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今日覚えたい文法

時間を感じよう。

Boris Vian というアーティストが作詞をし、ご本人も歌唱をしている le Déserteur という素晴らしい歌があります。

こんなふうに始まります。

Monsieur le président
大統領様
Je vous fais une lettre
お手紙をしたためています。
Que vous lirez peut-être
ひょっとしたら読んでいただけるでしょうか。
Si vous avez le temps.
お時間があれば、ですが。
Je viens de recevoir
先ほど受け取ったばかりです。
Mes papiers militaires
赤紙を
Pour partir à la guerre
戦場へ迎えとの
Avant mercredi soir.
水曜日までに

Je vous écris une lettre
直説法現在形で「今手紙を書いている」と進行中の行為を表しています。

Que vous lirez peut–être
(手紙を送るから)peut-être ひょっとしたら、未来のどこかであなたは読むかもしれませんね。
今から見た未来に起こる可能性がある行為は「単純未来形」の担当です。

Si vous avez le temps
(手紙をお読みになる)そんなお時間があればの話ですが。
Si 節を後に置いているところがうまいな、と思わせます。
補足説明と感じさせますが、歌詞の世界なので偶然の産物である可能性も否定できません。

読むかもね、まあ、時間があればね。←ないと聞いている人は感じるはずです。

Je viens de recevoir
さきほど受け取ったばかりを伝える近接過去形です。
受け取る(recevoir )という行為から(de)今へやってきた(viens)と考えると近接過去形のニュアンスがわかりやすくなります。

pour partir à la guerre
戦争へ旅立つという方向(目的)へ向かえ、という指示です。
目的を表す前置詞 pour は、時には「時間の流れの次の行為」を伝えるのに使われます。

Je suis descendu à Lyon pour prendre le bus.
リヨンで降りてバスに乗りました。

avant mercredi soir
曜日に冠詞をつけずに未来の話の文脈で使うと「一番近い曜日」を表すのでしたね。
遅くとも水曜日までにということは、赤紙を受け取ったのは前の週の木曜日から月曜日ということになります。(火曜日であれば明日と言っているはずです。)

ぼくは逃げますよ。

ご参考まで

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