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君は最強で無敵のメタルアイドル

前回のあらすじ:BURRN!死すべし、慈悲はない(誇張)

次回:君は最強で無敵のメタルアイドル

プロットなんてないので適当な事を言いましたが、次回では無理そうです。

https://note.com/laybackspin/n/ne51eeaf1bb2b

前回、そんな適当な事を言いましたが前言撤回です。ぼんやりメタルを聴きながら10代を過ごして、その後シーンから離れた青年の話など誰も聞きたくないと思いますし、私も大して何もなかった音楽ライフを一生懸命思い出して書こうなんて思いません。誰だって「なんだかすごい話」のほうが聞きたいのです。私も書きたいのです。

運命の日、2018年11月10日

その日、私は暇だったのかネットサーフィンをしていました。ふとMr.BIGが聴きたくなって、Dream Theaterは今どうしてるのかなーと気になって。おすすめか何かにマイケル・シェンカーが出てきて、Nightwishを聴いて。そういえばいにしえの時代から海外アーティストの日本武道館公演は何かと有名だよな、とYoutubeで「live at budokan」と検索したんですよ。何でそんなこと覚えてるのかっていうと、年単位で遡って自分の検索履歴を調べることができるからなんですよね。

運命の車輪が動き出す瞬間
ようこそキツネの穴へ

ヘヴィメタル日本代表、BABYMETALとの出会いの瞬間でした。

わざわざ画像は載せませんが、この日の以降のGoogle検索はBABYMETALの事、メタルの事、知ってるバンドを手当たり次第に検索したりしてますね。その時の詳細なんてもちろん思い出せませんが、その時の気持ちは今でもはっきり思い出せます。「どういうことなの…」と混乱していたんですよ。

あまりにも自分の常識からかけ離れていた

この日、必死で検索してBABYMETALについてのあらましは概ね把握したはずです。PCにかじりついて必死に検索するほど混乱した理由は、XがX JAPANになった理由を知ってる人なら想像がつくと思いますが、私の年代の人間は「日本のバンドが海外で成功する事はありえないに近いほど難しい」という常識が刷り込まれていたからです。日本では圧倒的な知名度と人気を誇るXでさえも、そのまま海外に出ていけば全然通用しない、やはり日本のロック・メタルには何か決定的に足りないんだ、という常識です。しかし「ヘヴィメタル」からは最も縁遠いはずの「アイドル」出身のグループが、ヘヴィメタルというジャンルにおいて、超絶技巧のバンドを引き連れて日本国内での人気以上に海外で圧倒的な成功と知名度を得ている…という事実は驚天動地以外の何物でもありませんでした。どうしてこんな事が起こるのか、ヘヴィメタルとは何だ、自分の知ってるヘヴィメタルとは違う、私は何か間違っているのか!?と、そんな混乱に支配された一日でした。

BABYMETALを通してSlipknotを見た

私はどんなに凄いバンドがいると聞いても、ピンと来る曲がなければ「へぇ、世間ではこういうのがウケてるんだ」くらいの感想にしかならないタイプなのですが、BABYMETALに関しては早速、耳から離れないヤバい曲に出会っています。それが「Catch Me If You Can(邦題:かくれんぼ)」です。こういった、歌詞にあまり意味がない童謡のような歌を歌うアイドルというのは、たとえば「わらべ」の「めだかの兄妹」みたいな例がアイドル史にはちゃんとあって、その点は前例があるので軽くスルーできるポイントなのですが、「Catch Me If You Can」のギターリフは全くスルーできませんでした。私は心の底からこういう音楽を求めていたんです。ちなみに邦題が「かくれんぼ」なのに歌詞には「鬼さんこちら」とあって、完全に「鬼ごっこ」なのですが、完全に意味不明です。だがそれがいい。

この曲は、メタル氷河期=私達の世代以降の人、あとはメタルシーンから離れることがなかった人にはすぐ分かったらしいのですが、モロにSlipknotの(sic)のオマージュであるのです。Slipknotのデビューは1999年前後でしたっけ?音楽シーンが小さい田舎に住んでる田舎者の私は、2018年になってBABYMETALを知って、その後に初めてSlipknotを知ったんですよ。

前回の記事で書きましたけれども、私がメタルを知ったアルバムの一つがスレイヤーの「Divine Intervention」なのですが、探しても探しても、こういう激しいスラッシュメタルの正統後継者に会うことはできませんでした。若い頃にTestamentの「The Gathering」には出会いましたが、BURRN!史観の影響が残っている日本のメタルシーンの考え方では、類似した音楽や後継者を探すことは難しかったんですよね。あとから知った結論で言えば、私が求めていたのは「エクストリーム・メタル」だったということです。昔本当に聴きたかった音楽の続きはたしかに存在していて、私はそれを知らなかったけど、今になってBABYMETALが連れてきた、ということなのです。

プログレッシブ・メタルにも後継ジャンルがあった

私の原初のメタル体験はスレイヤーの他にももう一つ、Dream Theaterがあります。昔の考え方ではプログレッシブ・ロックとメタルが融合したプログレッシブ・メタルの後継者なんて、類似したバンドしかないんじゃないかなぁ?という考え方があって、このジャンルから新しいものは生まれにくいという考えだったんですよ。しかし、そんなことはないぞとBABYMETALは教えてくれます。それがDjentやプログレッシブメタルコアなんですよね。BABYMETALの「Rondo Of Nightmare」が教えてくれました。

そして知る、ヘヴィメタルとラウドロック

どうしてこんな、理解するのが難しい音楽シーンになったのだろう…という理由は、前回の記事でも紹介したBURRN!のディープ・パープル至上主義というのがあって、その流れ以外のヘヴィミュージックは日本における「メタル」というジャンルからは無視されていたからだ、ということがわかりました。BURRN!史観から外れた、その他のヘヴィメタルがあって、そして今のメタルシーンにつながるという話は、流石に次回以降に話すことにします。

次回のテーマは、日本の「ヘヴィメタル」から外れた、もう一つのメタルシーン、日本で誕生した「ラウドロック」のバンドの話をしたいと思います。

私に二度目のカルチャーショックを与えたバンド、Crossfaithの話です。

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