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23秋冬新作 RE/DENIM ⑥


最後に紹介させていただく取り組みです。

③リソール廃材の再利用

ある日のこと。
リソールから帰ってきたシューズの仕上がりに満足しつつ、

お便りが達筆すぎる

リソールの工程とは?と想像していたところ、一つ疑問が浮かびました。

平面のラバーシートをシューズの形に合わせて貼り、カットするなら、捨てるラバー片もあるのかな?という疑問。

ここから今回のco_laboが生まれる事になろうとは、知る由もありませんでした。

もし使い途の無いラバー片があるのなら、、、
と思い切ってリソールをしていただいたアトリエにDMを送ったところ、とてもポジティブなご回答が!

お礼を伝えつつ、いただいた見本で早速ラバー片を加工します。

1mm厚のシートをドーナツ状況くり抜く。
これを何に使うかというと、

ボタンの足に挿し込まれたラバーパッキン

↑ジーンズのフロントボタン足部分にセットします。
これを生地に刺してボタンを打ち抜き接合するのですが、このラバーのドーナツは生地に負荷をかけないワッシャー(パッキンとも言います)となるのです。 

打ち付けた状態がこちら↓

足と生地の間にラバーパッキンが挟まっているのが見えますか?

無理かも、と思っていたリユースが成功し、量産への転用も現実となりました。

そこで、ここは一度直接お話しを と、
リソールアトリエにお伺いさせていただきました。


4月8日 土曜日
強風ながら晴天の京都。

訪れたのは 京都三条会商店街にある
凛靴(RINKA)様です。

鉄、革、ゴム、布地が好きな私には
とても"刺さる"アトリエ

『東京から来ましたLOBSTERの...』
と声を掛けさせていただくと、、、現れたのはこれまでやり取りをご担当いただいた佐藤氏。そしてオーナー森氏とも初対面を果たし、早速リソールの現場を拝見させていただきました。

レザーシューズが大好きな私には聖域のような現場。そこに踏み入らせていただき、見慣れない機材やストックされている資材に終始キョロキョロしていました。そしてリソールについてご説明を受け色々と勉強させていただきました。
改めて御礼申し上げます。

リソールに使用するラバーシートの説明を受ける

ここで、同アトリエが販売しているラバーコートKitの材料が、リソール時に発生したゴム屑を使用していると説明をいただきました。
一斗缶のような容器からほろほろとしたラバー屑が現れます。

ラバーコートKitに使用されるのは、リソール時に発生したラバー屑

既に資材のリユースを実践してされていたとは!
そういえば店頭で販売してされていたケースもリソール廃材を使用されているとのこと↓

廃材?でこの味わいある
ハイフリクションクオリティ! 
私も愛用中です。

凛靴は既にラバー廃材を積極的にリユースされていました。

LOBSTERのオファーに賛同いただけたのも、なるほどと再認識。

そして、件のRE/DENIM用のラバーパッキンの材料が遂に登場しました。

RE/DENIMに使用する廃材ラバーはクライマーなら誰もが一度はお世話になったであろう、
Vibram社のRUBBERです。

高い耐久性と気温に左右されにくい特長のあるVibramラバーを贅沢にもRE/DENIMの補強資材として使用することにご快諾いただいたVibram Japan様、凛靴様には感謝の言葉が尽きません。

左:オーナー森氏 右:職人佐藤氏


いま私の手元には凛靴様よりお預かりしたラバーシートがあります。

RE/DENIMを着用されるクライマー諸氏には、
こうした様々なクラフトマンシップや、
ポジティブインパクトに寄与する材料で成り立っている事を心の片隅に留めていただければ、と思います。

次回は、RE/DENIMについての最終noteです

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