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リーウェイズ設立からGate.プロダクト黒字化までの10年の軌跡

皆さま、こんにちは。リーウェイズ広報の森です。

2024年2月3日でリーウェイズは10周年を迎えます!

日経ビジネス「『創業20年後の生存率0.3%』を乗り越えるには」には、ベンチャー企業の生存率は、創業から5年後は15.0%、10年後は6.3%と明記されています。
なんとか10年続けてこられたのも、取引先や社員など支えてくださった皆さんのおかげです。
リーウェイズの不動産価値分析AIクラウドサービス「Gate.」も年間平均成長率46%と順調に伸びており、2023年末時点での導入企業数は500社を超えました。ただ、黒字化を達成したのは2023年。平坦な道のりではありませんでした。そこで今回は創立10周年を記念して、代表の巻口とともにリーウェイズの創業から現在までを振り返ります!

リーウェイズ創業への巻口の思いはこちら


ー創業期はどのようなビジネスをしていたのでしょうか?

(巻口)
大きく3つのビジネスを主軸としていました。
1つ目は台湾での不動産投資セミナーです。社員を2人採用し、必要資金を確保するために、日本の不動産を台湾市場に販売しながらセミナーを開催していました。
2つ目は民泊世界最大手のAirbnbを経由した民泊事業です。Airbnbの日本担当者が私のリノベーションセミナーを知ってくれていたようで、2014年に日本に進出したタイミングで「デザイナーズ物件をAirbnbに掲載したい」と投資家向けの共催セミナーにお声がけいただきました。おそらく、日本企業では初のAirbnbとの共催セミナーだと思います。
3つ目は「jikauri」(ジカウリ)という不動産仲介プラットフォームの構築です。グローバルで日本の投資物件を取り扱えるよう、Airbnbで収益を高めた投資不動産を台湾の投資家に販売するビジネスを構想しました。売主が買主を選ぶリバースオークションのビジネスモデルを採用した日本初のプラットフォームに、2008年から収集したビッグデータを使用して不動産を評価して取引を促進する機能も組み込む構想を練っていました。

(森)
つまり、リーウェイズ創業期は
1. 台湾でのセミナー&不動産売買
2. 民泊事業
3. 「jikauri」システム構築
この3つが主軸だったのですね!民泊事業をリーウェイズが手掛けていたとは知らず、驚きました。

(巻口)
そうなんです。しばらく3つの事業を続けていましたが、開発資金の目途がつかず……。そんな中、中国語講座で知り合ったクラスメイトが上場企業の社長かつベンチャーキャピタルも持っていたため、2015年6月に初の資金調達を初めて実現しました。
同年9月に「jikauri」のリリースを計画していたため、システム構築を進めるべくデータサイエンティストとエンジニアを新たに採用したり、全国各地で不動産テックセミナーを展開したりと、事業を加速していました。

jikauriの当初のサイト

ー創業期から順調な滑り出しだったのですね!

(巻口)
とんでもない! 予想外な出来事ばかり起こりました。
最初は社員の独立です。台湾の顧客管理を担当していた社員が結婚を機に独立を希望したため、台湾顧客の対応ができなくなり、独立した社員の会社に全顧客を引き継ぎました。
次に開発のトラブルです。「jikauri」の開発を委託していた外部のベンダーの資金繰りが厳しくなり、残金を前払いしました。その後なんとベンダーと連絡が取れなくなってしまい、開発プロジェクトは中断。結果「jikauri」は未完成のまま終わってしまったのです。
Airbnb向けの不動産売買事業でも、解体業者が倒産して費用を回収できない問題にも直面しました。
まさに泣きっ面に蜂。顧客の喪失、システムの喪失、資金の不足、そして父と母が立て続けに亡くなるという辛い出来事など、公私ともにさまざまなトラブルに対処する日々が続きました。

(森)
大変な創業期だったのですね……。考えただけでも苦しいです。

ー全てを失い、次にとった行動は何だったのでしょうか?

(巻口)
苦労や失敗は挽回してこそ価値が生まれます!私は高校時代ラグビーをやっており、新潟選抜に選ばれたこともあります。
ラグビーの試合を見て「よく倒されるスポーツ」というイメージを持たれている方もいらっしゃるかと思いますが、転んだままだとスパイクで踏みつけられてしまいますよね。「倒れる時は前のめり、転んだらすぐ立ち上がる」がラガーマンの精神なんです。
2015年以降、半年に一度のペースで現在までに8回資金調達をしました。そうすると既存の株主には事業進捗を報告し、同時並行で新規投資家には事業ビジョンを熱く語ることになります。ビジネスモデルの問題点を洗い出しつつ成長のシナリオが描けるモデルを構築する中で、現在の不動産価値査定AIクラウドサービス「Gate.」のビジネスモデルがスタートしました。
CTO、CFO、エンジニアを新たに採用して2017年6月に「Gate.」をリリースしました。各地で不動産テックに関するセミナーに登壇していたおかげで当初から「Gate.」は注目を集め、すぐに銀行や大手不動産業者などへの導入が決まりました。

ー2018年には、一般社団法人不動産テック協会の設立に参加していますね。

(巻口)
まだ黎明期であった不動産テック市場を拡大するには公的で中立的な団体が必要だという信念から、協会を設立しました。
株主から本業に集中するようとのお言葉をいただく懸念もありましたが、2018年頃の不動産業界では不動産テックを業界の破壊者と見なす雰囲気もまだ残っており、認知を広げなければ事業の拡大も難しいと考えました。勉強会やセミナーの開催・登壇など、積極的に協会活動に取り組んでいます。

ー新型コロナウイルス感染拡大の影響はあったのでしょうか。

(巻口)
コロナ禍が始まった2020年は、主幹事証券会社や監査法人も決まり上場の準備を進めていた最中でした。コロナの影響で経費削減に取り組む企業が増加し、「Gate.」の成長が鈍化して経営環境は先行き不透明に。このため一時的に上場計画を保留し、まずは経営基盤を強化するために黒字化を目指す方針に転換しました。経営体力の向上を図るための取り組みを3年間続けた結果ようやく2023年に黒字化を達成し、現在に至っています。

(森)
ラガーマンの精神力で挫折や逆境にもめげず、周りの方々の協力を得ながら事業を黒字化に導いた現在までの強い意志や不動産業界における透明性向上への熱い思いを感じました。

ー創業期を振り返り、改めてどう思いますか?

(巻口)
スタートアップ企業は素敵な世界を創り出そうと情熱で事業計画を策定し、PDCAサイクルを回しながら実行します。最初は「夢で飯が食える」んですね。
しかし、なぜ多くの企業が10年も生き残れないのでしょうか。事業性が低かった、PDCAが有効でなかった、資金がショートしてしまった……さまざまな理由があると思います。私も絶え間ない経済的な試練や倒産の危機、また「今月の売り上げが立たないと資金が逼迫する」という状況も何度も経験しました。それでもなんとか生き残り、完全な成功には至っていませんが一定の知名度を築けたと思っています。


ー最後にこれからに向けて一言お願いします。

(巻口)
成功者たちが共通して口にする「諦めなければ成功する」という言葉が本当に重要だと改めて感じています。スタートアップ企業が成功するためには、愚直に諦めずに事業を進め、PDCAを回し続けることに尽きるのではないかと思います。
飽きずに継続するから「商い(飽きない)」とはよくいったものだと思います。今後もさまざまなトラブルや困難に直面するでしょうが「Gate.」のビジネスは日本の不動産業界に貢献できるサービスだと確信しています。今後も飽きることなく、一層の努力で事業を展開していきたいです。


最後までお読みいただきありがとうございました。
これからもリーウェイズをよろしくお願いいたします!


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