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自社に合ったPR会社・サービスの選び方と見極めポイントを解説!

※本稿は、バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」でリープフロッグ代表の松田が執筆している専門家コラム「スタートアップの広報戦略 ~もう間違えない! 自社に合ったPRサービスの選び方~」を許可を得て転載しているものです。その他の記事、最新コラムはコチラをご覧ください♪ URL:https://officenomikata.jp/expert/173/

リープフロッグ 松田純子について                URL:https://peraichi.com/landing_pages/view/leapfrog/

今回は、スタートアップや中小企業が広報活動を本格化させる際に便利な、各種PR会社(サービス)の選び方について解説します。どんなに強力なサポートも正しく活用できないと恩恵は半減してしまいます。見極めポイントを知ることで、自社に合った会社・サービスを見つけてください!

社内にノウハウがない時に頼れる代表的なPRサービスとは?


つい10年ほど前まで、一般的に社内に広報専門の部署を置いているのは大企業だけでした。しかし、情報環境の変化もあって、数年ほど前からスタートアップや中小企業も広報専門の部門を持つようになってきました。ニーズが増えた分、そうした企業を支援する会社や副業・専業の個人コンサルタントの方も増えてきたと感じます

 社内に経験者がおらず知見やノウハウがない場合、こうした外部の力を自社の広報活動に利用することは有効です。では、PRサービスを活用する際のメリット、注意点にはどんなものがあるのでしょうか? 


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上の図は、広報組織の立ち上げ時に考えられる代表的な広報体制のパターンです。自社の広報担当者だけで運営するケースのほか、PRサービスを活用して重要度と難易度が高い「メディアアプローチを外部委託する」、「広報担当者の育成支援を依頼する」ケースなどがあります。

 これらの体制のメリットと注意点、PR関連サービスの活用ポイントをまとめると以下のようになります。

【パターン①】自社で頑張る方法のメリットと注意点

 
 まずは、広報担当者の方が「自力で頑張る」、一番オーソドックスなパターンです。PRサービスを活用しなくて済むのであれば、その分コストも安くなります。組織立ち上げ時にこのパターンを可能にする一番の方法は、経験豊富な広報人材を採用することです。

 広報領域は長く大企業にしか仕事がなかったこともあり、経験豊富な広報人材の絶対量は多くありません。採用のポイントは、エージェント頼みにしないことです。社長を含めた個人のつながりをフル活用し、転職潜在層までリーチしたうえでリファラル(紹介)採用することが一つの方法です。採用にはある程度の“運”も必要です。

 また、意外と盲点なのが広報業務の範囲と種類です。広報領域は、トップの考え方や企業規模、企業ステージ、メディアからの取材依頼の有無など、環境によって意外と企業ごとの基本業務が異なります採用する場合は、自社が目指す広報活動の形と候補者の経験や志向性がどの程度合うか、事前によく見極めることが重要です。

 一方、社内にノウハウがまったくない状況でこのパターンを選ぶと、業務を学ぶこと自体に時間がかかる懸念があります。「どういった情報発信が有効なのか分からず、メディアとのリレーションも築けないまま1年が過ぎた…」という例も少なくありません。

【パターン②】メディアアプローチの外部委託のメリットと注意点 
 

 内部に経験者がまったくいない場合には、外部の力を借りることも有効です。PR会社やPRコンサルタントに依頼できる主なサービスの一つとして、「メディアアプローチ」の外部委託があります。

 PR会社はさまざまなクライアントの案件を同時並行でたくさん持つため、それらの「ネタ」を介してさまざまなメディアと頻繁に接触しています。幅広いリレーションをもとに、メディアの編集方針から記者・編集者の個別ニーズまで把握してアプローチすることが可能で、未経験者が自力で行うよりはるかに正確な情報提供が行えるでしょう。自社に取材依頼が来やすい商品やサービスがあれば、短期間の依頼でも大きな成果(メディア露出)が出る可能性があります。

 この依頼の際に企業が気をつけるべき点は、「支援範囲」の確認です。メディアアプローチ部分を自社から切り離して外部委託する場合、契約によっては自社にとって有効なノウハウやコンタクトリスト(記者や編集者の連絡先)などを自社に蓄積できないことがあります。そうなると自社で仕事を完結させることができず、いつまでも外部サービスに頼らざるを得なくなります

 また、企業の広報活動である以上、「メディアに出れば何でも良い」訳ではありません。「誰に(潜在顧客・顧客、求職者、投資家etc.)」「どういった会社(サービス)だと理解してもらいたいか」から逆算して、「どんなメディア」に「どんな風に」取り上げられたいかを考えて情報提供をする必要があります。

 この戦略立案が非常に重要で、経営トップと相談しながら広報担当者が大いに頭を悩ませる部分です。しかし、メディアアプローチ部分だけに特化したサービスを選択すると、戦略部分を一緒に考えてもらうことはできません

 PRサービスを依頼する際は、広報戦略立案やそれに沿ったネタ探しから一緒に行ってもらいたいのか、自社が提供した情報を特定のメディアに確実に届けてもらえれば良いのかなど、希望を明確にして利用サービスを選択することが重要です。自社の状況(社内でどこまでやれるのか)と要望(何ができたら目標達成とするのか)を伝え、ゴール達成に向けてどんな支援をしてもらう必要があるのかすり合わせることがポイントです。

【パターン③】広報担当者の育成サービスのメリットと注意点


 3つ目のパターンとしては、PR会社やPRコンサルタントに広報担当者の「育成」を依頼するパターンです。具体的な支援内容はサービス提供者によって異なりますが、基本的には広報担当者の方が自身で広報の基本業務を行えるようにするための支援です。

 この場合、一定期間サービスを活用すれば、自社内で広報担当者が育ちすべてのナレッジ・ノウハウを自社内に蓄積していくことが可能です。

 ただし、例えば、ゼロからの人材育成、組織立ち上げとなれば半年から1年など、一定期間は継続的に支援を依頼する必要性が生じます。その意味では上記2つのパターンと比べるとコスト面での負担は大きいと予想されます。

 育成支援を依頼する際に重要なことも、パターン②と同様でやはり自社が目指すゴールを明確にすることです。例えば、「一人でプレスリリースが書ける」ようになれば良いのか、「経営戦略に合わせた広報戦略の立案や具体施策の企画・実行・評価」までできるようにしたいのか、では依頼内容が大きく変わってきます。

 どの程度の期間やコストが許容できるのかを踏まえて、サービス提供者とすり合わせることからはじめることをお勧めします

 ポイントは、自社の広報部のありたい姿と現状を明確にし、必要な支援を洗い出すことです。サービス提供者によって対応範囲は異なると思いますが、本当に根本的な所から悩んでいる場合は「自社の広報部のありたい姿とは何か」から相談してみてもよいかもしれません。

 今回、3つのパターンを提示しましたが、PRサービス提供者によっては、サービスの内容が必ずしも上記3パターンにはっきり分かれるわけではありません。例えば②と③のハイブリッドでの支援依頼は可能なのか、最初の3ヶ月だけ③にできないかなど、相談できることもあります

これだけは確認しよう! PRサービスを選ぶ際のチェックリスト


最後に、筆者の考えるPRサービスを選ぶ際のチェックポイントをリスト形式にまとめてみました。当然、サービス提供者ごとに得意領域、注力領域があり、依頼できる内容は異なります。自社に合ったPR関連サービスを探すための参考にしていただければと思います。

【PRサービスを選ぶ際のチェックリスト例】

◆支援内容(どこまで依頼できるのか?)◆

メディアアプローチの外部委託

・メディアへの情報提供、取材調整、取材当日のアテンド支援
・メディア露出のための戦略立案(提供すべきネタ探し、ネタ作り)の支援
・メディアとのリレーションづくりの支援(紹介)
・プレスリリース作成など実務の対応範囲 など、どこまでが支援範囲か

育成支援

・育成支援で身につけられる業務範囲(基本メニューがあるのか、企業ごとの要望に合わせてくれるのか、など)
・どの程度の期間で、どの程度のことを身につける想定か
・プレスリリース作成やメディアへの情報提供などの実務も依頼できるのか など、どこまでが支援範囲か

その他

メディアアプローチ特化型・育成特化型なのか、ハイブリッドで依頼できるのか
SNS運用やマーケティング(広告)支援も依頼できるのか など

◆相談頻度◆

・ミーティングの頻度
・ミーティングの想定内容
・ミーティング以外でのコミュニケーションの方法

◆得意領域◆

BtoC、BtoB、特定業界、特定メディアに強い など

◆過去実績◆

・過去のクライアント、担当商材とその成果

◆サービス提供者の体制◆

・一人なのか、複数人体制か(どんな役割分担か)

◆活動報告の仕方◆

・内容、頻度

◆契約方法(最低契約期間)◆

・リテイナー(一定期間の月額固定)、プロジェクト(単発)、成果報酬型、タイムチャージ(時給)など、どんな契約形態が可能か

◆コスト◆

・支援内容別の料金
(他社と比較してコスパを見る)

など

 会社や個人によっては、サービス内容を柔軟に調整してくれる場合もあります。提示されたサービス資料をそのまま鵜呑みにするのではなく、自社が求める支援内容を明確にした上で相談、調整してもらえば成果も上がりやすくなります

 活用上のポイントをおさえながら、ぜひ自社にあったPRサービスを見つけていただければと思います。

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(参考)リープフロッグ松田のメディア執筆一覧はこちら

URL:https://peraichi.com/landing_pages/view/leapfrog/


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