙間に 儚さと美しさ孕む風が吹く つらぬきとめぬたまぞちりける つらぬきとめ

          つらぬきとめぬたまぞちりける

          いろいろめがね

          いろいろめがね 色眼鏡 色のめがねが言うことは 男の子なら青がいい 女の子なら赤にせよ いろいろめがね 色眼鏡 色のめがねで定義付け 理科のノートは緑色 社会のノートは茶色かな? いろいろめがね 色眼鏡 色のめがねが決めること アジアの私が黄色なら アフリカ住む人黒い人 アメリカ住む人白い人 いろいろめがね 色眼鏡 色のめがねが縛ること 優しく淑やか女の子 強くて元気な男の子 いろいろめがね 色眼鏡 一度かければ外せぬと 色の規則に縛られる 社会の規則

          いろいろめがね

          蟻地獄

          大きな穴がありました 円錐に似た穴でした 深くて暗い穴の中 私は一人砂の底 大きな穴で待ちました こないあなたを待ちました つるりと足を滑らせる マヌケなあなたを待ちました 大きな穴に落ちました 砂の底へと滑り降り 足でバタバタあがいても マヌケは君は逃げられず 大きな穴で言いました どうか私の糧となれ 足をバタバタもがいても マヌケな君を逃がしゃせぬ 大きな穴で死にました マヌケな君は死にました 黒く変わった君を持ち 照る日の元へと帰します 大

          水晶

          わたくしの 両の目は 創世の 水晶です 水晶は 光受け 信号を おくります 信号は 色になり 形作り わたくしの 両の目に 世界など うつします うつされた それはもう 鮮やかで 美しく 胸はただ 踊ります 難しい ことは知らぬ だけどただ ひとつわかる 水晶に 映る世界 わたくしが 作る世界 わたくしが 創世神 今日もまた 光受け わたくしの 両の目の 水晶は 光ります

          似ているね

          しゅわしゅわ抜ける 炭酸と そろそろ抜ける 人の輪は 気がつけばもういなくなる そういう意味で似ているね とろとろ歩く 旅人と ぞろぞろ歩く 仮装列 目的なんてありはせず そういう意味で似ているね のんびりとした 君の生き方 せかせかとした 僕の生き方 いずれも必死に生きている そういう意味で似ているね

          似ているね

          アンタレスとオリオン

          刺さる 針は刺さる ぷすり一つ刺さる その足へ突き刺さる 回る 毒は回る じわりじわり回る 体全てへと回る 落ちる 崩れ落ちる どたり崩れ落ちる 膝から崩れ落ちる 傲慢は罪でした 贖罪は毒の味 英雄は絶えました 贖罪は死をもって 倒れ伏す彼の血ぽたり 私を赤く染めました 星になってなお、その赤は消えず 星になってなお、彼の傷も癒えず 天体を回り続ける我の名は 天体を回り続ける君の名は

          アンタレスとオリオン