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被りから攻撃された話

その昔、ひょんなことから知り合った人(以下、A)の友人と担当が被ったことがある。

当時わたしは20代前半の麗しい小娘であった。
Aとその友人はアラフォー、担当はアラサー。
特に担当に恋愛感情は無く、色恋や枕も無かったが兄のように慕っていたし、担当は担当で悩み多き20代前半の迷える子羊を精一杯おもてなししてくれていたと思う。
ちなみに当たり前に肉体関係は無かった。
それでも店に行く時は同伴やアフターで美味しいご飯をご馳走してくれたし、店休日には割と毎週のようにどこかへ連れて行ってくれていた。
サービス精神が旺盛だったのだろう。
妙に気が合うのも良かったのかもしれない。

そのうち、Aから間接的に担当と友人(以下B)の関係について聞くようになった。
まとめると↓みたいな感じ。

・枕は毎回
・担当がBに惚れてる
・担当は年上好き
・離れようとした際に泣き縋って追いかけて来た
・休みは必ず会いに来る

担当が惚れてると言う根拠はどこにあるのか謎だが、年上好きな男も当たり前にいるだろうし、こちらからすれば兄のような存在だったので「まあ、そう言うこともあるよね」と言う程度である。

その頃割と店休日は一緒に遊びに出掛けていたので、寝る間も惜しんで会いに行ってるのか、すげーな。どんないい女なんだろ?、と少なからず興味は抱いていた。

しばらくしてBから会いたいと言われた。
勝手な想像で、黒木瞳とか石田ゆり子みたいなお姉様が現れると思っていた浅はかな小娘のわたしは、喜んでOKした。
(美人大好き)

待ち合わせ当日、美人に恥ずかしいと思われないように精一杯オシャレして向かった先にいたのは…








ジャバ・ザ・ハットだった。


うん、もうね。
完全なるジャバ・ザ・ハット。
まごう事なきジャバ・ザ・ハット。

別にルッキズムに囚われてる訳ではないが、職業柄小綺麗なアラフォーしか周りに居ないので、ものすごくおどろいた。
おどろきはしたが、人の趣味趣向は人それぞれだし、担当の好みはこちら寄りなのかもしれないし…
勝手に黒木瞳を想像していた己を反省して居酒屋へ入った。
視野を広く、新しい価値観を受け入れる。
そんなことを意識したいお年頃だったのだ。(?)

ところが、会話を進めて行くとどうも棘がある。
流石に小娘でもそれくらいはわかる。
あと、話がえげつない。
セックスの内容まで事細かに話してくるのだ。

枕はあると間接的に散々聞かされていたが、王子タイプの色白の美しい担当とジャバ・ザ・ハットの営みなど想像しても思考が追いつかない。
捕食ならまだわかる。
簡単に想像がつく。

それでもBこと、ジャバ・ザ・ハットはどんどんえげつない話をして来る。
小1時間経ったところでふと思い立った。

(あれ?わたし目の敵にされてる?)

気づくのが大概遅いが、会う前からわたしは攻撃されていたのだ。
「被りに優しい、担当に愛されてるわたし」
的な感じで近づいて来て、実は同担拒否なのだ。

その日開かれた宴は、同担同士仲良くしよ♡、ではなく、牽制なのである。
目障りな小娘を排除する活動だったのだ。

売られたケンカは買うので(戦闘民族)、わたしはリアルタイムでジャバ・ザ・ハットが話している担当とのセックス体験談(?)をメールで担当に報告する作業に勤しんだ。

初めは会っていることに驚いていた担当だったが、内容を知れば知るほどお怒りになられた。
(当たり前)

そんなこんなで地獄の捕食トークをなんとか切り抜け、予定があるから、とさっさと解散した。
担当は怒り狂っており、

「全部奴の妄想、作り話。もうあいつは切る。ストーカーだし。」

と発狂していた。
枕があったか無かったかはわからないが、担当の立場だったら無いとしか言いようがないだろうw

その後、ジャバ・ザ・ハットが担当に切られたかどうかはわからない。
(思い出すと気持ち悪いので何も聞かなかった)

ただ、しばらくして担当がホストを上がり結婚すると言う話を聞いた。
(我々はジャバ・ザ・ハットによる捕食事件の後も良好な人間関係を築いていた。)
相手の女性と歩いている時に遭遇したことがあるのだが、河原亜矢子似のスレンダー美女だったので、ジャバ・ザ・ハットの妄想だったんじゃないかなぁ…と言うのが正直な感想である(´-`)

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