「気候の正義」のことを考えていたら、2016年の米大統領選のことを思い出した

2019.12.2  Lemi

「大人たちのせい」「気候の正義」

私を含め、クライメートジャスティスを求める若者たちの多くは、国がどう発展してきたかを知ってても、見て見ぬ振りをしている気がする。あまり深く考えない。毎日なに不自由なく使っているインフラがどう整っていったのか、電気やエアコンがもともと何からできてきたのか、戦後どう国が繁栄してきたのか。

私たちの祖先は、石炭を使ってこれらのエネルギーを賄っていて、そのおかげで今がある。国を支えるために、石炭のために汗を流した人がいる。それがいまある国のベースになっている。

だけど、私たちは「石炭はもう使うな」「環境に配慮しろ」「今の危機的な地球にしたのは大人のせいだ」と主張しています。私もそうでした。大人たちが本当に憎い、と思ってた。でも、彼らの背景をみると、簡単にそう言えなくなった。

確かに今の環境に対する姿勢には納得できない。だけど、同時に私たちは彼らにも敬意を払うべきだと思います。彼らがいなかったら、今のなに不自由なく暮らせるこの生活は成り立っていなかった。しかも彼らはその当時、国を立て直すことに必死で、環境のことなんて知らなかった。彼らに訴えるのではなく、「今までこの国を作ってくれてありがとう」「さらに良くするために、大人と若者が協力していこう」っていう姿勢が必要なんじゃないかなと思います。今の気候変動デモには、あまりそういった視点がみられない。少なくとも私には。

確かに、間違いなく「これはおかしいだろ」っていうくらい、環境に対してネガティブなことをしていると知っていながら、それを押し進めてしまっている人はまだたくさんいると思います。利益のために。だけどそうじゃない人もいる。

尊敬する私の友人は、「正義」っていう言葉が嫌いって言っていた。今の環境デモにも疑問が残ると。私もその違和感、いま少し感じてる。「正義」って、人によって本当に違う。その「正義」のために戦争は起きたし、人々は争った。人によって違う「正義」を誰かに押し付けたら、違う「正義」を持っている人はその名のもとに戦うよね。これが「正義だ」と思うことは、時には恐ろしいほどネガティブになる。

今世界中で起こっている環境に対するアクションは間違いなく、人類のためにも地球のためにも良いことだと私は思う。

けど、昔戦後の国を発展させてきた私たちの大先輩の人の中には、「石炭が正義」と思っている人たちもいる。これは私たちにはわからない価値観だと思う。だけど、その仕事で国を支えた彼らには誇りとプライドがある。

私たちが訴える「気候の正義」は、簡単に彼らの仕事を「悪」にしてしまうし、これまでそういった人たちの生活を守ってきた雇用を奪ってしまう。

悪気がなく、時代についていけない人もいる。過去の栄光を誇りに思う人もいる。

そういう人たちが、トランプを大統領に押し上げた。それだけの力と人数がいるってこと。

忘れてはいけないのは、お互いに敬意を払って、一緒に協力しなきゃいけないということ。

生まれた時代も背景も育ちも違うから、いちばん難しいことだし、私も答えは分からないけど、「誰も取り残さない」というのなら、彼らを配慮する必要があると思う。

彼らの誇りやプライドを傷つけないように。
そのおかげで今の私たちがいるのだから。

石炭のおかげでしっかりした給料を貰えて、家族を養えて、国も繁栄して、町も栄えていて、すべてがうまく回っていたなら、そりゃ復活してほしいと思うよね。

ちょっとわかるよ。だって仕事がなくて生活水準がどんどん下がる中産階級の人は大勢いる。過去のように娯楽にお金も使えない、子どもを育てるお金もない、町に雇用もない、そのせいで町の薬物乱用率、自殺率が上がる。国を繁栄させた誇りとプライドを、民主党支持者には「時代遅れ」と笑われ、逆差別が始まる。そんなに過酷な背景があったら私もトランプに投票する。

無理もないと思う。

私もトランプに対してはあまり好印象を抱かなかったけど、一辺倒にトランプを「悪者」にするのは間違いだったと気づいた。

今になって、けっこう、背景を知らなさすぎて、メディアに操られてたな、と思う。

トランプが選挙に勝って全米だけでなく日本も驚愕したのは、メディアが偏っていたせい。

今までスポットライトがあまりにもリベラル派に寄りすぎていたからだと思う。

最初から偏りなく取材していたら、ショックは受けても、驚きはしなかっただろうな。

ラストベルトを中心とした中産階級の人々の背景や、これまでアメリカで溜まりに溜まった不満をあまりにも知らなさすぎたし、無視しすぎてた。

アメリカの民主党にも共産党にも、どちら側にも肩入れするわけでもないけど。トランプとその支持者に同情するわけでもないけど。今更3年前の選挙の分析してもどうしようもないけど。

知らないうちに情報操作されていて、メディアが作った価値観にハマってたと気づく。

ふ政府の意図かどうかは知らないけど、、、。

本当に怖い。

そして、それを最近知ったことに対する羞恥心。おそ、、。なんであの時、トランプを「あの人嫌い」「差別者」で片付ける前に、もっと色んな背景や事情を知ろうとしなかったんだろう。

誰かが意図的につくった「正しさ」やメディアが助長する「正義」に、「そうだ!そうだ!」と同調する方が簡単で、当時の私は情報収集するのが怠くて、簡単な方を選んでしまったのでしょうね。

何を言いたいのかというと、それもない。何かを言いたいわけでもない。ただ思ったことを綴っただけです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?