つらぬきとめぬたまぞちりける

ひらり舞い散る桜の花弁
はらり消えゆく線香花火
つらぬきとめぬたまぞちりける
つらぬきとめぬたまぞちりける

ふわり舞い散るもみじの葉っぱ
ちらり溶けゆく白雪の粒
つらぬきとめぬたまぞちりける
つらぬきとめぬたまぞちりける

整った景色を撫でて
乱しては
完璧がいた小さな跡に
風は季節を運びゆく

整った
はずの季節の
歪さが
わたくしに
季節の終わりを
予感させ

そうしてできた心の隙間に
儚さと美しさ孕む風が吹く
つらぬきとめぬたまぞちりける
つらぬきとめぬたまぞちりける

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