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水の不足

生命に水はなくてはならない

だから病などで水を飲めなくなる状況はたいへん危険だ。

輸液は大発明で、胃や消化管を通さずにたく

さんの重篤な脱水状態をスピーディーに直接

血管から潤すことができる。

これはすごいことである。しかし反面、容易

に直接、血管内に水分を入れることの心臓と

腎臓への負担については配慮する必要がある。

たとえば、脱水症状の人への点滴は良いが

乾燥と荒れを生じるアトピー性皮膚炎やシ

ェーグレン症候群の人に毎回するのもどうか

と思われる。

寺澤捷年さんは著書「和漢診療学」のなかで

清熱補気湯をあげて、とくに人参と麦門冬に

ついて述べている。

このふたつの生薬が枯燥した水を補うのに大

きな役割を果たしているという。

個人的にはうまく咳が収まらない患者さんと

のやりとりで麦門冬のイメージで鍼をするこ

とがよくある。

麦門冬の性味は微寒、薬能は潤燥生津、化痰

止咳、肺を潤し気道分泌を促進させる作用がある。

うまく鍼で陰に水をひきこむことができれば

空咳もおさまる。

急性の脱水症状ではなく、慢性の症状ではし

ょっちゅう点滴するわけにもいかず、食べた

り飲んだりしたものから水をうまく足りない

所へひきこむようなやり方が必要だ。

なかなか、原因のはっきりしない慢性の乾燥

や脱水からくる症状には水を飲むだけではな

く、漢方や鍼灸のもつ水をうまくまわすやり

方も是非取り入れてみて欲しい。






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