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シアル酸のコントロール方法

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脳性麻痺、自閉症、発達障害や認知症に共通するのは脳の中での糖鎖のバランスが悪い事によって脳細胞が正常に代謝されないことにあると思います。

それには「シアル酸が多すぎて不具合が起きる場合」と「シアル酸が少なすぎて不具合が起きる場合」と「それらが極端に行ったり来たりして結局バランスが取れずに不具合が起きる場合」があります。

今回は薬やサプリメントを使ってそれらの調整をどのように行っているかを説明してみたいと思います。


シアル酸が溶けることで起きる症状

まず、脳で糖鎖が溶けまくっているときはほかの部位でも同じようにシアル酸が溶けるのでいくつかの症状が出るはずです。脳の中を見ることは難しいですがそれ以外の症状でシアル酸の状態を判断しています。

①便が粘っこくて、トイレットペーパーで拭いてもなかなかきれいに拭けない。症状が酷くなると下痢をする。粘ついた下痢。
②口の中で唾液が泡立っている
③おしっこが泡立ちやすく、若干ねっとりとした感じがする
④鼻詰まりが酷くねばっこい鼻くそが出てくる
⑤舌の表面が脱落する

とにかく体から出てくる物がどれも粘っこいなと感じたならそれは脳の中も粘ついているということです。

・浮腫む
・顔がパンパンに膨らむ
・おしっこの量が減る
・首が太く見える
・よだれが多い
・鼻が臭い
・口臭が気になる
・気分が安定せずグズグズいう
・てんかんを起こす
・耳から血や体液のような匂いがする
・鼻血が出ていないのに鼻から血の匂いがする
・夜眠れない、寝つきが悪い、何度も起きる
・食欲がない、食べると下痢をする
・同じ言葉を繰り返す(「あの、あのアンパンマンがね?あのアンパンマンがね?アンパンマンがね?アンパンマンがね?あの、あの、アンパンマンがね?あの…」など)

このような症状も出ます。

どれもちょっとしたことで小児科などで相談してもあまり本気にしてもらえないものばかりです。「そんな細かい事まで気にして、おかあさん気にしすぎじゃないの?子供は毎日同じじゃないよ?」と言われたこともありますが、これらの症状の後にはドーン!とした大きい発作などがあって呼吸が停止したりするので全然小さい事じゃないです。

これらは脱髄の前兆ですから放置すると麻痺が出ます。

こうなるとしなければならないことは2つです。

1つは「脳を中心とした体内でのジンジバリス菌の除菌を行う」こと。もう一つは「足りていないシアル酸をサプリメントや食べ物で足す」ということです。

除菌に使える薬は「黄連」という漢方の生薬です。これは単体では効果があまりないのでほかの生薬と組み合わせて使います。使い方にはコツがあって、決まった量を毎日飲めばいいというわけではありません。


ジンジバリス菌の除菌に使える漢方薬

ジンジバリス菌の除菌に使える薬は次の通りです。

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①イスクラ温胆湯:温胆湯には黄連という生薬が入っています。温胆湯はとてもよく効くので、これをしばらく飲むと鼻づまりや粘つく便などの症状も改善しますが続けて飲んでいると体の筋肉や関節が柔らかくなりすぎてしまいます。続けて飲むことは避けたほうが良いです。投薬期と休薬期をあえて作ってメリハリをつけるほうが効果を感じられます。飲ませていて落ち着いてきたと思う少し手前でやめるくらいでちょうどいいです。

②麻黄湯に黄連を混ぜる:温胆湯を連続して使った後など、温胆湯が使えない時にはこれを使っています。麻黄湯だけでも良いかと思うのですがこれに少しだけ黄連を混ぜます。ツムラの麻黄湯を1包に対して黄連を耳かき1杯分程度加えてその1/2量を寝る前に飲ませています。これはとても良く効きますが、ベースが麻黄湯なので10日以上は飲ませられません。3回飲ませたら3日休み、また2日飲ませたら2日休み、という形で減らして様子を見たりします。やめるときも急にやめると調子を崩しがちなので穏やかに減らす方が良い気がします。

どちらの薬を使うかの判断はこのようにしています。

症状が重い時:温胆湯
夜間の反り返りなどが強い時:温胆湯
体温が低めの時:麻黄湯+黄連
低緊張が強い時:麻黄湯+黄連

どちらを使うにしても、このような時は夜寝る前の炭水化物の摂取を多めにすることと夜間のブドウ糖水の補給は多めにしたほうが良いです。


そもそもどうしてシアル酸が溶けているの?

そもそもどうして糖鎖が溶けるのかというと、脳で使うための糖が足りていないからです。糖が足りない場合は通常肝臓や筋肉に貯めたグリコーゲンをグルコースにして使うのですが、低緊張の子供の筋肉は少ないのでそれではうまく対処できません。その時は糖鎖を溶かして糖を作り出します。

糖鎖とは糖とアミノ酸の結合したものです。糖鎖がたくさんある場所は脳です。脳細胞と脳細胞をくっつけている糖鎖を溶かせば糖は確保できます。でもそうすると脳はボロボロに…。そうならないためには脳の糖鎖・シアル酸を溶かす酵素を作っているジンジバリス菌を除菌で減らすことと、夜間の糖を補給することしかありません。

・寝る前の炭水化物の補給
・1日の総摂取カロリー量を多めにする(大人の2倍くらいで丁度いい)
・夜間のブドウ糖の補給

この3つで脳は守られ、正常に発達していきます。

もしもうまくいかずに溶けてしまったら、シアル酸を積極的に摂取して脳の補修を促すしかありません。

それにはシアル酸を「食べる」しかないのです。


食品に含まれるシアル酸

まず食べ物でシアル酸を多く含むので世の中で知られている食品は、

・ツバメの巣

一択です。

ツバメの巣には大量のシアル酸が含まれているのでツバメの巣を煮た瓶詰のものを食べさせてみると嘘のように良くなります。

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例えばこのように舌の表面のシアル酸が脱落しているときでも、食べて1晩寝たらきれいにつるりと元通りのきれいな舌に戻っています。

ですが毎回1瓶5000円もするツバメの巣を食べさせると我が家の経済が破綻します。どんなにツバメの巣を安く仕入れようとしても限度というものがあります。もともとが高いのだから他の方法を考えなければ。

そこで試したのが「魚卵」でした。

・シシャモの卵⇒食べなかった
・レインボートラウトの卵⇒手に入らなかった
・スジコ⇒食べはしたものの、塩分取りすぎになる

この中で子供が食べてくれたのはスジコとだけでした。いくらも好きなのですが、スジコのヌルヌルした部分にシアル酸が多く含まれているようです。

次は「カスベ」です。これはエイですね。エイは煮ものにして食べさせたのですが大量に食べるのは難しそうでした。

そして最後に行きついたのが「鶏卵」です。

白身と黄身の間にあるひも状のもの。あれが糖鎖です。1日に大人が必要とするシアル酸は鶏卵4個分だという噂を聞いたことがあります。それがどのくらい正確なのかは知りませんが私の子供は1日に8個の卵を食べたがります。朝3個夕方2個夜3個です。「ちょっとそれは食べすぎじゃないの?」といろんな先生に言われたのですが、数を減らすと舌に穴が開いててんかん発作を起こすので、卵は数を気にせず与えるようにしたところ認知が上がりました。子供が自分で欲するものには意味があるのだと思い、求められるだけ与えたら成功しました。

卵でいいなら最初から「シアル酸と言えば卵」って言えばいいじゃないか?!と、思ったのですが、「シアル酸と言えばツバメの巣」というのが常識です。ナマズの卵にもシアル酸が多く含まれているらしくあれこれ聞いて回ったりして、ものすごい回り道をしました。

卵が食べられる子供なら、鶏卵を大量に食べさせればOK!

ただ鶏卵だけでは急性期には心もとない。鶏卵のシアル酸はあくまでも「予防」というか「安定化を図るためのおまじない」という使い方が主です。

「今足りなさ過ぎてヤバイ状態だから、シアル酸をドバドバ与えないとヤバイ!」というようなときは、やっぱりシアル酸のサプリメントが必要です。


納得の糖鎖サプリメントはこちら


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色々探した結果、我が家ではこちらを使っています。添加物などが入っていない純粋な商品はとても少なくて、納得いく糖鎖サプリメントはこれしかなかったんです。というか、1度飲んだらびっくりするほど効いたのでもうこれでいいです。

これを飲むときは、カプセルから出してそれを水で溶かして子供の口の中の粘膜に塗りつけます。すぐに水で流し込んだりせず時間をかけて食べさせます。

ちょっとお高いサプリですが、そんなにたくさん食べることはないので問題ないです。普通なら1個で効果があります。てんかん発作を起こしたときなどは一度に3個くらい食べさせたりしますが、毎日食べなくても大丈夫。ヤバい時用の薬だと思って常備しています。

舌の写真を見てわかる通り、脱落が起きている場所以外の舌の表面の白い部分はかなり盛り上がっています。これは「シアル酸が多い」証拠です。舌で多いなら脳でも多い。「多いから溶かそうとしている」のでそもそもは「シアル酸が多すぎた」のが原因です。舌の様子を見ながら、シアル酸が多くなりすぎないように糖鎖サプリメントの量を調整するというのも重要です。

飲ませすぎたら逆に良くないので、様子を見ながら与えます。


リシアルG10がなかったら私の子供はここまで発達していなかったと思います。この商品を開発してくださった方には座礼でお礼が言いたい。あまり需要があるようなサプリではないけれどこれからも生産販売してもらえたらうれしいです。


結局のところ、症状が出始めたなと思ったらいち早く温胆湯を飲ませ、安定し始めたら麻黄湯と黄連の組み合わせで飲ませ、落ち着いてきたら何も飲ませず糖質の補給に徹する。てんかん発作一歩手前の状態で酷い浮腫みがあったり絶食が始まった時は糖鎖サプリメントを与える。舌の表面の脱落が起きた時は糖鎖サプリメントを与えつつ麻黄湯と黄連をという感じで、与えています。

舌に症状が出ていない場合は鼻くそや便を参考にしてみてください。舌に症状が出るときと出ない時があって、鼻くそに出るときの方がてんかん発作などを併発するのでレベルが高い状態だと思います。

人間の脳はシアル酸のコントロールさえできれば衰えません。


ちなみに鶏卵なら何でもいいというわけではないようで、やっぱり調子が良くなる卵とそうではない卵が存在します。体調が良くなる卵というのは「殻が固い卵」ですね。殻が薄くて簡単に割れるような卵よりも硬い殻の卵の方が良いし、S玉よりはL玉や2Lといった大き目のサイズの方が良いです。


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