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【さよならYTM】意外と多かったサ終対応が必要なサイト

結論

YTM 稼働率は3.6%でした。ウマ娘の星3排出率(3%)、原神の星4以上のキャラ排出率(3.15%)と同じくらいですね。

担当案件がYTM 実装中!?やったね!

YTM(Yahoo!タグマネージャー)のサービス終了について

「YTM 10周年だね!すごいね!」と勝手にキャイキャイしてたら、あっという間にサービス終了宣言。。
まぁ、しょうがないよねとも思う。

タグインスペクターなどの補助ツールの終了以外、Yahooからのアップデートも全然なかったからね。うん。
ちなみに、タグインスペクターもついにお亡くなりになった模様。。YTMの設定内容移設に便利だから、こうなったら最後まで利用できるようにしてて欲しかった。。こういうところが、「Yahoo」だよねぇ。。

あんなに一緒だったのに。。

YTM はどれくらいのサイトで生き残ってるのか?

教えてURLの集計によると、YTMが起動しているサイトは約2500ほど、ということみたいです。

https://oshiete-url.jp/report/docodoco/2023_6/#tag_manager

調査対象サイトが約15万なので、1.6%ですね。
ただ、GTMですら20%にしかならないので、データソースにはかなり個人サイトやブログが含まれている気がする。
ともあれ、具体的にどんなサイトで、どんな感じにYTM が稼働してるのなかなぁ、ということで調べてみました。

調査対象と調査方法

  • 調査対象

    • Wikipediaの日本の上場企業一覧ページに記載されている企業サイト3000件ほど

    • サービスサイトではないので、デジタルマーケ用のタグ管理の優先度は低いことが想定される。それが「放置されがちなので、YTM が残りやすい」なのか「施策に使われないのでタグマネが設置されてない」なのかは未知数。

  • 調査方法

    • クソ雑魚スクレイピングツールをChatGPTに作ってもらって、YTM が実装されているかをチェック

    • YTM が実装されているサイトについて、YTM 経由で起動しているタグの本数などをチェック


調査結果:作業が必要なサイトは2.7%

YTM があるサイトの割合は3.6%。想定よりもちょっと高め

タグが起動しているものの割合だけでも2.7%と、どこどこの調査(1.6%)よりも高かったのは意外ですね。コーポレートサイトを中心とした調査なので、もっと低くなると思ってた。
内訳の内容はこんな感じです。

  • 0-タグ起動なし

    • HTMLにYTM の記述はあるけど、通信が発生していなかった(たぶん設定が空っぽ)

  • 1-少し

    • 5本程度のタグが起動していた。サイトジェネラルタグなど、Yahoo関連のタグのみを起動しているケースがほとんど

  • 2-そこそこ

    • G・Y・FB・LINEなど主要媒体のリタゲタグが設置してある程度(5〜10本程度)

  • 3-たくさん

    • たくさんのタグや判定条件が設定してあり、移設を考えるとちょっとうんざりするくらいの設定があるもの

予算が大きい、知った名前ばっかり(当たり前)

業種の内訳については、特に驚く要素はないかな、と。
でも地方銀行が結構多かったのはちょっと意外だった。「デジタルマーケをやろう!」と意気込んで初めてみたものの、体力が続かなかった、とかかな?泣ける。


これは大変そうだなぁ、と思ったもの

複数のYTM が設定してある

site の数が起動しているytmアカウントの数

例えばコレ↑なんだけど、めちゃくちゃたくさんのYTMが設定してあるケース。運用している代理店ごとにYTM が分かれていて、それぞれで運用していたんだろうなーと思います。
移設にあたっては、それぞれのYTMアカウントの保持者を探し出して、それぞれの設定内容を掘り起こす必要がある。
というか、YTM IDってYahoo管理画面からサクッと探せるわけじゃないので、多分これが一番大変。
YTMのユーザ発行は9月までなので、最悪「誰のかはわかっても、操作するためのID・PWがわからない」なんてことにもなりそう。

データ判定などがたくさん実装されている

dbeやevents.bindがたくさん!

YTM では、GTMと違ってデータ取得や発火条件の設定が面倒です。GTMに設定する作業自体は楽なんだけど、「そもそも何をしているのかを把握するのが大変」なケースがこれ。
あと、Yahoo DMPを利用していた場合、全ページでデータ取得する設定が入ってたりするので、「そもそもこの設定必要なの?」という確認も大変。

とにかくたくさんの設定がある

企業情報のページで30本も起動する必要ある?

歴代の代理店が開設したGYアカウントのタグが脈々と受け継がれているケース。作業自体は粛々とすればいいので単純。だけど、「そもそも、これいる?」を気にしだすと途端に大変になる。
いつ・誰が・なんのために設置したかを洗い出して、現時点での要・不要を誰が判断できるの?となりがち。
というか、こういうケースはGTMにも同じアカウントのタグが設置してあって、二重発火してたり、なんてケースも多い。


YTM 終了にあたって、どんな対応が必要なの?

ざっくりとステップを妄想。

  1. YTM の設定状況を確認

    1. ウェブサイト上のどこにYTM が埋まっているのか(CMS側)

    2. どんなタグが設定してあるのか(変数設定を含む)

    3. 設定してあるタグがどんな条件で発火しているのか

  2. GTMとの設定重複の確認

    1. 同じタグが設定されていないか?

    2. YTM のユニバーサルタグのみが設置してあるページは無いか?(CMS側)

  3. GTMに設定する内容の取りまとめ

    1. 掲載終了など、不要なタグは作業対象から除外

    2. 新規設定が必要なタグ・トリガー・変数の確認

    3. 必要なら、作業優先度やステップを分解(アフィのCVタグなど、リスクが大きいものは個別進行を推奨)

  4. GTMへの設定とテスト

    1. タグ・トリガー・変数を非公開状態で設定

    2. プレビューモードで動作確認

    3. 移設しないYTM 上のタグを無効化

  5. タグマネ切り替え作業

    1. YTM で対象タグを無効化

    2. GTM でバージョンを公開

    3. CVテストなどの動作確認

  6. YTM ユニバーサルタグの削除(CMS側)

道は遠い。。。

まとめ

いかがでしたか?
Twitterなんかをみていると、「もう使ってないけど」とか「そんなのもあったねw」という声が主流だったけど、聞いてない・サポート対象としていないだけでしぶとく生き残っているというケースは結構ありそうだなぁ、と思いました。
まぁ、その程度の重要度なのであれば、明日YTMが起動を辞めても施策への影響度は軽微だろうから気にするだけ損なのかもしれませんね。

ともあれ、YTM のsunset により、Yahooが抱いた

  • Yahoo!広告

  • Yahoo!DMP

  • Yahoo!Tag Manager

  • Yahoo!アクセス解析

などのツールでデジタルマーケティングのインフラを支えるんや!という夢は儚く散ったわけだけど、

  • 広告(YahooとLINE)

  • データクリーンルーム(Yahoo・LINE × Treasure Data)

  • AI(LINE CLOVA)

あたりを軸に頑張るのかな?まぁ、抱えてるユーザ数は多いもんね。
ともあれ、UA GAのサービス終了とあわせて、ひと時代が終わった感がすごいなー。寂寥。

おまけ:YTM がどれくらい動いているか、簡単に調べる方法

デベロッパーツールを使えば簡単に確認できます


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