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スタートアップでエンプロイーサクセスを考えるということ - v.1

Leanerにて、カスタマーサクセス(CS)、オペレーション(Ops.)を担当している小野です。

私はLeanerにジョインした理由も、"このメンバーと生き生きと働いて、大きな事業を成し遂げたい"という青春第一の人間です。

そのため、メインのミッションに加えて、手上げ的に

”エンプロイーサクセス”(ES)

という部門で、活動しています。

しかし、現状ではESという部門もない企業も多く(HRの一領域としては存在)、考え方もあまり浸透しているものではないなと感じています。

今回は"エンプロイーサクセス"とは何か?・考えていること・施策を実行してみた結果など、幅広く書いていく連載の第一回となります。


エンプロイーサクセスとは?

そもそも、”エンプロイーサクセス”とは何か?ということの説明をしたいと思います。

諸説あると思いますが、有名なところだとSalesforce社が人事部門のことを”HR”ではなく”ES(エンプロイーサクセス)”として、部門を定義していること。そしてその部門では、

ビジネスの成功を実現させていくためには、そこで働く1人ひとりの従業員が自分らしく生き生きと働くことが重要。~略~ それが実現できるような施策を行っています。

というように、"従業員が生き生きと働くために行う施策"のことを指していそうです。


なぜ今ES?

昨今の働く人々は、

コロナの影響もあり、リモートでの勤務も一般的になりつつあり、周りの従業員とのコミュニケーションが希薄になってくる状況にある場合が多くなっているのではないでしょうか。

そんな環境にいると、

「あれ?自分はなんでこの仕事してるんだっけ?(あまりやりたくない)」

「このままこの会社に居続けて良いのだろうか?(会社が楽しくない)」

という考えに襲われがちじゃないかなと感じています。

そんな時に、各個人が能動的に自分自身のサクセスのために、立ち止まって内省し、行動をするというのは、日々のミッションに追われる中では難しいように思います。

そんな状態では、企業としても良い状態ではないし、部門として・ミッションとしてエンプロイーのサクセスを追求する人間を置くことで、生き生き働こうよ、という現代に即した枠組みなのではないかと思っています。


エンプロイーサクセスの現状は?

私は、人材系日経最大手の企業出身で、現在は創業から2年でどスタートアップに5人目でジョインしているため、大企業/スタートアップの両極を経験していると思うのですが、

どちらをみてもエンプロイーサクセスのために行われている施策としては、

1. 社会保障・住宅補助などの労務系制度
2. 勤務先・グループ会社商品などの社販制度
3. 社員ランチ・部活動制度などのコミュニケーション活性施策
4. 全社総会・表彰制度などの評価制度

といった、福利厚生の施策から、評価表彰のためのイベントなどが主にありそうです。

会社の規模による予算の問題などから、仕立ての大小はあれど、

多くの企業が導入済み・もしくは導入を検討しているものとして何かしらの施策は実施なされているものが多いように感じます。

そしてそのどれもが、”従業員が生き生きと働く”ことのためにはプラスになる施策になりそうです。


問題点は?

何を目指して施策を実行していくのか?ということがわかりにくい、ということが問題に感じる。

"従業員が生き生きと働く"という状態ゴールを置いたときに、

・アウトプットの質が上がる
・メンバーに対してのコミュニケーション量増える
・リファラル紹介が増える

など、従業員によって、表れる形はさまざまで、定量的にもトラックをして改善していくということが難しそうです。

極端な話、実施する施策は思いついたものベースで、やらないよりはやったほうがいいよね的なレベルのもの(派手な表彰会や、シャッフルランチなど)を行ってしまうということがありそう。


何を目指して取り組めば良いか?

表彰会や、シャッフルランチが施策として間違っているということを言いたい訳ではなく、

自身の成果・能力を証明したい、という人には承認される表彰の場というのは最適でしょうし、

自部門以外でも広く関係性を築きたい人にとっては、シャッフルランチはまさに求めているものかもしれません。

要は、

個人個別が持つ、企業に対する期待値に対して充足するような打ち手がなされれば、「その会社で・その従業員が」生き生きと働くという気持ちが満たされると感じます。

この企業に対する”従業員の期待値 EA(=Expectation Alignment)”を正しく捕まえて、最大化させることを目指すことが良いように感じます。

※EAは、エンプロイーサクセスを考える上で教科書と言われる以下書籍に詳しく記載されています。


※また解説としては以下もわかりやすく、参考にさせていただいております。


まずは、何から始めたか?

EAを高めるということは定まっても、まずは従業員が持つ企業に対する期待というものを正しく捉える必要があると思います。

そこで、Leanerでは直接の上長とは別に、ESチームが行うメンバーとの1on1を行ってみました。


結果、見えてきたもの

既に行われていたマネージャーとの定例の場合では、日々メンバーが抱えるミッションでの困り事を相談したり、答申提案などが行われ、課題の解決に向かうような

”コト(課題)にフォーカスの当たったコミュニケーション”

が中心ですが、

ESが行う1on1の場合は、部門を横断したナナメやヨコの関係性でのコミュニケーションとなるため、従業員のwill(目標や憧れ)やどういうライフバランスを目指すかなど

"ヒトにフォーカスの当たったコミュニケーション"

になりやすい、と気づきました。

それによって自然と、各従業員が何を価値観として大事にしているか?・企業には何を求めているのか?ということが明らかになり、各人のEA把握に繋がってきました。

多くの企業はメンバーのミッション遂行のために、部門長との1on1の実施をされていることは一般的かと思いますが、

HR担当や、別途ES担当を立てた上で、ヨコの関係からの1on1を推進してEAを把握するということはおすすめです。


この後何をしていくか?

とはいえ、現状ではまだ定性的にEAが明らかになってきたというだけの段階です。

そのEAをどのように満たしていくのか?という課題があると思っています。

そこで現在では、コーチングのアプローチを用いて各メンバーのEAに対して、自身で切り開きながら期待に向けて推進をしていくというアプローチを試しているのですが、まだ半ばなため結果が見え始めたタイミングで次項を書きたいと思います。


ここまで、読んでくださりありがとうございました。
まだあまり一般的ではないエンプロイーサクセスという考えをぜひ、推進発展していきたいと思っておりますので、興味のある方は一緒に深めていきましょう。


・筆者: https://twitter.com/kouya_relas22
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