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慢性の痛みは原因を探るな

「なんで膝こんなに痛いんやろ、先生なんで?」
「なんででしょうね」

物事が起こっている原因を探索することは、とても正しい態度ではある。しかし、ことのほか慢性の痛みに関してはあまり役に立たない。
なぜなら
慢性疼痛の原因はわからないからだ。
わからないというか、複合的で集学的なアプローチがすすめられているのだ。
もっといえば、原因を探しすぎて、頭のなかが不合理な考えでいっぱいになり、ストレスのせいで余計に痛みが増していることも稀ではない。
探すのをやめたとき〜見つかることはよくある話でという曲があるが、そこでみつかるのは「痛みの考えでいっぱいになっている自分」である。もし、慢性疼痛でこんがらがっている方がいらっしゃったら、そのような状態になっていることにまず気づいて欲しい。
そして痛みの原因をさぐるよりも痛みからくるストレスを減らす工夫にエネルギーを注いだ方がはるかに効率が良いと思う。
この、痛みに対してストレス、ストレッサーというとらえ方をすることはとても大切で、さらに、ラザルスとフォルクマンという人はストレスはストレッサーを受け取る人の捉え方が重要であることを言っています。探しても原因がわからない事は不安となり、さらにその不安が、痛みをモンスターに育ててしまうこともあり得るのです。逆に、鍼灸院の患者さんで、痛みの本来のポジティブな役割(不調を教えてくれるアラーム機能)についての話題を提供することで、なんだかスーッと痛みが減ったという方もおられます。
今日は長引く痛みの原因を考えすぎない事、ストレスとして捉える事の利点について少し書いてみました。慢性疾患は治療よりもケアが大事だと日々感じるこのごろ、読んでいただける皆さんと一緒により良い対処法を学んでいけたらと思います。ご意見・ご感想おまちしております。



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