ワクチン接種者の呼気(VOC)に関する研究により、匂いは嗅ぎ分けられるかもしれないことが判明か?ただし、中国の不活化ワクチン。
シェディング関連記事は前回で一旦区切りの予定でしたが、紹介しておきたい論文を見つけたので今回記事にしておきます。それほど新しい論文でもないので既出かもしれませんが。
内容を簡単に説明すると『中国の不活化ワクチン接種者の呼気VOC分析の結果、バイオマーカーに出来る程度にはVOCバランスが変化していた』という感じ。
◆論文引用
該当論文から要旨のみ引用します。
リンクは以下。
◆所感
シェディングという観点では『12種類のVOCをバイオマーカーとして選択』『高い予測性能(AUC、0.9953;精度、94.42%)でワクチン接種者と対照群を区別することができた。』あたりが気になりますね。
私は、ワクチン接種により(少なくとも一時的には)特殊なVOCバランスになると推測していますが、中国製不活化ワクチン接種においては、その通りのようです。
◇◇◇
具体的には以下の4つが特に増加が大きかったとされているようです。
6-methyl-5-hepten-2-one [6-MHO]
CPTO
methanesulfonyl chloride [MsCl]
benzothiazole [BTZ]
翻訳すると以下の感じっぽい。
(私はガチプロじゃないので参考程度にどうぞ。)
6-メチル-5-ヘプテン-2-オン [6-MHO]
シクロペンタノン
メタンスルホニルクロリド [MsCl]
ベンゾチアゾール[BTZ]
とはいえ、非接種と比較して減少が大きかったものも多数あったようですので、全体の総合した匂いには上記以外も関係してるかと思います。
◇◇◇
非接種(コントロール)群と比較した場合のVOCについて、以下の図表にまとめられています。
◇◇◇
さて、シェディング的に気になるのは期間の観点。
論文中で呼気サンプル採取は『接種後4-8週間以内に実施されました』とあるのみで、経時変化に関するデータはないようです。どれくらい継続したのか気になるんですけどね。
◆おわりに
ということで、ワクチン接種後の呼気のVOCバランスはバイオマーカーになりうる程度には変化しているようです。中国製不活化ワクチンですが。
『ワクチンの匂いが嗅ぎ分けられる』(長期的に)ということについて、正直半信半疑なところがありましたが、実際に特有の匂いにはなっていそうです。
日本で接種されたmRNAワクチン等についてはまだこのような情報はなさそうですが、今回の論文は『ワクチン接種者が特有の匂いになる』というエビデンスとしては悪くないのではないかと思います。
一般人にとって嗅ぎ分けられるほどの変化なのか、極微量でも健康被害に繋がるようなVOCが増加しているのか、については謎なので、有識者の見解が知りたいところですね。
[2024.03.09 追記]
記事中のリンクに誤りがあった為、修正しました。
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