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【務川慧悟さんのラヴェルピアノ曲全集を発売まで見守るシリーズ】 <第1弾>高原にて録音編前編DAY4~DAY6

DAY4(2022年8月25日)

🎹早速Nova Recordさんの動画

地味にスタッフさんに一礼して舞台に出て行く務川さんのお姿からスタート。
「4日目ですが、いかがお過ごしですか」
本日は爽やかな白のTシャツ姿。日程的にも一番大変な時かもしれませんね。
「レコーディング3日というのは慣れているが、4日目というのはわからないので」と言ってしばし間があったのち、「これまで通りやるだけ」と笑顔。応援してますよ!

高雅で感傷的なワルツ」第3曲を演奏しながら、「オシャレだと思わないですか?」と嬉しそうな務川さん。「非常にフランス的な曲です」。
冒頭「すごくない? この和音。これで始まる」

冒頭の和声「凄くない?」


今日はこの曲をメインに録るそうです。シューベルトの「高雅なワルツ」と「感傷的なワルツ」のオマージュであり、
ラヴェルの中で最もフランス的なエスプリの効いた作品」で「日本人、僕にとっては最も理解が難しい」とも。
「(ブラレイ)先生の十八番で、先生が上手すぎていつも凹んでいました」
第6曲を肩を入れながら弾く務川さん。「面白いね」と小節最初の2音を弾いたり、と階段を昇るような半音階進行を楽しんでいます。

半音階進行

ヘッドフォンを着けた務川さんは、音の確認をしながら右手で和音のポジションを取り、赤ペンでチェック。
曲目リストのアップが示され、この時点ではどうやら15曲終わっている模様。
「休憩して、これを終わらせてしまおうか(古風なメヌエット)。終わらせてしまい6時過ぎを目指す」と気合充分ですね!
昼食は漫画『ワンピース2巻』を広げながらの味噌豚丼
「ホテルで1巻を読んで、持ってきてしまいました。バギー出てるから」←笑。
ラスト、ちらっとですが靴を脱ぎ、靴下だけで舞台上を歩く務川さんの後ろ姿が。そしておもむろに座り、「高雅〜」の冒頭を一心に弾く。4日目。疲れも溜まってきているのでしょうね。

(まとめ)
♦︎この日は「高雅で感傷的なワルツ」「古風なメヌエット」を録音。

🎹務川さんのツィッター 

高雅で感傷的なワルツ」でスタート。
「今日はまだ6時過ぎで早めに終わりました。明日最大の難関の夜のガスパールを残しているから休もうかなと」。
「『高雅〜』は苦手意識があったが、レコーディングディレクターに褒めていただいた。録りながら新しい感覚がようやくつかめてくるという稀有な経験をしました。」というお話の後、またまたファンに向けてバイバイしてくれました。

🎹務川さんのインスタの一曲
高雅で感傷的なワルツ


☆今日の一品! 地元名物の味噌豚丼☆

(これもフォロワー様のおかげで2店舗で迷っているところを断定できました笑)


DAY5(2022年8月26日)

🎹Nova Recordさんの動画
まずは音楽寺に参詣。レコーディングの成功祈願でしょうか。タイトなスケジュールの合間にも、こういう気晴らし的映像が挟まると、見ている方もホッとしますね。

さて参詣を終え、画面は再びホールに。
「最大の難関」と務川さん自身が仰る「夜のガスパール」の録音です。
「(ガスパールは)技術的にピアノの極限のところまでしている。そしてフランス文学との結びつき。さらにラヴェルは、この曲によってピアノにおける20世紀初頭の印象派技法を最も複雑なところまで高めた。文学、ヴィルトゥオジティ、ピアノにおける印象派技法、そうしたもの全要素が多面的に合わさっているという意味で(夜のガスパールは)難しい。20世紀前半のピアノ音楽の最高傑作の1つ」であるから「全部音が弾ければ万歳というわけでもない」そうです。でも「然るべき姿で弾けた時に得る印象というのは、この音楽でしか得られないものがある」……ので簡潔にいうと「頑張ります」。頑張ってくださいね。
と言いつつも、やっぱり音楽を楽しむのが務川流。
「スカルボのここ『ジャズ』。ちょっとジャジー」と嬉しそう。

「ちょっとジャジー」
「ここにテーマが隠れている」

演奏チェックでは、聴きながら<スカルボ>最初のトレモロから2小節休止のカウントを取る務川さん。

やっぱり「ガスパール」は気合が違う?
この日のために取っておいたらしいユンケル黄帝ロイヤルプレミアムを嬉しそうに見せてくれます。ジャーン!「ユンケル実は好きなんですよ」とガサガサと箱から取り出し、そして正しい飲み方で一気に飲む! 「気合入った」

(まとめ)
♦︎この日の録音は「夜のガスパール

🎹務川さんのツィッター 

「夜のガスパール」より<オンディーヌ><スカルボ>。
「今日は「夜のガスパール」という大作を録りました。大変でした」
「録音する時も演奏会の感覚で録りたいと思っているが、録音は後々残って行くものなので、もっと確信を持って弾かなくてはならないという意味で、非常に勉強になりました」
いよいよ残すはあと1日、「曲目リストも減ってきました。寂しいですね」と言いつつも、「無事に終わりそうです。よかった」と少し安堵の表情が見られますね〜。

🎹務川さんのインスタの一曲
「夜のガスパール」より<オンディーヌ>


☆今日の一品! 音楽寺☆
秩父23番 音楽寺」小坊主さんの看板と写真を撮り、お詣りし、鐘を一突き。


DAY6(2022年8月27日)


🎹早速Nova Recordさんの動画

「ソナチネ」を弾く務川さん。
「ここピアニッシシモ、これをこのホールで聴くと綺麗。たった2音しかない」
うっとりと音の美しさに浸ります。

ピアニッシシモ


今日もまたユンケルを嬉しそうに見せる務川さん。「昨日ユンケルがあまりに効いたので買ってしまった」と言う手には「ユンケルローヤルV2」。昨日同様、正しい飲み方で一気に飲み干す! 「いいねえ。気合いが入りました」
「あと4曲」と残りの曲目を確認し「といっても3曲は1分ちょっとの小品なのでほぼ終わっています。」そして空ビンを掲げ「じゃあやりましょう」と気合十分。
『このまま練習して、休憩して録って、3時とかに終わるんじゃない?」
ゴールが見え「悲しいですね」と名残惜しそうです。
しばしのご休憩〜。務川さんは戸外の公園を散策しています。
おおっ木の根元には高原の湿気で育った巨大なキノコらが! 「これなんか種類とか分かりそうじゃない? キノコ博士が見ているかもしれないし」とか、かわい…(自己規制)。「アリでかい」と嬉しそうです。
さて、そのままインタビューじゃないですが、今回の録音の感想を語る務川さん。
「勉強になりますね。リサイタルだとあれもやらなきゃこれもやらなきゃという状況になってしまうが、(録音では)1日に1曲とかしか集中できない。ラヴェルの全体像を曲ごとに見ていくというのは、まず自分にとって勉強になったという感想ですかね」。
さて録音再開です。「ハイドンの名によるメヌエット」についての説明をしてくださっています。「1909年、ハイドンの没後100年に合わせ、ハイドンの名を音名にしたシラレレソを使った曲を、多くの作曲家が依頼されました」
その企画に乗った形でラヴェルが作曲したのがこの曲です。「ちなみにドビュッシーも同じテーマで曲を作っています」と言って素早くシラレレソを鳴らす。しかしすぐに「でもまさか、こんな和声が」とラヴェルの和声を演奏し、その美しさを改めて噛み締めているご様子。
さて、録音は全て終わったようです。
ラスト、曲名リストの「ハイドン〜」を赤ペンで消す務川さん。
「全部赤線になりました。終わったということですね。我ながらすごいですね」
おーパチパチ。おめでとうございます。
終わりました。全部録り終わりました、あの、気が抜けました」
しかし作業はまだ終わっていないそうで「一回休みます。まだ午後3時なんですけど、まだ色々(やることは)あるんです。ディレクターの方が昨日までの曲全部編集が終わっているということなので、聴いてみて、ひょっとしたらもし気になった箇所があればもう一回録るかもしれません」
その後スタッフに「ありがとうございました」とお礼を言い、拍手を受ける務川さん、お疲れ様でした。拍手〜

(まとめ)
♦︎本日の録音は「ソナチネ」「ボロディン風に」「シャブリエ風に」「ハイドンの名によるメヌエット」。
♦︎ラストのお話。
「これからCDの曲目解説とか全部自分で、そこそこしっかりした内容のものを書きます。まだやるべきことはあるんですけど、とりあえずは非常に満足しています。発売は12月ごろを予定していますが、また色々とご報告して行きます。とりあえず、あーよかったー。皆様応援等、ありがとうございました。じゃあまた引き続きよろしくお願いします。では」バイバイ


🎹務川さんのツィッター 

全曲録り終え、満面の笑みの務川さん。
「嬉しいですね。曲目リスト、全部赤線、終わったしるし付きました」とリストを掲げてくれました。

それは、きっと疲れた人の心をいつでもそっと癒やしてくれる、そんな優しさに満ちた音楽ですが、その優しさは、ラヴェル自身の心の優しさから来ているに他ならないのではないかと、僕には思えてなりません。
務川さんツィート2022/08/27

スタッフさんとファンへの感謝の心を伝えながら、ラストに奏でる「ハイドンの名によるメヌエット」。ラヴェルの優しさと共に務川さんの優しさが心に染み渡っていきます。
本当にお疲れ様でした。やはり、ますます推したい方ですね。

🎹務川さんのインスタの一曲

「ハイドンの名によるメヌエット」
演奏プラス思い出写真。なんか泣けますね〜


☆今日の一品! ユンケル☆


DAY5の「ユンケル黄帝ロイヤルプレミアム」とDAY6の「ユンケルローヤルV2
一気に飲むのが正しい飲み方です(笑)。

            ーーーーーーーー✈︎

ということで6日間というタイトなスケジュールで録音、編集という大仕事を終えた務川さん。ファンも録音の日々を一緒に楽しめた、なんとも濃厚な体験でした。

CD発売までの残された過程をさらに堪能してくださいね。
とにかくお疲れ様でした&ありがとうございます!

DAY1~DAY3のまとめ記事はこちら


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