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エルピス 10話 最終回 感想

相克の関係である斎藤(鈴木亮平)と、
浅川恵那(長澤まさみ)は対峙しました。

放送前の緊迫した雰囲気をぶち壊すような斎藤の権力側の詭弁が薄っぺらに聞こえました。

考えるような表情の浅川恵那。
(まさか?と少しだけ心配になった。)

そして切り出したのは取引。

交換条件を出す駆け引きするとは思いませんでした。


悪を一つ飲み込むという選択であり、浅川恵那の最後の一手がそれとは。
滝川(三浦貴大)に「真実を伝えるのが仕事でしょ?」と言っていたのに。


でも松本死刑囚の死刑執行は差し迫っていて、
何としても止めたかったんですよね。

警察に顔が効く大門副総理が立ちはだかっている以上、警察は過去の罪を認めないし、司法も腐っている。

大門副総理の弱みのカード(レイプ隠蔽、秘書殺し疑惑)を取引条件として、
大門副総理の支援者の本城建託の息子の本城彰(永山瑛太)の逮捕を邪魔させないという取引は正直モヤモヤするものの、浅川恵那のできる最善の選択だったと思います。

できることをそれぞれが勇気を出してしたことで、腐った世の中が変わっていく。

正義感100%の綺麗事ではつぷされてしまうというのがリアルだったと思います。

秘書(迫田孝也)の証言VTRは後ほど斎藤が回収したんでしょうか?

取引に応じると見せかけて証言VTRを隠し持っていたら、(浅川恵那がでかけている時に家探しするでしょう。)
容赦なく浅川恵那の命を狙うでしょうね。

今夜放送しなかったら君は病気か事故で出られなくなる、という斎藤の脅しのような忠告のような言葉にゾッとしました。

そういう世界を許容しているモンスターなんだと。


でも今夜放送することを提言してくれたのは、
浅川恵那が殺されなくてすむように、せめてもの愛のかけらですね。


村井(岡部たかし)が秘書の葬式で斎藤に
「引き返すなら今じゃないかな。でないと、この先はもう戻って来れねえぞ」と言いましたが、
斎藤はもうとっくに戻ってこれないところへ行っていたのでしょう。


斎藤の詭弁通り、国のためとか国民のためとか国際的とか、政界が安定している必要があるとか(全部嘘。自分の利益のため。)、
そのためにはどんな隠蔽や真っ黒なこと(殺人)もしているのでしょう。
直接手を下してなくても、全部把握して加担していると思います。


✨🍊♥️✨✨✨🍊

最終回で週刊潮流の佐伯編集長(マキタスポーツ)は登場しませんでした。

私は佐伯編集長は政界と通じている隠蔽側と書きましたが、それは当たっていたと思います。↓

岸本が「みんなに知らせて」と浅川恵那から言われて放送を喜ぶ人たちに知らせました。

首都新聞の笹岡まゆみ(池津祥子)、ヘアメイクのチェリー(三浦透子)、被害者遺族たち、村井、木村弁護士(六角精児)。

そこに佐伯編集長はいませんでした。

佐伯編集長が喜ぶ側でないことを示唆していると思います。

岸本が佐伯編集長に週刊潮流に来るように誘われたけど、村井映像企画に行きました。

それも佐伯編集長が隠蔽側だったという示唆だと思います。

♥️♥️✨✨✨✨✨

自分が失脚する秘密を握っている人物を生かしておく。

これは権力者にとって看過することのてきない不安ですね。

秘密が秘密でなくなり白日の下に晒されれば安全だけど、明かさなかった秘密は現実では命取りと思います。

村井映像企画なんて個人営業の岸本を消すくらいのことはやれるでしょうし、浅川恵那でさえ薬を飲んでいたので自殺に見せかけることは可能でしょう。

浅川恵那や岸本が黙っている保証は無いですから。

ドラマの中では斎藤が止めたということになるんでしょうか?

自分が目を光らせるからと大門副総理に言ったのかもしれません。

大門副総理にしても斎藤を敵に回すわけには行かないし、斎藤を信頼しているのでしょう。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

滝川(三浦貴大)はがっつり隠蔽側でしたね。

斎藤と繋がっていて、政権側で動いていたと思います。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

平川警部補(安井順平)に娘は実在していましたね。

娘の髪を拭いてあげて、娘はパトカーで遊びました。
お父さんの仕事を尊敬しているのでしょう。

だからこそ平川警部補も汚れた刑事でいるのが辛くもあったというか、嫌な奴でも多角的に見ればそういう面もあることを描きたかったんでしょう。

♥️✨♥️✨♥️✨♥️

牛丼屋で遅れてやってきた村井に笑顔になる浅川恵那と岸本。
その表情が何とも言えず良かったです。

特に岸本(眞栄田郷敦)のとろけそうな表情は心をギュッとつかまれました。




眞栄田郷敦さんの演技力はこのドラマで素晴らしいと思わされましたね。

♥️✨♥️✨♥️✨♥️

「終わった瞬間、お疲れ様でしたって逃げてきた。」

浅川恵那のオンエア後ビビッて逃げてくる様子が面白かったです。
そりゃあ怖いでしょう。

岸本が待っていてくれたことがじーんときました。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

放送前にテレビ局の前で電話している斎藤。

岸本と視線が合ったとき、
(もう俺の正体は知ってるだろ)という悪どさを隠さない表情が良かったです。

結局、大門副総理についている斎藤としては、大門副総理が失脚しなかったので悪くない結果となりました。

自分がのし上がるまで、大門副総理の悪を飲み込んで利用するつもりでしょうね。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

チェリーさんがつくったカレーライスを松本元死刑囚(片岡正ニ郎)が幸せな笑顔で食べていて、
本当に良かったです。



片岡正ニ郎さんは邪気の無い笑顔をされる可愛いおじさまですね。
無実の罪が晴れて命が助かって本当に良かったです。

当時はショートケーキを一つだけ(お金が無くて?)チェリーにあげた松本さん。

お返しにチェリーが買ったショートケーキを2つ、二人で食べていたのがじんわりして印象的でした。





♥️✨♥️✨♥️✨♥️

こんな記事がありました。

総理番の仕事が「相手が心地よいと思える距離で、相手の心に寄り添い」
って「権力の監視」という意識は全く無いんですね。
こんな偏った考え方の記者が総理番とは。
絶望的です。

✨♥️✨♥️✨♥️✨♥️

コロナ騒動になって、年月が過ぎてもまだ大門副総理はしぶとく権力者として生き延びていますね。

笹岡まゆみが「県警時代に本城彰の逮捕、県警に指示なさったという疑惑。」
と詰め寄り、
大門副総理がかわしていくと、

「まだ終わってませんよ。大門! 大門!」
と呼び捨てするシーンが良かったです。

このワンシーンで本城彰は逮捕され、大門副総理と本城建託の癒着から息子の犯罪を隠蔽した疑惑まで追及されていることがわかります。

浅川恵那や岸本はやれることをやりました。

リレーみたいに次は笹岡まゆみのような首都新聞の政治部記者の出番ですね。
やれることをやって欲しいです。

一方で取引したレイプ隠蔽(秘書殺し疑惑)は約束通り、表に出ていないようです。

ここに理想論ではすまされない現実が描かれ、問題提起されているのでしょう。

✨♥️♥️✨♥️✨♥️

結局、浅川恵那の玉砕覚悟のやる気にスイッチが入ったことで冤罪事件が解決したってことですね。

スイッチを押したのは村井のテレビ局への殴り込み。

村井は首になっても、テレビ局としては明らかになっては困ることがあるため、刑事事件にはされなかったようです。


浅川がここからスイッチが入り、岸本が諦めたスクープを持っていこうとします。

「殺されますって!」という岸本に

「なんで殺されなきゃいけないのよ!」



✨♥️✨♥️✨♥️✨

最初は迷ってグレーだった浅川が、
最終回では白のスーツで黒のスーツの斎藤を見下ろすのが印象的でした。



✨♥️✨♥️✨♥️✨

岸本がテレビ局にいなかったらVが間に合わなくて放送できなかった説。
 
よくそんな綱渡りで交換条件を出しましたね。


「君、最高!」と大喜びして抱きつく浅川恵那。

困惑する岸本の表情が良い。

嬉しさの勢いあまって岸本のほっぺをつまんだ後、ビンタまでしちゃう浅川恵那。
びっくりしました。

♥️✨♥️✨♥️✨♥️

村井映像企画。



↑ストップハラスメントってポスターが貼ってあるのがブラックジョークですね。

✨♥️✨♥️✨✨


読んでくださり、ありがとうございます。

今季一番のドラマでした。

格が違いますね。
永久保存版にします。😀



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