革のバッグには
買ったときから傷がある

たずねると
天然のものなので無傷と
いうのはむずかしいらしい

なんだか似ている

天然を生きているのは
わたしも同じ

どうしようもない傷をおって
歩いてきた

許す許さない
忘れる忘れられない
薄くなり濃くなり

時計の針はすすむのに