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コロンボ好き

うちの旦那さんは『刑事コロンボ』が好きです。

「別に好きなわけじゃないよ」
と本人は言いますが、テレビの再放送があるたびに録画して見ています。これまで何回も見ているはずなのですが。。。
そしてつい最近も4Kで再放送されていました。

「細かいことは忘れてるんだよねー。」と楽しそうです。
一度見たらすぐに録画を消し、次回の再放送があるまで見直すことはありません。録画を削除した途端、ドラマ細部の記憶も消えてしまうようです。

旧シリーズ45話と新シリーズ24話、合わせて69話(スペシャル版も含めて)⁈。そんなにあったのですね。
初回放送は、旧シリーズ1972-1979年、新シリーズは1993-2004年なのだそうです!
コロンボを演じたピーター・フォーク氏は現在 おいくつなのかしら?と思ったら、2011年6月に83歳で亡くなっていたのですね。
“3歳で腫瘍のため右の眼球を失い義眼だった” とのこと、ご苦労が多かったでしょうね。1927年生まれという事は、45歳から76歳までコロンボ警部を演じたことになります。

私の母も『刑事コロンボ』が好きで、再放送のたびにチャンネルを合わせていたそうです。
幼い頃、私も居間で遊びながら この外国の刑事ドラマをチラチラ見ていたのでしょう。何となく覚えているシーンや、犯人がやってしまう致命的ミスのところどころが記憶に残っています。
なので、旦那さんが『刑事コロンボ』を見始めると
「これ、知ってる!撮影所に水を撒くヤツだ!」
などと適当なことを言って冷やかしてしまいます。← これ、一番やって欲しくない事ですよね、以後 気をつけます。

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刑事ドラマやサスペンス映画で私が応援するのは、頭がキレてスマート、紳士淑女だけどちょっとサイコな「犯人」です。なので、実はコロンボのように泥臭くてしつこい刑事は好みではありません。
ボロボロの車に乗り、ヨレヨレのコートを着て、どんな場所でも葉巻の灰を平気で落とす・・・そんなダメダメな中年男性。
かと思いきや、周囲が「どうせお前には無理だろう」と面白半分でやらせると、ビリヤードもホルン演奏も一流の腕前。実は万能でキレ者のロサンゼルス市警・殺人課の凄腕すごうで警部という設定。
とぼけた質問の応酬に「しつこい!」とイライラしたら犯人の負け。つい余計なことを言ったりやったりして墓穴ぼけつを掘ってしまいます。これこそコロンボ警部の思う壺!
最後はコロンボのネチネチしたやり方でミスをあぶり出されてジ・エンド。自分の罪を認めて大人しく観念してしまうのです。
私が犯人だったら、イライラして失言の連続、精神的に追い詰められて逆上してしまい、最後は何をしでかすか わかったもんではありません。

もちろん
「間抜けな風貌←→鋭い観察力・推理力、このギャップがたまらん!」
「お金持ちや地位ある政治家などの悪事が成敗せいばいされてスッキリする!」
「日本のドラマにはない設定やストーリーが小気味こきみ良い」
など熱烈なファンの多いことが、いまだに再放送される所以ゆえんなのでしょう。
しかしやはり、個人的にコロンボ警部はどうも好きになれないのです(笑。

こんな私のことをよく知っている旦那さんは、週末に私が寝静まってから一人でゆっくりコロンボ鑑賞をしていました。2〜3話を一気見いっきみすることもあったそうです。

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そういえば・・・20年近く前。本屋さんで、刑事コロンボ『完全事件ファイル』という本を買ってプレゼントしました。
たしか引越しのときも捨てずに持って来たはず。本棚を探してみると、ありました!
どうやら ほとんど読まれていなかったように新品同様✨。旦那さんは細かい情報や、解説は望んでいないのかも知れませんね。

どれどれ。
ちょっと開いてみると、これがなかなか面白い!

全69話、1話ごとに監督、出演者・スタッフ、あらすじや解説、一口メモもあります。イラストが素晴らしいですね。

『刑事コロンボ 完全事件ファイル』〈別れのワイン〉紹介ページ

特集も盛りだくさん。
[コロンボの調書][コロンボ名ゼリフ集][名犯人10傑][ピーター・フォーク大研究][ロサンゼルス事件地図]など、ドラマを見たことがない私の興味をも非常にそそるのです。

『刑事コロンボ 完全事件ファイル』特集ページより

毎回監督が変わっていたのですね。
解説に並ぶ “フレーズ” が目を引きます。

若きスピルバーグ監督作品として名高いシリーズ化第一作”<死者の身代金>
↑ あらま。俄然見たくなりました。

“この作品の後『羊たちの沈黙』でアカデミー賞を受賞するジョナサン・デミ監督のテンポのいい演出が、本作に何度も観返すに足る魅力を与えていることは特筆しておくべきだろう”<美食の報酬>
↑ 旦那さんも「これは面白かったよ!」
私「<美食の報酬> 見たい!録画まだ消してないよね?」
旦那さん「見たから、もう消したよ!」
とアッサリ、ばっさり。残念です。

この本、いろいろな情報を知りたがる私にピッタリなのです。時間を見つけてじっくり読んでみることにしましょう。

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今回の再放送は毎日(平日)あったようで、週末になると録画リストに
刑事コロンボ・・・刑事コロンボ・・・刑事コロンボ・・・刑事コロンボ・・・
と並んでいました。『完全事件ファイル』をチラ見してから ちょっと興味が湧いてきた私。
「たまには一緒に見ようか。これ、面白そうなタイトルだね」
と私がチョイスしたのは <かみさんよ、安らかに>。
1時間半、椅子に座って最初から最後まで見たのは初めてかもしれません。

感想は、うーーーん。凝り過ぎて何だかコロンボらしくない!
「これは、ちょっと変わり種でつまらなかったね。旧シリーズにはめちゃ面白いのがたくさんあるんだよぉ」
と旦那さんは笑っていました。
早速『完全事件ファイル』を開いて <かみさんよ、安らかに> の批評をみると
“残念ながら本作は、狙いが成功したとは到底いい難い、不出来なエピソード”
酷評こくひょうされていました。解説が的を射ており、気持ちがいいのです。

おそらく旦那さんは手にすることがない『完全事件ファイル』。解説を読んで面白そうな作品に赤丸つけておくことにします。
“私なりの名作” を見つけて、再放送のたびに何度でも見返して楽しむ 旦那さんの真似事まねごとをしたいものです。

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そんな4K再放送が先週で終わってしまったのです。
今朝 出勤する旦那さんが
「コロンボ・ロスだぁ!。略して “コロンボス” !」
と叫んで、一人で受けていました。
なかなか面白くて可愛らしいのです。

やっぱり、大好きなんだね。
今度再放送があったら、4〜5話 一緒に見ようね。

<終わり>

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