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コロナの中、音楽家たちと対談してみた 〜パート1〜


左上から時計回りで和田、筒井、﨑谷、西浦(敬称略)

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この対談の参加者

﨑谷 直人  #神奈川フィル #コンマス #プロオケ #ヴァイオリニスト #音楽家 #LEOパートナー  
和田 一樹  #指揮者 #音楽家 #LEOパートナー
西浦 詩織  #コンマス #ヴァイオリニスト #フリーランス #音楽家 #LEOパートナー
(聞き手:筒井 #アマオケ #LEO

ごあいさつ

和田:LEOチャンネルをご覧の皆様こんにちは、LEOの和田一樹です。本日はスペシャルゲストに来ていただいています。まずは神奈川フィルハーモニー管弦楽団 ソロ・コンサートマスター 﨑谷直人さんです!
﨑谷:こんにちは、よろしくどうぞ
和田:ありがとうございます。そしてLEOでもおなじみ、コンマスを務めて下さってます、ヴァイオリニスト西浦詩織さんです
西浦:こんにちは、よろしくおねがいします

LEOチャンネルについて

和田:さあ、いろいろ聞きたいことたくさんありますが、まずはLEOがそもそもチャンネルを立ち上げたことについて、筒井さんの方からお話いただいてよろしいでしょうか?
筒井:はい、まずLEOの状況が今どうなっているかというのを簡単にお伝えすると、4月29日に予定していたコンサートがコロナでできなくなってしまいました。なので去年(2019年)の11月以来、半年くらいコンサートができていないです。次の演奏会の予定も10月に軽井沢で演る予定で、それはぜひ開催したいなと思っているんですけど、それでも1年くらい演奏会ができない期間ができてしまう。ただ、LEOにもありがたいことに、演奏会を楽しみに来ていただいている方もいらっしゃって、なのでこの期間で過去の演奏を聴いていただくことで、そういった楽しみにしていただいている方に楽しんでいただけるかなと思って、YouTubeチャンネルをGWくらいに立ち上げました。これは和田さん西浦さん﨑谷さんにもご協力いただきまして、けっこう盛り上がりました。ちょうど昨日、緊急事態宣言が明けて、少しずつ日常に向かっているとは思うんですが、ただ本格的な活動まで時間あるし、YouTubeもせっかく立ち上げたので、オンラインの活動も続けられたらと思っているので、もう一回声を掛けさせていただいて、今こうして収録している、という状況です

最近なにしてる?

筒井:たぶんここにいるメンバーはお互いのことよく知っている間柄ですが、そんなに最近お会いしてないんですよね。なので、最近なにしているの的な会話から行きたいと思います。いかがですか?
和田:やはり、なんといってもこういう状況ですから、プロフェッショナルオーケストラでコンマスをされている﨑谷さんのお話を当然聞きたいんですけど、そんな崎谷さんが、数日前にべた褒めしているツイートを拝見いたしまして
﨑谷:そうでしたっけ(笑)
和田:あのー…西浦さんという方のチャンネルについて熱く語られていたのをちょっと拝見したんですけども…
﨑谷:まぁ、状況が状況なんでね。たまにはコメントしようと
一同:(笑)
﨑谷:いや、今ね、プロオケの皆さんが、「お願いしますお願いします」「大変な状況です」と、皆さんもよく見かけるでしょう。ツイッターやSNSで。もちろん大変なんだけど、たださまざまな業種で大変なとこってたくさんあって。医療関係だったり、街の飲食店だったり。そういう中で、「お願いします」というだけじゃなく、自分発信で、ああやって動画編集したり演奏したりして、人に楽しんでもらうっていう西浦の活動を見て、本当によく頑張っているなと。良い弟子育てたなと、思っております
西浦:わーありがとうございます。私のチャンネルの話か。ありがとうございます!

西浦さんのYouTube動画 配信について

﨑谷:あれは、最初から自分でつくろうって決めてたの?
西浦:はい、今ライブ配信アプリをやっていて、それで応援してくださった方へのプレゼントとして最初は作ったんですけど、元から大好きな曲だったし、もっとみんなに見てもらいたいなと思ったので、プレゼントした人に許可を取ってから、YouTubeに公開したっていう感じです
﨑谷:あれは、自分で全部楽譜から起こしたり…自分で考えたの?
西浦:そうです。でも曲は、元から知っていたので。あと、ピアノを1人で弾ける譜面があったので、それを見て、いろんな楽器に割り振ってみて作ってみました、面白おかしく(笑)
﨑谷:いやー、すごいよね
和田:ちょっとね、面白おかしくを通り過ぎて、音楽性の高さに逆にびっくりしちゃった﨑谷:そうなんだよ!
西浦:えー、うれしー!
﨑谷:ここで一生分を褒めるからな。もうこれ以上は褒めないから(笑)
西浦:ありがとうございます。あ、じゃあもう永久保存させていただきます、嬉しい!

昨今の音楽家を取り巻く状況について

﨑谷:いま、フリーランスの芸術家とか色々言われているじゃない。前回の僕のでYouTube(注:https://youtu.be/s5D6dBIvUuk)のトークでも話させてもらったけど。こうやって自分で努力してるフリーの演奏家を知ってもらって、西浦に1人でもファンができて、演奏会が再開したときに、その人たちがまた西浦を観にLEO来てくれるとか、そういうことのつながりが文化じゃない。
これは僕から下の世代には本当に伝えたいんだけど、お金は出てこないから、そんな簡単に。これから先、第二次大戦以来の大不況かって言われているわけじゃない。筒井くんとかはさ、他の音楽とぜんぜん違う仕事をしながらアマチュアの活動で音楽楽しくやっているわけじゃない。そういう一つひとつの小さな活動が文化になっていかないと、上の方の層の人だけで私達は文化をしてますといっても、下の層には伝わらないです。だから僕は西浦のことも応援するし、筒井くんやLEOのことも応援したいんだよね。それはプロとして。じゃないと文化だ芸術だなんていうのは、進んでますから勝手に、ヨーロッパで。僕は過去にそのシーンをまざまざと見せつけられたから。そういうでっかいステージにももちろん乗ったしミュンヘンコンクールとか世界一のコンクールにも、カルテットで3位とかとったけどね、でもそれだけで文化ですって、言えないよね。だから西浦のああいう自分でパッケージングして。あれがこれから先さ、いい意味でちゃんとそれがお金になっていく方法を僕らも考えなきゃいけないなと思ってる。いまはこういう状況だからね、神奈川フィルも、過去の演奏会をたくさんアップしたりとか、僕がちょっとただで演奏して、SNS流したりとかっていうので、それはある意味活動を知ってもらうための作業じゃない。でもそれを見て、この人にお金、それが何千円とか何万円とか知らないけど、その人単位に西浦さん見たいな、﨑谷くん見たいな、LEOのみんな見たいな、和田さんの指揮生で見てみたいな、という層を広げていくっていう、そういう作業が大事よこれからは。ねえ西浦、違う?
西浦:…あ、そう思います。
﨑谷:ホントか?(笑)
西浦:私も、ライブ配信はじめて、そこで出会った人って本当に結構たくさんいて、そこを普通にそのライブ配信を始めなければ出会えなかった人とか、今の状況じゃないと出会えなかった人たちが、そのまま音楽やクラシックの世界に興味を持ってくれて、その人達に私の尊敬する方々のことを知ってもらえるように、ちょっとでもできていけばいいなって思って。
崎谷:要するに、お互い様っていう話でいいですか?(笑)
和田:ははは!(笑)
西浦:確かに!(笑)

プロとアマチュアの関係について

﨑谷:筒井くん、どうですか?アマチュアで別の仕事で活躍してる人たちなわけじゃん。筒井くんにしてもLEOのみんなにしても。そういうみんなからして、ある意味俺は音楽の世界ではそれなりの立場あるけど、別にだからってみんなより偉いなんて思ってないし、まぁ演奏するときはある一定自分のほうがプロなわけだから、先生というスタンスになるけど、逆に、アマチュアのみんなから見てぼくらのことはどうやって映ってるのかな?例えば筒井くんだったら、LEO以外でもアンサンブルやっててそのレッスンも見たりしてるじゃない。僕はそれすごく大切な活動で。自分の中で。だから、例えばなんで俺に声をかけてくれるのかな、とか、なんで和田さん、西浦がいいのかなっていうのとか、そんなことを聞きたいかな。
筒井:僕の個人の意見としては、僕は普通に仕事してて、仕事の上ではプロフェッショナルです、と。でも僕にも上司がいて、僕よりも優れたパフォーマンスをする人がいたときに、純粋にその人の真似をしたりとか、その人の言ってることの真意を掴んで自分も成長したいっていう風に思うんですけど、それに結構近いものだと思ってます。僕はアマチュアだけど演奏もする立場なので、もちろん修行は全然足りないし、そんなに上手にはできないのだけど、その延長線上には、ものすごくパフォーマンスとして素晴らしい演奏家がいて、やっぱそういう方たちの生の声とか、生の技術っていうのを見て、取り入れたいなっていう風に思う、結構シンプルに考えていますね。
その中でなんで﨑谷さん、西浦さん、和田さん…というと、直接触れ合っていく中で、すごくこの人の音楽に向かっていく生き様、音楽への向き合い方で、真似したいなとか、実際に演奏している以外にも指導の中で「あ、こういう風に考えながらやってんだ」っていうアイディアとかにすごく影響を受けたいなって思って、お声がけしていますね、僕の中では。だから普通のその聴いてる側、演奏している側みたいな関係性から、ちょっと踏み込んだ見え方がしてますね。
﨑谷:なるほどね。みんなは各自の仕事のプロフェッショナルであってさ、僕らは音楽のプロフェッショナルであっていう中で、共通項に音楽をしたいとか、ステージで何かをしたいっていうのがある中で、やっぱリスペクトの仕合いがないと成り立たないよね。このアマチュアのみんなと、どういう立場であれ指揮者であれコンマスであれフリーランスの奏者であれっていう、みんながリスペクトしあいながら文化を大きくしていかないといけないと思っているんだよね。(国が)何百億を文化芸術に(助成する)って、ありがたい話ではありますよ。だけど文化って別にプロだけのものとは思ってないし、これは和田さんともすごく毎日のように話すよね。この話は。

パート2はこちら
https://note.com/leorch_tokyo/n/n6ca2bd5fe3ba

収録日:2020年5月27日



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