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締め切りに関して

行動経済学とは、経済学と心理学の視点を組み合わせ、人間の経済行動を、現実に即した分析をする学問です。

「行動経済学」では、人間は必ずしも合理的には動かないという考えをもとにして経済学を分析します。

人は、締め切りに関して、合理的に動かないことについて説明していきます。

締め切り効果とは

締め切り効果とは、締め切りがあることで、集中力が高まり、生産性が高まるという効果です。

例えば、ある大学生2チームに3本のレポートを提出してもらう実験を行いました。

Aグループ
レポートの提出期限は学期末ですが、1本目は4週間後、2本目は8週間後、3本目は12週間後と強制的な締め切りを設定。

Bグループ
レポートの提出期限は学期末です。締め切りは3本とも学期末提出。

学期末が来て採点をしたところ、成績が良かったのは、各レポートについて4、8、12週間と強制的な締め切りを設定したAグループでした。

この結果から、わかることは、締め切りがあることで、モチベーションが続き、質の高い成果物が出せるということです。

逆に、成績が悪かったのは、3本とも学期末に締め切りを設定したBグループでした。3本とも学期末に締め切りを設定したグループは、夏休みの宿題をぎりぎりにやるように、締め切り直前まで作業を開始せず、慌ててレポートを作成したことで、成果物の質が下がったのではないかと思われます。これを「学生症候群(Student Syndrome)」と言います。

現在志向バイアスとは

人は、なぜ締め切り直前まで作業を開始しないのかというと、目の前の出来事を優先して、計画していた行動を先延ばしにしてしまう傾向があるからです。
この現象と同じで、
「現在志向バイアス」とは、未来に大きな利益を得られる可能性よりも、目先の小さな利益を優先してしまう心理傾向のことを言います。

例えば、2つのケースがあった場合どちらを選ぶでしょうか?

A今、10,000円もらえる
B1ヶ月後10,500円もらえる

1か月待てば500円多くもらえるのですが、今10,000円もらうことを選ぶ人は多いと思います。それぐらい今もらえる利益には魅力があるということです。

まとめ

締め切り効果と現在志向バイアスについて説明しました。
締め切りを設けることで品質が向上したり、将来の利益よりも、目の前の利益を優先するように、人は合理的に行動しないことが分かったと思います。

仕事での応用例としては、
締め切り効果を使い、適切に部下に中間報告をさせ、最終報告の品質を上げるというマネージャーの仕事に応用できます。

現在志向バイアスに関しては、今もらえるお金を我慢し、将来大きなリターンを得るというのは投資家の考え方です。

行動経済学を学び、締め切りを管理し品質を上げ、将来の大きなリターンを得るような仕事をしましょう!!

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