「吉木りさに怒られたい」 わけじゃないけど。

少し前の深夜に「吉木りさに怒られたい」という番組を見た。世の中の性癖にはいろんな種類があるのだな、と思いながら、考えていたことがある。

わたしは褒められて伸びるタイプだ。

怒られたら、まず腹が立つ。その人の怒りが伝染する。怒られている内容よりも先に、言い方や怒っている人の性格や普段の言動などに意識が行ってしまう。
怒ると叱るは違うとか言う奴もいるが、わたしにとっては全部“怒る” だ。

怒りをすべて受け止めたあと、心の中で言い訳をする。ときには、言い訳なんておとなしいものじゃなく、激しく罵るに近い勢いでたたのきめす。そうして怒りを処理したあとに初めて、怒られていた内容について考えることができる。反省する。自分のなにが怒られたかを振り返り、どうすればそれを回避できたか想像する。

しかし考えた。褒められたとき、その内容をすなおに受け止めることができているだろうか。

褒められたら、まず喜ぶ。その人がすぐ好きになる。褒められている内容よりも先に、言い方や褒めてくれた人の性格や評判などに意識が行ってしまう。評判がよければ、やっぱり、と思うし、悪くても、本当はいい人じゃん、なんて思ってしまう。それで終わる。

褒められたことに喜び、やっぱりわたしってすごいんじゃ、なんて舞い上がって、もっとがんばろう、と思う。それだけだ。がんばろうと思うことで伸びるならいいが、伸びるにはもっと試行錯誤が必要だと思う。反芻して悩んでトライを繰り返して、努力が習慣となった頃に、気がついたら伸びているはずである。

とすると、怒りを処理し終わった頃にようやくできる思考が、伸びることにつながるのではないだろうか。

吉木りさだろうが、石原さとみだろうが、竹野内豊だろうが、怒られたくはない。
でも実は怒られて伸びるタイプだったのかもしれないことを、吉木りさが教えてくれた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?