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日常という失った後に気づく幸福


もし、また何かできるとしたら私は「恋がしたい」と答えるだろう。
あんなに感情的になって人生が変わったあの恋愛体験をもう一度味わいたい。
それは、たった1年と少しの話だったけど、今でも時々思い出す。あの時私は幸福だった。

何が幸福かというと、シングルベッドに恋人と2人で寝る。そして起きる。これだけ。
ただでさえ狭いのに、ぴったりくっついて腕の中で眠る。そのうち暑くなって離れるんだけど、ふと目が覚めてその人を探す。そしてまた腕の中に戻って眠る。

この幸福感が再び味わえるのなら、私は心の底から噛み締めるだろう。もう離れまいと。なんならその腕の中で死にたいと思う。

この幸福は家族でも友達とも違う。好きな人という存在の暖かさ。これがわかってしまったが故に、私は苦しむ。焦がれる。

また恋人の鼓動を聞きながら眠りにつきたい。抱き合いながら暗い部屋でおしゃべりをしたい。寝癖も寝言もヨダレも愛してた。

ひとりでは、絶対できない幸福に焦がれる夜。

思い出の写真と共に

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