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ふしぎなひと

ある人が、あなたは弱いねとわたしに言った。

たしかにそうだな。

その人はいつも、わたしのことをよくわかっていて、ほんとうのことを言う。

そういう人としばらくいたら、

すこし、けっこうつかれてしまった。

またべつのひとは、沈黙するひとだった。

わたしはいつも話しかけたいけれど、言葉はからだの内側に沈んでいく。


話しかけるかわりに、お互いの存在が二つにならんでいた。

おたくのこと、よくわかんない。

けど、同じ空間に、同じ時間のなかに、確実にいる。

そのひとといると、わかることや、わからせることがすこしどうでもよくなってしまう。

時々ちらっと目配せしたり、おなじ空気を吸っている。

離れたあと、やわらかな空気に包まれている感じ。

敵対していた世界が、やさしくなる感じ。


…なんか贈りものみたいなひとがいるものだな。



✴︎

f  o  l  o  n

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