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今日覚えたい発音

une tasse de café

昨日古い知り合い(残念ながら、今では縁が切れている)が書いた音声学の論文を読んでいたら。次のような記述がありました。

無強勢音節は短く速く発音される。 「例 (13) の "par le train de midi" にある」(←ぼくが補足しました)d(e) midi で母音 /e/ を発音せず、(une tasse) de café でも [dcafe] のように言う。

一部が気になるので、自分なりの解説を加えて正したいと思います。
(ぼくの発言が間違っていると思われる方は、優しく諭してください)

無強勢音節は短く速く発音される。
→これはわかるのです。de / le / que… は積極的に意味を持たないし文の最後に来ることはまずないので、強強勢音節にはなりません。(文の中で強調したい語や文末の語は強強勢音節となり、長くはっきりと発音される傾向にあります。)

「例 (13) の "par le train de midi" にある」(←ぼくが補足しました)d(e) midi で母音 /e/ を発音せず、(une tasse) de café でも [dcafe] のように言う。
→ ん???

もちろん例外はあるのですが、フランス語では「3子音連続禁止の法則」というのがあります。
3つの子音を続けていうのは疲れるので、途中で休憩。多くの場合2つ目の子音を発音し終わったらつなぎの [ø] を挿入。

par le train de midi
[par lø trɛ̃d mi.di]

le で音節を作らないと [r-l-t-r] と3子音どころか4子音の連続になって、極めて発音しづらい状況が生まれてしまいます。
そこで [lø] と音節作ることで、前後(左右)に子音を2コづつに分けるのです。
train de midi のほうは [trɛ̃d mi.di] となるので、 e の部分で母音を作らずに[d] だけを発音しても、3子音連続にはならないのです。

une tasse de café に改めて注目です。

une tasse の部分は [n-t] と続けて読んでも2子音連続にしかならないいので、un(e)-tasse [yn ta] と発音します。

tasse de の箇所です。
ここも同じく[s-d] と続けて読んでも2子音連続にしかならないいので、tasse de [tas d] と発音します。

次が問題なのです。

tasse de café というつながりを考えると、tasse の e は発音しないのですが、de を発音しないと [tasdc] と子音が3コつながってしまいます。

これはまずいですね。
「3子音連続禁止の法則」に抵触してしまいます。
こういうときには、de を [ø] と発音すればいいのです。

2つ目の子音を発音し終わったらつなぎの [ø] を挿入。

結果的に、

une tasse de café は論文に書かれている([yn tas dca.fe])のとは違い、
[yn tas dø ca.fe] と1音節増えることになります。

わかってもらえるのだろうか。
音を文字で説明するって難しいし、限界がありますね。

あ”〜、喋りたい。

ご参考まで

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