三日間の幸福
*ネタバレあります
三秋縋さんの「三日間の幸福」を読みました
「寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で」
内容はお金に困った主人公が寿命を売るという話です
寿命というのは人によって価値が違って、その人のこれからの人生でどれくらい幸せになれるのか、どれくらい社会に貢献できるのか、どれくらい人を幸せにできるのかなどを基準として寿命の値段が決まります
しかし、主人公の寿命の価値は最低基準で一年につき一万円、残りの寿命は30年ちょっとしかなかったので、
主人公は残りの人生3ヶ月を残して、30年分の寿命を売ります
主人公が残りの3ヶ月の人生で何をするのか、最低基準の価値しかなかった主人公の人生がどうなっていくのかが書かれています
ミヤギの存在をだんだん周りの人が認めていくのが、感動した
酔っ払いに絡まれてるとこをシンバシさんが助けてくれるところが激アツ
クスノキさんが最後に寿命を三日残して、売り払って
もうミヤギと会えることはないと泣いてるところを周りの人が真剣に慰めてくれるとこや、最後にミヤギが出てきたとこは号泣
「さて、クスノキさん、これからの三日間をどのように過ごしましょうか」
っていう終わり方も最高だった
だから、三日間の幸福なんだね
ミヤギとクスノキが自販機の写真をとっていくの好きなんだよなあ
自分も自販機の写真集めてみたい
クスノキさんも言ってたけど、いくら自分の人生がどん底で、今何も楽しいことがなくても、じゃあ、死のうって潔く命を捨てられる人ってあんまりいないと思うんですよね
人間はどうしても今楽しくなくても、生きていたらいつかは楽しいことがあるかもしれないっていう希望的観測から抜け出せないと思うんですよ
僕もいつも死にたいと思ってるんですけど、それでも、生きていたら何かいいことがあるんじゃないかっていう希望が捨てられない
そんな自分が情けないなって思いながら生きてます
だから、自分で命を捨てられる人はマジですごいなって思う
これは後書きに書いてあったんですけど、この本は「愛の力」とか「命の価値」とかそういうことではなくて、
今まで灰色に見えてた世界が、死ぬ間際になると残酷なくらいまでに世界が美しく見える
この本は万人受けはしないかもしれないけど、死にたいと思ってる人にはぶっ刺さると思います
2022/4/20
2022/12/17
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