初回とは、初めて来店する指名ホストが決まっていない客が3,000円から5,000円程度でホストを吟味する場である。

1人5分程度の短い時間でホスト達が入れ替わり立ち替わり着いて自己アピールをするのだが、これが結構疲れる。
何故なら大体同じ話しかしないし、そもそも5分程度で相手の何がわかるのかと思うが、そう言うシステムなのだから、その中から選ばなければならない。
大体どこの店も2人〜3人写真指名が出来るのだが、この写真がまたあてにならないことこの上ない。
加工されまくった写真なので、待ち侘びたご本人が登場してがっかりするなんてこともザラにある。

担当選びに関して、通い始めは顔で選ぶことが多かったが、だんだんと性格やフィーリングで選ぶことが正義な気がして来たので、顔はあまり気にしなくなった。
どうしたって顔で選ぶと減点方式になってしまうから、初指名をピークにどんどん相手に嫌気がさすのである。
一方、顔で選ばなかった場合、相手の良いところが見えやすく、加点方式になるケースが多い。

それはさておき、以前初回で会話が1ターンする度に距離を縮めてくるホストがいた。
物理的に詰め寄ってくるのだ。
あまりにも密着して来るので大変不快になり、

「君近いなぁ！？！？」

と大声で叫んだ程である。
ちょうど叫んだ時に通りかかったホストが次に着くホストだったようで、
「俺、どの距離に座ればいい…？」
と困惑していたので申し訳なかった。

行ったら行ったで、どのホストも大体同じような話ばかりで何も面白くないのだが、通ってる店で初回客を見かけると
「ちやほやされていいなぁ〜」
などと邪な考えが湧いて来るため、定期的に「初回に行きたい病」を発動する。
そして、行って「おもんなかった」までがワンセットなのだ。
とは言え、歴代の担当や今の担当だってはじめは初回だったのだから、そう考えると全く無駄と言う訳ではない。

客サイドに話を戻すと、たがが5分でフィーリングを見極めるのも至難の業である。
そして大多数のホストが同じような話をするのでなんら印象に残らない。
その中で違う切り口で話をしてくるホストと言うのは
「おっ」
と思うのである。

量産型はどの世界でも印象に残りずらい。
他を出し抜く個性が必要である。
たかが5分されど5分。
その5分で明確に差は現れるのである。

顔が好みでなくとも、5分で印象は変わる。
駄目ホストの5分はシゴデキホストの5分と価値の重さが違う。
とにかく、その5分でどれだけ印象に残せるか否かで結果が180度変わるのである。
こちらからすれば、今後も付き合いたいと思えるホストであれば当たり、そうでなければハズレ。

顔選びを止めた時から、わたし個人の初回の楽しみ方もガラッと変わった。
話のテンポ、内容、ジェスチャー、テーブルマナー、連絡先の交換のタイミングなどを見るようになったからだ。
そこら辺から送り指名するホストを選ぶからである。
外見はもはや不快感が無ければいい。
(生理的に無理な場合は除く)
イケメンを拝みたいならヘルプで充分だし、ノリよく騒ぎたい時も然りである。
色恋・枕、店外を一切求めない身としては担当は中身が何よりも大事なのだ。
担当は担当であり、友達でも彼氏でもない。
でもその店の中、もしくは歌舞伎町の中で1番深く関わっていく存在であるので、信頼がないと成り立たない。

ところで以前書いたように見目麗しき20代の頃に発していた「ヤれそうオーラ」だが40代になっても発しているのかなんなのか知らんが、この年になってもいまだにホテルに誘われることがあり、(相手が必死な可能性もあるし、枯れ専の変人の可能性も捨て切れないのだが)マジで男の性欲が謎すぎる。

強いオスと若いメスを求めるのが生き物のセオリーだと思っているので、「ヤれたらなんでもええんか！？」と、誘われる度に怖くて震えている(おおげさ)
まあ、軽く誘ってくる男なんてヤれたらなんでもええんだろうけれども。
性病怖いので全部無視するだけだし😇