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「パーソナルトレーニングで健康被害多発!」の記事を見て思うこと

大阪〜神戸で活動して24年目に突入!パーソナルトレーナーのたかつです
スポーツトレーナー学院で校長をしたり、パーソナルトレーナーの寺子屋というオンラインサロンを運営しています。
こちらのブログはフィットネスの世界で働く方、働きたい方、NESTA等パーソナルトレーナー資格をお持ちでスキルアップ、キャリアアップを考えている方向けに書いてます。

こんな記事が業界をざわつかせています・・・

5月19日のYahoo!ニュースに「パーソナルトレーニングで健康被害多発 消費者庁、調査開始」というタイトルの記事が掲載されたようです。

毎日新聞の記事のようです→https://mainichi.jp/articles/20230520/ddm/012/100/061000c

実はこれに関しては、2022年4月にも国民生活センターが注意喚起をしています。

これを受けて私も同年4月25日に記事を書いていました。

1年前にも同じような記事が出ても結局、そのようなジムや指導者が後を立たなかったのでしょうか・・・?
色々と問題点が見えてきます。

パーソナルトレーナーに資格は必要か?

 たびたび、こんなタイトルの記事を私も書き、発信してきました。これについては誰もが「資格はなくても仕事はできるけど、何者でもないうちは資格を取った方がいい。取るかどうか迷うくらいなら取った方がいい」と言った考えに共感いただけるかと思います。
しかし、これだけ事故報告、健康被害が露呈しているとなると、なんらかのメジャーなパーソナルトレーナー資格(日本国内では、NSCA,NESTA,JATI,JS PO-AT)が最低限必須ということになってくるかもしれません。
私は長年、スポーツ系専門学校などで講義してきており、また資格発行する側として教える立場にもありますが、あまりにも基本的なことを理解できない人、資格試験すら受からない人も確かにいます。資格保持はともかく、1回受けて合格するレベルでないと、ほんとに最低限ですけど、困るわけです。

そして、もう一つは、賠償責任保険への加入です。
もちろん、事故を起こすのはよくないですが、注意していたとしても起こるのが事故です。そういったときに、万が一のために入っておく必要があるのが保険です。
施設運営側は当然そういった保険へ加入されていると思いますが、問題は業務委託のトレーナーさんなど、個人事業主(フリーランス)として仕事をしている人です。保険の存在すら知らない人もいるのではないでしょうか?
事故を起こさないと同時に、起こった時への備えまでやっておくことでやっと仕事としてのスタートラインです。

NESTAの会員制度や、NSCAの有資格者への保険制度などもありますし、フリーランス協会の保険などもあります。
ご自身の条件に合うもので、保険に入っておくことは最低限の義務ではないでしょうか。

なぜ、ニュースに取り上げられたような健康被害が起こるのか?

はっきり言うと、トレーナー側の勉強不足とお客様とのコミュニケーション不足です。
 24年もパーソナルトレーナーをやっているといろんなもの、ことを見聞きしてきましたし、今でも、いろんな情報が寄せられます。

一つ、事例をあげると、現在、私のセッションを受けてくださっている方で、それまでに数カ所のパーソナルトレーニングジム、トレーナーにトレーニングを見てもらった人のお話しを。
 最初から評価もなければ、エクササイズを教えるのも、なぜそのような動きになるのかわかるような説明がないままやらされたようです。確かに、私の最初の印象もやってた割にはできないなというものでした。
 食事指導に関しても、極端な内容で、なぜそれをそれくらい食べるのかと言うことに対する根拠みたいなものもなく、挙句には、「誰々さんのインスタグラムの食事内容見て真似したらえ〜んよ」とのアドバイスを受けたようです笑 
あるエクササイズをすると、肩の付け根が痛くなると訴えると、「トレーニングで痛みはつきもの。俺もしょっちゅう痛めながらトレーニングしてるし・・・」といった返答が来たそうです。

これ、作り話ではなく実話ですよ笑

いや笑い事ではありません!!

こういった事例がいくつもあってその氷山の一角として、消費者庁の調査対象となる事例が浮かび上がったのだろうと思います。

お客様も最初から完全なる健康体でどこも問題なく、すぐに動ける方ばっかりでしたらいいですが、実際には、運動不足で関節が硬くなっていたり、久々に動くため動作学習が十分にできていないと言うケースも少なくありません。
それでも今回、事例として出したお客様は若くて健康体な女性でそれなりに動ける人でしたから、それほど難しいケースのクライアントではありません。つまり、健康で問題のない女性の指導すらちゃんとできてないし、なんなら不健康にしてしまっていたかもしれないわけですよ。。。
 結果的に、私のところにきていただき3ヶ月でスクワットを60kgでセットを組めるほどになり、どこも痛くないですし、食事もストレスなく好きなお酒も飲みながらボディメイクできています。
※私がすごいとかではなく、ごくごく当たり前の普通のことをしているだけです

バックスクワット60kg


お客様の感想

普通にやればいいだけなのですが、それすらできていないジムやトレーナーがいると言うことでしょう。

評価や準備エクササイズを十分に行おう

パーソナルトレーニングの多くは60分/1セッションでしょう。その限られた時間の中で、いいものを提供するためには、評価を適切に行う必要があります。何をどの程度やってもらうのが良いかと言う目利きのようなことです。
評価メソッドを色々と知ることも大事ですが、何かのエクササイズをやってもらってそこから、分析していくと言うのが効率的にも良いかと思います。
例えばですが、四つん這い(4ポイントエクササイズ)で色々動かしてもらって、柔軟性や関節の安定性、動かしやすさ、などを評価していくというもの。これで準備としての役割と評価としての役割を同時進行で行えます。
私のセッションでは、体力の低い人、運動習慣の乏しい人、痛みがあったり怪我明けのアスリートでは、この準備エクササイズに時間の大半を使うこともあります。

食事指導はトレーナーのメインの仕事なのか?

国民生活センターによると、2017年度以降の約5年間で、パーソナルトレーニングによるけがや病気の相談が105件あり、そのうち女性が9割だった。

Yahoo!ニュース

女性の相談が多く寄せられている状況をあくまで想像で話をすると、男性トレーナーがまだまだ多い中、クライアントさんは女性が多い状況で、例えばダイエット指導を男性目線で男性の経験則のみで指導しているのならば、生理不順や摂食障害などにつながっているのではないかと思ってしまいます。実際に聞いた話では、1日の摂取カロリーを700kcalにするとか、生理が止まっていても無視して継続させるなどが指導現場であるようです。

パーソナルトレーナーは確かに食事のアドバイスを行う立場にありますが、具体的に何を食べる、どれくらい食べるなどの具体的な指導サービスはやはり管理栄養士などの食のアドバイス関係の資格を持っている(その分野に精通している)人がふさわしいかと思っています。
パーソナルトレーナーの一般的な学習過程においては、食事指導はアドバイス程度のものでしかありません。個別に食アドバイスに関する情報を集め、実践に関して相談できる環境をお持ちの方は良いのですが、例えば自分のダイエット経験のみで対応しているとか、本でえた情報だけでやっているとか、もっとひどい場合は、Instagramのダイエットレシピをそのまま横流ししているだけとか・・・であれば問題です。

やはり食のアドバイスに関しても体系的に学んだ上で提供するのが本筋かと思います。

手前味噌ですが、パーソナルトレーナーの寺子屋では、トレーナー向けに食のアドバイスのために資格講座を、一般社団法人)食アスリート協会さんとコラボして準備いたしました。上記のような、食のアドバイスやパーソナルトレーニングで健康被害を出さないためにもきちんとしたものを本物から学んだ上で提供するそのための自己投資をしてほしいと願っております。

食アス・アドバイザー講座の資格に関しては以下のページをご覧ください。
2023年6月27日より、約2ヶ月の工程で1期生がスタートいたします!


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