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GA194『大天使ミカエル』補遺より-第四講のイントロダクション(1919年11月28日)

 講義の前に、簡単なイントロダクションをしなければなりません。特に現時点で起きている様々な出来事について、とにかくある程度皆さんにお知らせしなければならないからです。私たちの友人であるシュタイン博士が書いた記事を少し読んでみたいと思います。彼は、『社会有機体の三分節』の最新号で、『新しい親和性』と題した小さな記事を書きました。

「去る11月11日、シュトゥットガルトのジーグルハウスで、司教座聖堂参事会員のラウン氏が「神智学とキリスト教」というテーマで全く取るに足りない講演を行ったが、私たちは、それがすぐに特徴づけられるような徴候がなければ、ほとんど注目しなかったであろう。つまり、ラウン氏の思考内容——より正確に言えば彼の文章配列と言わなければならない——は、「哲学者及び神智学者としてのシュタイナー氏」というタイトルが付けられたトラウプ教授のパンフレットの説明に準じていたということである。もちろん、ラウン氏がトラウプ氏に言及するようなことはなかったが、カトリックの司教座聖堂参事会員がプロテスタントの教授と舞台裏でどのように共通認識を持ったかは、徴候として興味深かった。カトリックとプロテスタントの両派は(もはや宗教ではないので)合同してシュタイナー氏に敵対している。皆の眼の前で戦うことが、舞台裏で示し合わせていたことだったのである。ラウン氏が用いた闘争の手段がどのようなものであったのかは、ラウン氏が講演のあとに一切の議論を許さなかったこと、そして「シュタイナー氏についてもっと知りたい人は、私が列挙したシュタイナー氏に敵対する者たちから知ることはできるが、シュタイナー氏の著作そのものから知ることはできない。なぜならそれはローマ教皇によって禁じられているからだ」と指摘したことに触れておけば十分に明らかであろう。(J.W.シュタイン博士)」

 私たちの時代の人々について公正な判断を得ることがいかに必要なことであるか、そして残念ながら私たちのサークル内でもしばしば行われているように、ひたすら表面的に状況を判断することで、いかに現代ではそれが乏しいかがお分かりいただけるでしょう。というのも、このことは常に繰り返されるに違いないからです。時代は非常に深刻であり、権威に対する古い信仰を、自分自身の寝ぼけた居心地の良さのために修正した形で継続するだけでは不十分なのです。

【参考原典】
GA194:Die Sendung Michaels. Die Offenbarung der eigentlichen Geheimnisse des Menschenwesens p.239-240

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