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読むだけで合格に近づく!慶応SFC小論文にまつわる疑問、書き方を解説(基本編)

こんにちは!
私自身SFC卒業生でAO入試と一般入試の指導歴5年目のLeiです♪

この記事では、慶応SFCを一般受験する人たちのための小論文にまつわる疑問や書き方について解説します。

※なお(基本編)としていますが、後半は実際の慶応SFCの小論文の問題を使って、特化した解説となっております。

慶応の小論文(特にSFC)は、一般的な小論文の基本では通用しないことが多いですので、受験される方はぜひご一読ください(^-^)

受験生応援!【今回も公開がギリギリなため、無料公開にします】


SFCの小論は誰が採点しているの?

受験生によく聞かれるのは
「小論文は誰が採点するんですか?」
「教授がきちんと1枚1枚読んでいるのですか?」

回答(私)「残念ながら、知りません。。。」

SFCの授業を担当する各教授にはSAといって、アシスタントの学生がいて、その学生が読んでいるのでは?という噂を聞いたことはありますが、これまで小論文を採点したことがあります!という学生には、会ったことがありません。
受験生が人生を賭けて書く文章なのだから、きちんと教授が採点してるのでしょう。(たぶん)

ただ、誰が読んでたとしても、誰かが読んでいる訳だから、読んでる人が分かりやすいように書くのは最低限のマナーだと思うのです。

小論文を書くときに、ここを理解してない人が多すぎる。

「とりあえず、書く」みたいな。
SFCは奇抜なアイディア書いておけばOKでしょ?
それでいて、理論が破綻してなければOKでしょ?
みたいな。

違う!

と声を大にして言いたい。

たまたま、それでオッケーな採点者に当たれば、それもありかも知れないけど、まず誰かに読んでもらう以上、読みやすく書くことが大前提です。

以下では、
誰が読んでもしっかりと自分の意見を伝えられて、さらに中身のある小論文にするには、何をすれば良いのかを、受験生からの「よくある質問」に答える形で解説していきますので、参考にしてください。

中身さえしっかりしていれば、字が汚くても平気?

正直に言います。字が汚い人は不利。

ぐちゃぐちゃな字で書かれた文章読みたいと思いますか?

これだけで印象悪くなると思いませんか?

まあ印象が悪くなったとしても「字が汚い」という理由で不合格になることはないと思うけど、字が汚いせいで言いたいことが伝わらない可能性は十分にあります。

小論の添削をしていると、
ひらがなの「て」「と」、「ひ」「そ」などが同じように見える人が居たり、漢字が雑過ぎて何て書いてあるのか、こっちが推測しながら読まないといけなかったり。

ちっちゃな「っ」が「。」に見えて、文章終わってんのかと思ったら、まだ続いてたりして、「ん?何が言いたいん?」って分からなくなったり。

字が汚すぎて、すんなり文章が頭に入ってこないせいで、何回もその部分を読み直さなければ理解できない場合が多々あります。

私は添削をするだけの人なので、できるだけ受験生が何を言いたいのか理解しようと努力して読んでいますが、
おそらく限られた時間内でいくつもの小論を採点しなければならない立場となると、何回も読み直す時間はないでしょう。

と、まあ字が「汚い人は不利」とは言ったものの、
受験期になって、今さら字の練習するなんて時間はないと思うので、字が下手なのはもう仕方ないとして、せめて、下手くそな字でもイイから、出来るだけ丁寧に書く努力をしてください。

字が汚い人の一つの攻略法として、
いつもの勢いで書いた文章を、友達、親、先生にお願いして読みにくい字がないか頼んでチェックしてもらいましょう。(おそらく自分では気付けない癖があると思います)
「読みにくい」と指摘された文字は意識して、丁寧に書くように。

SFCの小論文は読まなきゃいけない資料も多くて、記述する文字数も多いので、時間内に終わらせるには文字を早く書かないといけないので、かなり雑になりがち。

だから、雑でいいや。

ではなく、練習の時から早くても丁寧に書く癖をつけてください。

絶対に受かりたいなら、読み手のことを考えて、とにかく字を出来るだけ丁寧に書くこと。

過去問はやった方がいい?

当たり前ですが、過去問はやらないよりやった方が良いに決まってます。
ていうか、絶対にやってください。

SFCの小論は、たくさんの資料を読まなくてはならないので知識が身につくし、絶対に2時間集中して色々と考えを巡らせないと解けないから集中力も養えます。

また、出題形式などが独特なので、本番までに慣れておくことや自分なりの時間配分などを組み立てておくことも非常に重要です。

さらに、問題文には「SFCは〇〇な学生を求めています」的なことがいっぱい書いてあるので、解けば解くほど、SFCが受験生に求めているものが分かるようになるので、できるだけ沢山の過去問に触れることは合格への近道です。

なので、AOで受ける人も小論やっておくと絶対に有利!と毎回言い続けているのですが、AOではあんまりやる人居ないんですよね〜〜(だから余計に有利と思います)

過去問をやり始める時期は共通テスト後からでも遅くない?

SFCの小論はかなり独特なので、対策はなるべく早めに始めた方がいいです!
※とは言いますが、実際に今までも共通テスト(センター試験)後から小論を解き始めて受かってる人もいます。共通テストの後からでも遅くないので頑張ってみてください。

過去問(赤本)を解く際の注意点

問題を解く時は必ず時間を測ってやること。
PCなどで打たない原稿用紙に書いてやること。(横書きです)

1つの問題(1年分)をやるのに必ず2時間は掛かるので、時間を確保してからやりましょう。
当たり前だけど、途中で別のことをしたりしない。
PCで打つと時間配分も分からないし、本番では一度書いたことをを消すには消しゴムを使わないといけないので慣れてください。

問題が独特だし資料も難しいので集中力が保てない人はまずは、とにかく最後まで2時間で解き切る訓練をしましょう。
(*おすすめ→比較的解きやすい2017年環境情報から始めるといい。SFCでの学びのイメージも湧く良い問題。)

できれば、1年分の問題を解く2時間と解説を読んで自分の解答と見比べたり、振り返りなどに使う時間1~2時間の4時間ぐらい確保してからやり始めるのがベストです。

最初のうちは、何を書いて良いか分からない、何も思い浮かばない、ということは良くあります。
大丈夫。みんなが経験することなので焦らずに。
練習だし、不合格になるわけでもないし、誰かに笑われるわけでもないので、とりあえず、書いてみましょう。

理論が通ってない、自分の言いたいことが表現できない、設問に答えてない、など頭でごちゃごちゃ考えるよりも、まずは筆を走らせることが大切です。

最初のうちは、時間内に書き終えるのが難しいと思うので、ひとまず「時間内にできたところはここまで」と自分でメモしておいて、時間をオーバーしても良いので1つの問題は続けて書き切るように。

本番は何も書かなかったら絶対に受からないので、どの回でも途中で投げ出さず、必ず最後まで書き切る訓練をしましょう。

本番で、設問の内容も良くわからないまま、理論が通ってなくても「とりあえず」書き切った人で補欠合格した人もいます。
年によっては、全部の設問を埋めれてない人も多いのではないかと推測します。
とにかく、書き切る!だいたい文字数の9割くらいを埋められるようになっておくと良いです。

おすすめの過去問は?

私のおすすめの過去問は「2017年・環境情報」

志望が総合政策だとしても、SFCを受験する人にとって(AOでも一般でも)SFCの学びの考え方や研究のプロセスなどがわかる、非常に良い問題だと思うので、ぜひ、なるべく早い段階で解いてほしい問題です。

現在書店で販売されている、2024年版の赤本には載っていないのでAmazonなどで早めに購入しましょう。
(この問題が載っている赤本は、環境情報学部の2022~2018年)

どちらかの学部だけ志望の場合でも、できれば両方の過去問を解くのがおすすめです。

問題や資料の傾向がちょっと違うにしても、問題を解くためのアプローチ、気をつける点、また、2時間集中して大量の文章を読んで、めちゃ考えて、自分の考えを整理しながら、1000~1500文字程度書くという点は共通しています。

ちなみに、どちらかの学部だけ志望でも、入ってからの違いはほぼないので、絶対ににSFCに入りたいなら両方受験して合格の確率を上げましょう。
(本当に入ってからの学部の違いは、ほぼないんです!研究会もどっちの学部でもどっちも取れます)

慶応SFC小論文の解き方、書き方

それでは、ここから具体的な「解き方」「書き方」を説明して行きます!
当たり前のことも書いてありますが、意外と出来てない人が多いので書いてます!

①設問の読み方

設問をよく読む。最初から最後まで一旦読む。
(資料ではなくて、設問の方)

設問の構造が分かりにくかったり、細かい条件がつけられてたりすることが多いので、とにかく良く読んで設問の意味を理解すること。

*本当に当たり前のことを言ってるだけなのですが、ここができていない人が多過ぎる!
そして、設問をきちんと理解できていない人が多い以上、これを攻略するだけでも合格に確実に近づくと思います。

設問を複雑化したり、細かい条件を付けてくるのが、向こう(SFC)の戦略で、ここできちんと日本語を理解できているのか?さらに、複雑な問題を与えられた条件の元で整理して解くことができるのか?を試めされているのだと考えてください。

問題用紙に線を引いたり、メモをしてもいいので、設問の根底や、何に、どの順番で答えるのかなど、しっかり設問が聞いている細かい条件を把握すること。

設問(しつこいけど資料ではなくて設問の方)は、必ず最初から最後まで読むこと。
設問を最後まで読まないで始めてしまうと、途中から矛盾が生じたり、回答自体が無理になる場合があります。
設問自体が長くても必ず最後まで読んでください。

イメージが掴みにくいと思うので、以下では実際に過去に出題された問題を見ながら説明していきます。

②設問の読み方(実例)

例:2017年・環境情報

 慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部(以下SFC)で学ぶということは、既存の学問分野にこだわらず、異分野とされているものを組み合わせて、全く新しい学問を生み出す可能性があるということです。
あなたは自由に科目や研究会を組み合わせて履修することができます。
 SFCの学生に求められるのは、自分の関心を中心に他の分野を結びつけ、世界の課題を解決したり、新たな分野を切り開く能力です。研究会は、SFCの学びの中心です。一般的な大学の研究室やゼミに近いものですが、研究会の教員が教えることが学生の専門になるのではなく、学生が自由に研究会を組み合わせて自分の道を切り開いていくのが、望ましい研究会の履修方法です。
 このようなSFCの研究会のあり方を理解した上で、以下の4つの設問に答えなさい。
1. あなたが環境情報学部に入学してから、解決を試みようとする課題、あるいは発見しようとしていることについて、200文字程度で説明しなさい。
2. あなたはいくつかの研究会の専門性を組み合わせ、課題解決、新発見に取り組むこととします。次ページ以降に、10の研究会の内容がそれぞれ紹介されています。これらのうち、4つの研究会を選んで履修してください。履修する研究会名を答えなさい。なお、必ず4つ選ぶこととします。
3. なぜその4つの研究会を履修しますか?また、4つの研究会をどのように履修し、あなたの目標を達成しますか。それがどのように課題解決・新発見につながるのか800字程度で説明しなさい。
4. 3で答えた内容を模式図に表しなさい。枠線内はどのように使っても構いません。文字を使って説明しても結構ですが、必ず図も使いなさい。

慶應義塾大学環境情報学部2017年の試験問題より抜粋・引用

こちらは2017年の環境情報学部の小論文の問題の冒頭部分。
このあとに、設問文にも書いてある通り、10個の研究会の内容が紹介されている資料が続きます。

この問題を見てもらうと分かるように、まず設問の前に「SFCでの学びはこんな感じで、学生に求められる能力はこれで、こういう履修の方法をしますよ」と書かれています。

これこそが、AOでも一般でもとりあえず過去問の小論文を解いてみることをおすすめする理由で、まさに「SFCが学生に求めるもの」が書かれているのです。

過去問には様々なタイプの、SFCが学生に求めているものが書かれているので、ぜひできるだけ多くの過去問に挑戦してみてください。

話は設問に戻って「SFCの研究会のあり方を理解した上で、以下の設問に答えなさい」と宣言されています。

設問1. を見ると、「 あなたが環境情報学部に入学してから、解決を試みようとする課題、あるいは発見しようとしていることについて、200文字程度で説明しなさい。」
これは、比較的簡単です。

SFCに入りたいと思っている人であれば、おそらく自分が大学でしたいこと、解決したい課題や発見について、ビジョンを持って語れる人も少なくないでしょう。

設問1.を読んで、

よっしゃ!待ってました!!

とばかりに「私は環境情報に入学したら、〇〇という問題を解決したいと思っています」
と思うがままに自分の解決したい課題や発見したいことを書いてはダメ!

設問には
「SFCの学生に求められるのは自分の関心を中心に他の分野を結びつけ、世界の課題を解決したり、新たな分野を切り開く能力です」
と書かれています。

つまり、この問題は「あなたの関心を中心に他の分野と結びつけて課題を解決したり、新たな分野を切り開く能力があるのか?」を聞かれているということ。

続けて設問の2,3,4を見てください。
要約すると。。。

2. 資料の中から、必ず4つの研究会を選んで、
3. なぜ、それを選んだのか(理由)と、どのように履修し目標を達成するのか(計画)、課題解決や発見にどうつながるのか(関係性)、
4. さらに、3の内容を模式図にしなさい。

ということなので、課題や発見は資料にある10個の研究会の中の4つと最終的につながっていないといけません。

たまたま、1で思うがままに書いた内容に合う研究会が10個の中にあれば良いのですが、上手いこと見つけられないと1で書いたことと矛盾して、負の思考ループにはまってしまいます。

なので、何回も言うようですが、まず設問は最後まで読むこと。

さらに、この問題の場合は、10個の中から4つ選んで最終的に自分のやりたいことと繋げないといけないので、資料をある程度読み込まないと、1の自分の解決したい課題(発見)につながるものがあるのかどうか、分からない。という構造になっています。

さらに、4で模式図を書くので、頭の中に研究会と、課題(発見)の関係が、模式図でイメージできるような感じのもの選んだ方がやりやすい。ということになります。(模式図については後述します)

要するに1~4の設問を理解し、資料もある程度読み込んだ上で、
資料の中の4つの研究会とつなげて自分の解決したい課題を新たに設定するか、もしくは、もともと自分が解決したいと思っていたものを、4つの研究会に沿うように上書きするように解いていくのが良いでしょう。

設問は1,2,3,4の順番で書いてあるけど、必ずしもその順番で解くのが得策とは限らないのです。

この問題に限らず、SFCに入ったらどんな研究をしたいか、何を解決したいか、どんなプロジェクトをやりたいか、のような問題は多く、もともとビジョンを持って受験する人には有利ですが、設問には細かい条件が設定されていることを忘れてはいけません。

③資料の読み方と時間配分

※こちらは設問ではなく、資料の方です。

資料はまず出典、参考文献を見ること。(これは英語の長文資料にも共通します)
どの立場の人がいつ言っていたことなのかも非常に重要です。
設問の中で、すでに説明されている場合もあるので見逃さないように。

ほとんどの資料が並列に紹介されているので、いつ誰(どんな立場の人)が書いたものなのか意識して読み進めていきましょう。
かなり昔の人が書いた文章と気付かずに根拠として現代の社会システムを論じたりしたら矛盾が生じる場合もあるからです。

また、多くの受験生が悩むのは、小論文の時間配分についてです。

SFCの小論文は、資料が膨大にあることが多いので、時間内に読みきれないと文章を書く時間がなくなってしまいます。
過去問を繰り返しやって、自分が資料を読むのに、文章を書くのに何分くらい必要なのかを把握して、ある程度の目安を立てておきましょう。

一般で合格した複数のSFC生に聞いたところ、
毎年、出題傾向や資料のボリューム感が全然違うので、一概には言えない。という前提条件つきで、
幅はありますが、平均的には以下のような時間配分が一つの目安となるようです。

最初の5~10分で問題冊子の最初から最後までをザッと見て
・全体の問題量
・資料のボリューム
・記述の文字数
を把握する。
40分~1時間で、設問と資料を読む。
小論の構成を考えるのと書くのに1時間~1時間20分近く。

ほとんどの人が論述の部分に(構成も含め)1時間は掛けていると答えています。
逆に記述の部分の目安の時間が1時間以下の人は、聞いた人の中では居ませんでした。

資料はすべて読んでいるという人もいますが、必要なものしか読まない人も多いです。

「資料全部にタイトルとサブタイトルをつけなさい」みたいな問題もあったりするので、これは問題にもよりますが、全部読まなくても解ける問題も多々あります。

例えば、先ほど紹介した10個の研究会の場合は、極端に言えば、選んだ4つ以外は論ずるのには必要がないのです。でも、読んでみないと必要があるかないかが分からないので悩ましいところです。

裏技◆読むのが遅い人用

(これは私の体験)
私は文章を読むのがとても遅いため、受験の時にはかなり苦労しました。
読むのが遅い人に向けた私なりの解決法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

まず設問をしっかり読んで内容を把握。(ここにはきちんと時間をかけた)
次に、全部の資料の「出典・参考文献」の部分だけを確認します。年代や題名が載っていたりするので、資料の内容を把握するのにかなり役に立ちます。

ただ、残念ながら、今回取り上げた10個の研究会の資料には、「出典・参考文献」がないのです。。。

そこで、出典が載ってない場合にすることは、さーーーーっと資料の最後まで目を通します。
読むのではなくて、文字通り目を通すのです。中身はまったく把握してないけど、目に入ってくるワードで何について書いてあるのかを、ある程度予想するのです。

文章が難解でも目に入ってくるワード=自分の知っていることなので、内容は把握できないかもしれないけど、何について書いてあるのかは案外わかると思います。(たまに全く理解不能のもあるが、その場合は無視する。今回の場合は英語の資料とか)

そして、自分が読みたい(関係していると思われる)資料に優先順位をつけて、資料はその順番に読みます。
途中で1時間が経ってしまったら、読んだところまでの情報で書きます。(けど、自分に関係あると思われる順に読んでいるので大丈夫)

解き終わってから、読みきれなかった資料も読んでみるけど、あ!こっちを読んでたら、内容変わったわ。ということは、今まで特にないので、文章を読むのが遅い人は試してみてください。

ちなみに全部のタイトルを考える問題などは、優先順位が低い資料のものは、内容を読まずに文章の中から拾ったワードで適当に題名をつけて、その問題は捨てるのが得策だと思います。ここに固執するとマジで時間がなくなる!

おそらく、タイトルつける系の問題の1個の配点はすごい低いと思われるので、空欄にしなければ、ワンチャン普通に点数もらえるかもです。
(過去問を解いてる時は、終わってからもう一度読み直して、きちんとしたタイトル考えてみるのが良いと思いますよ)

全て資料を読んでも論述部分を終わらせられなかったら元も子もないので、とにかく資料は途中でも1時間経ったら論述を開始するようにしましょう。

④時間配分や論述の工夫

実際に合格した生徒さんの参考になりそうな工夫をピックアップしてみましたので、自分にも使えそうと思う部分を取り入れてみてくださいね。

Aさん
最初の1時間で、設問と資料を読みながら、読んでいる最中も小論の構成やテーマを考える。
読みながらメモしていき、小論のポイントを作っていく。
結構な勢いでメモします!
資料を読んでいる途中でも、思いついた文章をメモっておく。
後半は、ポイントに肉付けするように回答用紙に文章を書いていく。
また資料を読んでも書くことが思い浮かばない時に備えて、いくつかのテーマを自分で用意しておいて、
構成を5分以上考えても何も思い浮かばない時は自分の用意しておいたテーマにこじつけて書く。
過去問とかで、こじつけの練習をしておくといい。

Bさん
資料は全部読むようにしていたが、よく分からないなと思ったら、その資料は捨てる。固執しない。
読むのは比較的早い方なので、だいたい設問と資料は、40分間で読み終える。
資料は、1個ずつ読み終えた時に一言でいうと〇〇。というのをメモっておくと、その後の小論文の構成を考えやすい。
論述の中で「資料1では〇〇と論じられているように」のようにも使えるし、資料同士の論理の比較とかもしやすくなる。
構成を考える時は、はじめ、中、おわり、みたいな感じで一旦、軽くメモって、その情報を元に書いていく。

Cさん
資料を読みながら、あとで小論の中で使えそうかな?と思ったワードや文章などに印をつける。
最初のうちは線を引いていたが、線ばっかりになってしまうと、あとでどれが重要だったか分からなくなってしまうので、超重要には丸、そのほかのまあまあ重要には線を引くように分けた。
最初の5分くらいでざっと全体をみて、設問に10分ぐらい、資料に40分~1時間(問題による)
小論文を書いている最中には、たまに設問を読み返して、設問の内容と自分の答えがズレていないか確認するようにした。

共通していることは、小論の中で使えそうなワードや文章をメモったり、印をつけたりしているという点。
書いている途中に、資料をもう一度確認したりすることは良くあるので、あれが書いてあったのどこかな?と探したりする時間が勿体無いので、何か自分で工夫した目印をつけておくと良いでしょう。

構成がなかなか決まらなかったり、アイディアが浮かばない人は、Aさんのあらかじめテーマをいくつか用意しておくのも良い案ですね。

Bさんの構成をはじめ、中、おわりのように決めてから書き始めたり、Cさんの設問をたまに振り返るというのもとても重要です。

また、2017年の環境の問題にも出題されている「模式図」ですが、他にもフローチャートや図で表しなさいのような設問も多いので、違う年の過去問でも論じていることを簡単に図にしてみるのもおすすめです。

ちなみに、模式図とは?
事物の典型的な形式を理解しやすいように図式的に示したもの。
出典:『Wiktionary』

で、これといった決まりは無いので(設問に書いてある時はその決まりを守って)
読む人(採点者)が理解しやすいように、研究や社会のシステム、その他自分の考えなどのポイントをまとめましょう。

文字を四角で囲み、その関係性などを矢印や線でまとめたりするものが一般的ですが、矢印や線が多過ぎると理解しにくい図になるので気をつけましょう。
「模式図 例」などで画像検索してみると、結構色んな種類の図がでてくるので参考にしてみてください。

奇抜なことや、面白いことを書く必要はあるの?

SFCの小論に関して結構多いのが「奇抜なアイディアや面白いことを書く必要があるのか?」という質問。

奇抜なアイディアや面白いことを普段から思い付く人は、おそらく有利だとは思います。

添削の小論文を読んでいると、たまに声を出して笑っちゃうような内容や良くそれ思い付いたね!と感心するようなものがあるのですが、それが理由か分かりませんが、そういうタイプは結構な確率で合格している気がします。

しかし、これは生まれつきの「才能」なので、普通の人がこれを真似して書こうとするのは無理だし、このことに気を取られて本質的なところを見逃してしまうと、まったく面白くもなく、それでいて趣旨にも合ってない意味のない小論になってしまう可能性があるので、あえて奇抜なことを書こうとするのはやめた方が良いです。

「面白い奇抜なアイディアを思い付く才能」のある人たちは、面白かったり奇抜にしようとして書いているわけじゃなくて、元々の考え方がそうなだけで、彼らにとってはちょー真面目に書いた結果だったりします。

さらに面白いかどうかは、採点者によって感じ方などが違うし、私が大笑いした同じ答案を、採点者がどう思うかは分かりません。

もしかしたら面白いことや斬新なアイディアに対して加点するようなシステムはあるかも知れないけど、複数の教授が採点している以上、基本的な「設問にきちんと答えているか?」「趣旨と合っているか?」など誰が見てもある程度公平性を持って採点できるような基準はあるはずなので、まずはそこをクリアすることの方が重要です。

一般的なことしか思いつかないからダメということではありません。
比較的一般的なこと(奇抜ではないこと)を、設問の趣旨の通りに、順序立てて論述して合格している人もたくさん居ます。

まとめ:慶応SFC小論文の書き方(基本編)

かなり基本なことも書きましたが、ここに書いてあることは慶応SFCに一般受験で合格するための基本中の基本。

実は特段難しいことは書いていないのですが、知っているだけで合格に近づくようなヒントばかりです。

簡単に振り返ってみましょう。

1.字は丁寧に書く。
急いで書いた練習の小論文を誰かに読んでもらい、読みにくい字を指摘してもらおう!指摘された字を意識するだけでも全然違います。

2.過去問は書き切る。
本番では午前中に学科、午後に小論文、とかなりの集中力が要求されます。
過去問を解く時は必ず2時間確保してから、そして書き切るようにしましょう。
本番は何も書かなかったら絶対に受からないので、過去問は、どの回でも途中で投げ出さず、必ず最後まで書き切る訓練をしましょう。

3.設問を良く読む。
もうこれは本当に基本なのですが、意味を勘違いしたり、理解しないで回答してしまっている人が意外と多いです。
何を聞かれているのか、どんな順序でどんな条件で回答しなければならないのか、分からなかったら何回でも確認しましょう。
論述の途中で、趣旨と合っているか再度確認するのも一案です。

4.時間配分が大切。
何回か解いて自分のペースを把握しておくこと。合格者の生徒さんのほぼ全員が、構成を考える+論述の部分に1時間は掛けているとのこと。
(資料が読み切れてなくても1時間経ったら構成を考え、書き始めること)

5.奇抜なことや面白いことをわざわざ書く必要はない。
才能の問題なので、あえて面白くするより趣旨に沿ったものを書いた方が良い。
「面白い奇抜なアイディアを思い付く才能」のある人たちは、面白かったり奇抜にしようとして書いているわけじゃなくて、元々の考え方がそうなだけで、彼らにとってはちょー真面目に書いた結果だったりする。

今回の基本編はここまでです。

応用編では
・小論文を書くときのチェックポイント
・問題発見→問題解決の構造
・書いてはダメ!NGワード
・読みやすい文章の書き方
などについて解説していく予定です。

この2月に受験される皆さんにとっては、残された時間は余りありませんが、あと約1ヶ月の頑張りで合否が決まります。
ぜひ最後まで諦めず、出来ることを頑張ってください(^-^)

勉強方法に関する質問やSFCについての素朴な疑問がありましたら、画面の下の方にある「クリエイターへのお問い合わせ」からお願いします!

皆さんのご健闘を心よりお祈りします!

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