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パーソナルトレーナーが最低限知っておくべき15項目〜パーソナルトレーナーズ・バイブル(2)「機能解剖学」

大阪〜神戸で活動して24年目に突入!パーソナルトレーナーのたかつです
スポーツトレーナー学院で校長をしたり、パーソナルトレーナーの寺子屋というオンラインサロンを運営しています。
こちらのブログはフィットネスの世界で働く方、働きたい方、NESTA等パーソナルトレーナー資格をお持ちでスキルアップ、キャリアアップを考えている方向けに書いてます

セクション2:機能解剖学とキネシオロジー

骨から覚える機能解剖学

骨の数は十分暗記が可能なほど数は少なく、また運動表現のために各関節の動きを覚えることが筋肉以上に重要であることからまず、初学者は「骨・関節」から当たっていくと良い。
体軸性骨格
  ・頭蓋骨・・・28個の骨
  ・脊 柱・・・33個の椎骨 (頸椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎)
  ・胸 郭・・・胸骨、胸椎、肋骨
付属性骨格
  【上肢】
   ・上肢帯・・・肩甲骨、鎖骨
   ・自由上肢・・・上腕骨、橈骨、尺骨、手根骨、中手骨、指骨
  【下肢】
   ・下肢帯・・・寛骨(腸骨、恥骨、坐骨)
   ・自由下肢・・・大腿骨、膝蓋骨、脛骨、腓骨、足根骨、中足骨、趾骨
簡単にイラストを描けるくらいに、頭から足指までのイメージをすること。
頭〜仙骨までのセンターライン
 肋骨と胸骨からなる胸郭部
 鎖骨と肩甲骨〜上腕骨〜手(各指の指骨の本数)
 仙腸関節〜大腿骨・下腿〜足(各指の趾骨の本数)

骨格模型前面(NESTAーPFT)
骨格模型後面(NESTAーPFT)

関節の動きと運動表現
 前額面・矢状軸の運動→外転–内転  側屈
 矢状面・前額軸の運動→屈曲–伸展
 水平面・垂直軸の運動→回旋
 その他特殊な運動前腕部・足部 
 回内–回外  
 肩甲骨→挙上•下制•内転•外転•上方回旋•下方回旋
関節の動きは、関節ごとにどの方向にどれくらい動くか決まっている。運動軸が一つしかない関節は、屈曲伸展のみなど二つの運動方向しかないが、運動軸が3つ以上ある場合は、あらゆる動きが構造上の限界の範囲で可能である。
一軸性関節:蝶番関節/車軸関節
二軸性関節:鞍関節/楕円関節
多軸性関節:球関節/平面関節
関節はその置かれているポジションにより「しまった」「ロックされた」動きが制限されたものと、「ルーズな」「緩んだ」遊びのある動きやすい角度が存在する
前者を「クローズドパックポジション」後者を「ルーズパックポジション」という
※身体調整コースで行っている手技は「ルーズパックポジション」を見つけその範囲での運動を繰り返すことを基本としている

筋肉について

 骨格筋は全て覚えようと思うと400余りあり、これを暗記することは得策ではない。エクササイズで使われる主要な筋肉を把握したり、ストレッチングで起始と停止を把握する中で把握していけば良い。
筋肉の形態として、線維が平行に並び短縮したときに膨らみやすく筋肥大を早く目視できる「紡錘状」の筋肉と、腱から斜めに伸びた線維で、限られた面積の中に多くの線維を敷き詰めることができる「羽状の筋肉」がある。
前者は稼働範囲を大きく取れ、後者は力発揮が大きいことが特徴である。
例)紡錘状筋=上腕二頭筋 羽状筋=上腕三頭筋 広背筋
「筋収縮」という言葉を定義すると、筋肉が筋肉自体の中心方向に能動的に力を発揮することとなり、実際に筋肉の長さの状態に関係なく力が出ていれば「筋収縮」していると言える。
筋の収縮様式として「アイソメトリック」「コンセントリック」「エキセントリック」の3つを覚えておくと良い。エクササイズは通常このいずれかの収縮を行っている。
例)スクワットのしゃがむ局面=エキセントリック アームカールで肘を曲げる局面=コンセントリック プランク=アイソメトリックトレーニング

筋肉の収縮様式

筋肉の覚え方

 関節を中心にその動きに関わる筋肉を覚えていくようにしていくと良い。
 例)股関節→屈曲)腸骨筋 大腰筋 大腿直筋 縫工筋 大腿筋膜張筋 内転筋群
動作=関節運動の組み合わせ
スクワットはしゃがんで立つ動作ですが、まっすぐしゃがむ(直線運動)を起こしているのは、足関節、膝関節、股関節の3つがそれぞれ回転し組み合わされた結果。
うまくしゃがめないといったケースが出た場合、三つの関節運動の手順は適切かはたまた、どこかの関節の動きに悪い(硬い)ところはないか、といった視点で動作を見ることができるようになる。

機能解剖学をエクササイズを通じて覚えてみる

 解剖学の本を眺めていてもなかなか筋肉の名称や作用を覚えられないという人も少なくありません。その場合はまず、行なっているエクササイズの動作を関節の動きとして捉え、その関節の動きに作用する筋肉を覚えていくことでいくらか頭に入れやすくなります。その際に注意すべき点は、物理的な要素です。関節が動きているからといって、筋肉が収縮しているとは限りません。
下肢の多関節エクササイズ
(スクワット、ランジ、レッグプレス)
・矢状面の運動
・股関節、膝関節、足関節の屈伸
・主働筋、協働筋:大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、下腿三頭筋

バックスクワット

上肢のエクササイズ(プルダウン/サイドレイズ)
・前額面の運動
・肩関節の内転/外転
・主動筋:・広背筋、大円筋/三角筋

肩関節の動き(筋骨格系のキネシオロジー)

ベンチプレスのベンチ台の角度と機能解剖学

大胸筋の繊維は大きく三つに分かれており、それぞれ走行方向が異なります。
各部の線維を的確に負荷を掛けるために、ベンチ台の角度を変化させて、つまり胴体に対して上肢の動きの方向を「真っ直ぐ、斜め上、斜め下」に変えることで各々の線維を刺激しやすくします。

大胸筋


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