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ドラマーのすすめ

今思うと僕はドラマーにも関わらず、ドラムについて話したことはほとんどない気がします。
最近は若手・ベテラン問わずよくドラマーの動画を見ていているのですが、せっかくなので今日は僕の好きなドラマーや、ドラムの面白さについて語ってみようかなと思います!

◉Jojo Mayer

キレのある細かく粒立ちのいいドラミングに特徴のあるドラマーで、“ドラムンベース”を生演奏するドラマーの第一人者的存在です。

“ドラムンベース”というのはクラブミュージックから派生したジャンルのひとつなのですが、本来DJが加工して作る音楽を人力で再現しようとしたのがこの人です。

当時、僕はまだクラブミュージックに疎かったので、彼が奏でる独創的なビートにとても衝撃を受けました。

また、彼は体の使い方がとても上手で、そこにも魅了されました。ドラムにおいてとても難しいのが「最低限の動きで最大の効果を得る」ことだと僕は思っているのですが、彼の動きはそれを異常な次元で可能にしています。

自身の動きを見直したい時は必ず彼を参考にしています。

これは「New York Grooves」という動画なのですが、擦り切れるほど見返した記憶があります。
ほぼ3点(キック・スネア・ハイハット)しか使っていないのですが、表現の幅の広さやビートの心地よさは、ドラムグルーヴの経典と言っても過言ではないと個人的に思っています。

◉Buddy Rich

レジェンド中のレジェンドドラマーです。

彼がいなければ現在のドラムの技術的発展はなかったかもしれません。明治維新が起きたくらいの風穴を開けた人です。

1歳半でステージデビューして、それから死ぬまでステージに立ち続けたというのだからカッコいいですよね。

ちなみに、上述のJojo MayerもBuddy Richから大きな影響を受けて、Jojoの演奏法や体の動かし方の多くはBuddy Richが発明したものです。

ただ、Buddy本人はほとんど練習はしなかったらしく、ステージに立ち、ステージの上でその技術を磨いていたそうです。聞けば聞くほどカッコいいエピソードのあるドラマーです。

◉Johnny Rabb

Jojo Mayerで紹介した“ドラムンベース”というジャンルを叩くドラマーをもう一人紹介します。

動画を見てもらえばわかると思うのですが、Johnny Rabbはより機械的なフレーズを叩き分けるドラマーです。

ちなみに彼は、シングルストローク(一回のモーションで一回叩く奏法)を1165回/分で叩きギネス認定されていました。(その後ドリーム・シアターのドラマーとして有名なMike Manginiが1203回で塗り替えたそうです。)

彼の面白いところは”ワンハンドロール”というテクニックを用いるところです。
”ワンハンドロール”はスネアドラムの縁の部分を支点にしてスティックを高速で動かす技術のことです。

この技術自体知っていましたが、実際にプレイに取り入れている人見たのは彼が初めてでした。

また、小口径のシンバルをスネアの上に乗せ、その密接具合をコントロールしながらスネアの音色を変えているのも面白いですね。身の回りにあるもので新しいアプローチを生み出すという点で彼からはたくさんのことを学んだ気がします。

◉クリストファー・マグワイア

かつて日本のバンド”くるり”に所属していた、僕が最もハマり、最も敬愛したドラマーです。

僕が彼の存在を知った時にはとっくにバンドから抜けていたので、僕は動画の中でしか彼を知りません。

ネットでの彼での情報は今も少なく、唯一クリストファーのドラムをじっくり観察できるのはくるりのDVD「くるくる節」だけだったので、狂ったように何回も見返した思い出があります。

彼のジャズを土台としたドラミングは大胆ながらも小気味良い気持ちよさがあり、彼がくるりに参加後リリースしたアルバム「アンテナ」は必聴です。皆さん是非聴いてください。

昔、クリストファーのドラムをもっと知りたくて、何度もこの動画を見返しました。3:30~くるりの楽曲「Race」の演奏シーンが個人的にめっちゃツボです。曲中のゴーストノートの粒立ちやイントネーションが上ずっていくとことか最高にいいですね!

◉あらきゆうこ

くるり繋がりでもうひと方。

一時期、くるりのサポートメンバーとして参加されていたあらきゆうこさんです。
CORNELIUSやスガシカオさんのサポートメンバーとしても知られる方ですね。

彼女のドラムを一言で表すと「母性」です。物腰が柔らかく、寛容で懐が広い感じがします。女性のドラマーはこういうグルーヴの方が多いのですが、個人的にあらきさんが代表格だと思っています。

ちなみに、男性で彼女のようなドラムを叩ける人を僕は見たことがありません。
たぶん性別的な体の構造の違いから生まれるものだと思うのですが、実際のところは理由は不明です。
男性がどんなに柔らかく叩こうとしても若干のシャープさが出てしまうんですね。決して同じにはなれないようです。

けど、性別や身長・体重でドラムの味が変わるからこそドラムって面白いのだとも思います。

◉Anika Niles

女性からもう一人。

最近はJEFF BECKのバックバンドでも参加しているアニカです。

彼女は他にも色んな動画を出しているのですが、見てて思うのはポリリズム的なリズムトリックを多く用いる人だなということです。

上の動画の0:50~などがそうですが、ドラムのプレイが変わったことで全然違う場面に聞こえますよね?
けど、実際はテンポの変わらない4拍子の曲なんです。ドラムだけが変わることで4拍子を感じさせないようにしています。

ただ、彼女のプレイングの凄いところは、その独特なリズムアプローチが全く嫌味に聞こえないところです。
とても自然で心地よく、物腰の柔らかさも感じます。

アニカはInstagramもおすすめです。これはかなりドラマー向けの動画ですが、こういう多角的にリズムを捉える練習がシンプルなリズムの肥やしになるので、よく参考にしています。

◉Eric Moore

いわゆる「ゴスペルチョップ」と呼ばれるプレイを得意とする人です。
「ゴスペルチョップ」というのは動画で彼がやっている【なんかめっちゃ早くてすげーってなるやつ】のことです。

アクセサリーの趣味が悪い上に、プレイが凄すぎて全く参考になりませんが、それでもついつい見ちゃう人No.1なのが彼なのです。

凄く雑に紹介していますが、彼も超一流のドラマーなので当然実力は折り紙付です。

彼のプレイは先述の「ゴスペルチョップ」が目立ちますが、普通のビートや、ハイハットの細かな仕事に余念がなく、終始気持ちよくリズムに乗れる感じが良いですよね。

また、ドラムって体重に音がかなり左右されるんですが、彼は日本ではめったにお目にかかれないほどの巨漢なので、生で見るとどんな音がなるのか一度聞いてみたいです。

◉神田リョウ

今、日本の中堅ドラマーとして、ここ最近じゃ最も有名な方じゃないでしょうか?

Mrs.GreenAppleやNissy(AAA)などのサポートドラマーとして大舞台を飛び回っていらっしゃいます。

ドラマーを紹介するのに電子ドラムで叩いてる動画ってどうなのよと思ったのですが、この人の演奏の好きな部分が最も出てるのがこれだったので勘弁してください!

彼のプレイは聞いていてついつい体を動かしたくなります。それもそのはずで、少年時代の神田さんはジャニーズのバックダンサーとして活動されていたそうです。つまり、人が踊りやすい乗りやすいツボを知っている方なんです。

乗れるドラムはよく見ますが、踊りたくなる人ってあまりいないんですよね。それもドラム単体で。

なので、彼の椅子の座り方やスティックワークをいつも動画で眺めて研究しています。

YouTubeだとあまり生ドラムを叩いているところが出てこないんですが、XやInstagramで更新していた「#一日一グルーヴ」がおすすめです。最近はあまり更新していないのですが、以前は毎日投稿されていたので遡ると沢山動画が出てきます。必見。

◉Zack Grooves

ドラム系のYouTuberです。

陽気でムキムキな外見からは想像もできない、針に糸を通すようなドラムを叩く人です。

動画でもすごく小音で粒の細かいゴーストノートを入れてますが、その正体はかなり精巧なパラディドル。
一聴すると何気ない目立たない箇所に、左手でこそっと2打入れていたりするので、かなり細かいプレイをしています。それ故に聞こえはシンプルだけど豊かさを感じるプレイを実現しています。

こういったジャズ出身のドラマーが色んなテイストを叩いてくれているおかげで、自分の知らないアプローチを知れるので、彼は最近のお気に入りです。


いかがでしたでしょうか?
多分、ドラムしていない人だとなんのこっちゃいって感じだと思うんですけども、動画を見てから読んでもらえれば何となく理解できるのかなーと思ってます。笑

動画を見るだけでもいいので「こんなプレイヤーがいるんだなあ」ってのを知ってもらえたら僕も嬉しいです!

それでは!

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