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ネットリンチと表現の自由の間で

2020年5月23日、恋愛リアリティ番組「テラスハウス」に出演していたタレントの木村花さんが、ネット上での誹謗中傷に耐え切れずに自ら命を絶ったという悲しいニュースが報じられた。彼女は、番組内での言動や服装などに対して、SNSや動画サイトなどで非難や嘲笑を浴びせられていた。彼女の死は、ネットリンチの問題を改めて浮き彫りにした。

しかし、三年が経った今でも、ネットリンチはなくなっていない。むしろ、新たな形で続いていると言えるだろう。2023年5月23日、木村花さんの命日にあたる日に、彼女の母親である木村響子さんのSNSで、アニメ「推しの子」の第6話が木村花さんの自死を連想させるため、このアニメを見ることが辛いと感じた花のファンの方は見ないでほしいと発言した。このアニメは、恋愛リアリティ番組に出演した女性が、ネット上でのバッシングによって心を病んでしまうというストーリーだ。

これに対して、アニメファンや表現者からは反発が起きた。彼らは、このアニメは木村花さんの自死とは関係なく、自死の前からプロットされていたものだと主張した。また、このアニメはネットリンチの問題を提起するものであり、表現の自由を尊重すべきだと訴えた。一見正当性を持っているように見えるが、結局それを木村花さんの命日に遺族のSNSにまで行う必要があるのだろうか。彼らがやってることが結局ネットリンチに繋がってるということが何故わからないだろうか。

私は、表現の自由は大切だと思う。しかし、それは他者への配慮や敬意を欠くことではない。表現者は自分の作品に責任を持ち、受け手もそれに対して建設的な批評や感想を述べるべきだ。遺族やファンに対して無神経に言葉を投げかけることは、表現ではなく暴力だ。木村花さんのことを思いやる気持ちがないのだろうか。

私は、彼女のことを忘れないでほしいと思う。彼女は夢や願いを持って生きていた人だった。
今日の木村花メモリアルマッチPINXが行われたことでもっと優しい世界になって欲しいと改めて願う🌸

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