【短編小説】バースデー
僕はあぐらを組み、アコースティックギターを太ももに乗せ、そっと弦を弾いた。
目の前には楽譜がある。既存の曲ではなく、僕のオリジナルの曲だ。
しかし、自分で作った曲のはずなのにほとんど忘れてしまっているので、ところどころ間違ってしまう。
楽譜の右上に書いてある日付を確認した。
「20X0年10月1日か…」
今日は20X1年10月1日、ちょうど1年前の楽譜だった。
僕は毎日曲を作り、それを楽譜帳に記録して1つのファイルにまとめている。
僕にとってこの楽譜帳は日記みたいなもので、そ