春はいつも花粉症が酷く、杉と檜を大量に植えよ育てよとした者はどこのどいつか個人名まで特定しなければ、と毎年怒りに燃えていたのだが今年は出してもらった薬がよく合っているのか症状がほとんどない。

もしかしてもう花粉は飛んでいないのかもしれない。遂に百合子知事が長年の（私の）悲願である『花粉ゼロ』公約を成し遂げたものかもしれない。
とまで思っているけど、そんなヤフーニュースは見かけていないので医療の進化の賜物であると思う。

とにかく、おかげで私はまだ幼い子どもたちを連れて、例年より多く公園や近所をうろうろ歩き回って気持ちの良い季節を屋外で楽しむことが出来ている。

私の住む大阪は、今が桜の盛りでアパートの敷地内にたくさん植えられた桜の下では週末、レジャーシートを敷いた家族が何組もお花見を楽しんでいた。

私と子どもたちはそんな盛もり上がりの去った平日の今日舞う桜を存分に楽しんだ。

花曇りの花吹雪。

上から横から吹きやってくる花びら。
下に落ちても風でころころさらさら転がる花びら。
風に吹かれ地面のひと箇所に集まった桜を更に集めて子どもたちがお山を作り始めた。

「砂あそびじゃなくて桜あそびやね」
とキャッキャッと走り集めた桜を自らまき散らしまた笑う。
公園に行っていつものようにお砂場遊びをしよう、と出てきたのに結局は桜だけで終わった。

夜には雨予報が出ているので桜は散り、地面のふかふかの花もなくなるだろう。

今だけ、
今日だけ、
なんて贅沢な遊び。

こんな贅沢な日はここぞというときに、と冷凍庫に眠らせている鰻を解凍して肴にすればよかった、と大人の私は夜、桜のお酒を楽しんでいる。

春は楽しい。