アイのない恋人たち8話 感想
世にある恋愛ドラマのほとんどはこの人は本命でこの人は当て馬だろうと視聴者はわかっていて、
本命と結ばれることを期待したりする。
けれど本作は久米真和(福士蒼汰)がどちらを選ぶかまるで読めない稀有なドラマだ。
あえてそう描いている。
初恋の彼女、稲葉愛(佐々木希)とマッチングアプリで知り合ったブックカフェ経営の今村絵里香(岡崎紗絵)が均等に描かれ、三人のシーンでは並列に描かれ、愛と絵里香の友情らしき空気も芽生えている。
愛も絵里香も真和の脚本家としての夢を必死な熱量で応援している理解者だ。
そして8話で真和は絵里香と愛、二人から真剣に告白された。
予告あらすじでは↓
と書いてある。
他の二組は8話で熱烈なハッピーエンドを迎えたので、バランスから言うと三組成立して一人余るより、主役の真和はまだ夢を追いかけている身でもあり、どちらか一人を選ばず三角関係のまま終わらせるというのがしっくりくるだろう。
絵里香と愛は「どちらかを選ぶまで許さない」と言うらしいけど、なんだかんだ二人は真和が大好きなので、真和が煮えきらなくてもそばにいて応援していく可能性が高そうだ。
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しかし、最終回ではどちらかを選ぶと思う!
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なぜかと言うと真和が8話で宣言したからだ。
真和「お父さんに負けないくらい一人の人を愛し続けたい。」
男と逃げた母親に捨てられ、そんな母親を馬鹿みたいに一途に愛し続ける父親を軽蔑して、マッチングアプリで知り合った女性と三回以下のデートとセックスを繰り返していた真和。
その真和がラスト前の8話で宣言したからには、絵里香と愛のどちらかを選び、恋の成就を決めるのは間違いないと思う。
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普通に考えて、真和の母親(高橋ひとみ)はろくでもない。
迎えにきた夫(真和の父親)に、まだ言うかと呆れるが、自分は糸の切れた凧みたいだからまた出て行くかもしれないと言うのだ。
真和の父親はそれでも良い、また待つから、と笑顔で応じる。
この父親にも本音を言えば呆れてしまう。
けれど人の価値観というのは人それぞれである。
自分の物差しとか世間の常識とか一般的な感情論に当てはめて答えをだせるものではない。
それぞれが自分の価値観で決めるのだ。
最終回では真和が自分の価値観で決めるのだと思う。
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一人の視聴者である私は、愛と絵里香の二人それぞれに共感できる点や応援したい点があり、不快に思う点もある。
不快に思う点があると書くとアンチみたいに思われるかもしれないが、
私はこのドラマが好きだ。
人間は多面的であり、自分とは考えも生き方もそれぞれ違うから、好感をもてる点も不快に思う点もあって普通だと思う。
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今村絵里香について。
絵里香は真面目でいつも本気で、情に厚い点もあり、恋なんかしないと決めたのに恋に落ちてしまった戸惑いが可愛らしい点で、好感が持てるし応援したいと思う。
不快に思う点は自分の価値観や物差しに当てはまらないとイラついて、攻撃的な物言いで追い込んでくるところがある。
真和が母親を許さないのは真和の心の傷と経験によるもので彼にしかわからないのに、家族だから許さないのは傲慢であると決めてかかってくるところなど、考えを押し付けてくるところは不快だ。
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稲葉愛
初回では妻と別れた男を捨てて首を絞められそうになっているところを、15年ぶりにばったり会った真和に助けられるという最悪な出だしで登場した。
高校生の時に恋人の真和を捨てている。
それは志望の音大に行くために指導者の言うなりになった結果らしい。
腕を痛めて夢を諦め、酒と男に自堕落な人生を歩んできた可能性もある。
一人息子からも逃げている。(後悔している。)
基本的にこういう女性の生き方は不快に思う。
けれど稲葉愛には本気で人を思いやる素直で温かい気持ちがあり、可愛らしいところが多くてほっとけない存在感がある。
そして今は何とか息子と暮らしたいと地道に頑張っている姿が好感が持てる。
✨✨✨✨✨✨✨
真和にとって人生のトラウマだった母親の問題を、許すことで手放すきっかけになったのは、息子を捨てたことを後悔して一緒に暮らしたいと願っている稲葉愛を見ているからでもあり、
家族と向き合おうとしている絵里香を見ているからでもある。
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ここまで結末が読めない恋愛ドラマは稀有だ。
最終回が楽しみだ♥️
✨♥️✨♥️✨♥️✨
渕上多聞(本郷奏多)にスマホを捨てられるかと問いかける富田栞(成海璃子)
長野へ帰るバスを止めて多聞の胸に飛び込み、ついに童貞の多聞と一夜をともにするするという劇的な恋愛の頂点とも言える朝、
とびきりの笑顔の栞と、栞を眩しそうに見つめる起きたての多聞がいて、栞にキスしかける多聞のスマホが鳴る。
多聞はキスをやめてスマホを取るのだ。
真和からのラインで雄馬のおばあちゃんが倒れたというメッセージがきていた。
結膜的にラインの内容は深刻なものだったけど、
電話ならともかく、劇的な朝にキスをやめてまでラインを優先するかな?という気持ちになる。
栞はそう感じたんだと思う。
長野までついて来ようとするなら、そんな中途半端な気持ちでは上手くいきっこない。
ラブラブモードから一転、キリッと身支度して「長野に帰ります」と言い切る栞だった。
✨✨✨
多聞に連絡しないように言って長野に帰って介護する栞だが、それでも多聞を好きで忘れられず、溢れる恋心を父親に告白して涙を流す。
そのタイミングで多聞が家にやって来て、
スマホを栞に見せて、遠くに投げ捨て、
好きだあ!と全力で叫ぶシーンは感動的で気持ちが揺さぶられた。
✨✨✨✨✨✨✨♥️
意識不明のおばあちゃんに向かって、奈美(深川麻衣)への気持ちを叫ぶ雄馬(前田公輝)
やってきて、それを聞いた奈美も叫ぶ。
好きだ好きだ好きだあ!
おばあちゃんが目を覚ます。
気持ち良いくらいにラブコメ漫画チックな展開だけど、
二人の役者の演技力もあり、気持ち良いくらいに胸が熱くなるのでした。
✨♥️✨♥️✨♥️✨
読んでくださり、ありがとうございます。
最終回も楽しみに視聴し、感想を書きたいと思います。