見出し画像

世界文学と『源氏物語』両方好きな人

 いつも授業が面白くて機会があると受講しに行っている市民講座の文学の先生が、「世界の文学の中の『源氏物語』」という視点で『源氏』を解説してくれる。
 たいへん面白いのだけど、2年位通い続けて今更気付いたのは、「世界の文学と『源氏物語』を両方好きな人があまりいなそう」という。西洋文学と限定せず、南米文学やアジアの文学も含めて、いわゆる「翻訳文学」を愛好している人で、『源氏物語』に強い関心を示している人ほとんど会ったことがない。
 その数少ない方々が、同じ講座を受講している方々という事になる気がするけど、そうだとするとものすごいニッチな層という事になる。

 けどなあ、すごい貴重な先生だと思う。この層がニッチになってくるということは、世界文学の観点から『源氏物語』を再評価しようとしている研究者があまりいないという事ではないだろうか。博士は国際的な研究成果を担うものだから、博士の先生が『源氏物語』を研究すればそういうことにはなるのだとは思うけど、私はそのような研究を初めて見たのだった。

 そういう超優秀な人が先生、というのも受講側にはすごいチャンスだし、そういう超優秀な文学研究者が現代にいるのも、すごいありがたいことなんだけどな。

 世の中なかなかうまく行かないなあ。もっと文学大事にされろ。

サポートをクリックしていただくことで、投げ銭をいただくことが出来ます。いただいた寄付金は今後の運営費として活用させていただきます。