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1本のガラスペンと、選りすぐりのインクだけ

いっとき、万年筆に夢中になっていました。

ある万年筆の限定カラーの販売日には
となりの大阪まで朝一で飛んでいき、
(むかし京都に住んでいたときのお話です)

万年筆の地域限定インクを購入する目的で
東京、岡山などへ一人旅に出掛けていました。

( 2017年に撮っていた センチュリー#3776 )


その後はミニマリスト夫との結婚を機に
さまざまなものを断捨離し、
万年筆もライフスタイルに合わなくなったため
ほとんど手放してしまいました。


そんな今でも、私にとって
万年筆やインクの魅力はとくべつなもので、
モノはあまり増やしたくないけど
やっぱり文房具も楽しみたいと考えた結果
たどり着いたのはガラスペンという選択でした。

今回は私の持っている1本のガラスペンと、
それを使っていろいろと書いてみた様子を
まとめてみたいと思います。
(お気に入りのインクも載せています𓂃✍︎)


ガラスペンを選んだ理由

万年筆は、使わないでいると乾いてしまったり
違う色のインクを使いたいときは洗浄をしたりと
維持していくためにはお手入れが必要でした。
(それが楽しみの1つでもありますが)


それに対しガラスペンは、
さっと洗えばすぐに違うインクを使うことができ
むずかしいお手入れもそれほど必要なく
手軽に楽しめるのがメリットだと思っています。

そんなわけで、なにか機会があれば
とっておきのガラスペンを持ちたいなあ と
ぼんやり考えていた折に
お気に入りの一本に出会うことができました。

(ちなみにガラスペンは日本が発祥だと
この記事を書く過程で知りました)


私が持っている唯一のガラスペン

私がその一本と出会ったのは
2022年に京都文化博物館で開催されていた
京都手書道具市」がきっかけです。

( 当時、手書道具市のノベルティでいただいたもの )


出展者情報をチェックしたときに
「これは絶対に本物を見たい!」と思ったのが
PAPYRUS文具店さんのガラスペンでした。

こちらはハンドメイドの紙製品や筆記具などを
作られている山梨にある文房具やさんです。


そして、私がお迎えしたのはこの1本。


パピルスさんのガラスペンの特徴は真鍮軸です。

真鍮って良いですよね…!
高級感がありつつも、気取りすぎず軽やかで。

ペン先部分はヴィンテージのものだそうです。

ペン先はかなり細めです。

万年筆も細い書きごこちのものが好きで
EFニブ(極細字)ばかり選んで買っていたので、
ガラスペンでこの細さはうれしいです。


パピルスさんのガラスペンは何種類かありますが
私はペン軸が短めのものを選びました。

コンパクトでかわいいです 𖡼܀

残念ながら現在オンラインショップには
お取り扱いがないようです。


インクをつけて、書く

インクもかなり断捨離してしまったので、
いま手元にあるのはこれだけでした。

少数精鋭たち。

かなり久しぶりに出したので
ああこれを残したんだったっけ、
あれは手放しちゃったのか、と新鮮でした。

残ったのは偶然、日本製のインクばかりでした。
(海外のものだとエルバンやペリカン、
ダイアミンのインクなども持っていました。)

万年筆のインクって鮮やかな物が多いのですが
私はなぜかくすみのある落ち着いた色ばかりに
心惹かれていたなあとおもいます。

1つめは神戸のブルーボトルコーヒー
イベントでカキモリインクスタンドがきたときに
いまの夫と作ったオリジナルインクです。

このインクはなぜかガラスペンにあまりのらず
うまく書けませんでした; (顔料インクだから…?)

できるだけ彩度の低いブルーグレーを作りたいな
と調合してもらった覚えがあります。
いま見返すと、けっこう緑が強く出ています。

買った当初にローラーボールにいれたときは
こんな色味でした。

5年前に撮影(ちょっと加工されてるかも)

使う筆記具でも色の印象がかわる気がします。
思い出のインクなので合う筆記具があれば
活用していきたいです…!

ちなみに夫は植物のような緑を作っていました。

インクを変えるので一旦洗います。


2つめは同じくカキモリのPink Lemonade

さいきん文房具沼から離れていたので
知りませんでしたが、
このシリーズはもう販売していないのですね…!

何色か持っていましたが
名前とコンセプトが素敵で大好きでした。

人工着色料っぽくておいしそう。


ピンクレモネードは名前のとおり
おいしそうな可愛らしいピンクです。

関西住みでしたが、よく東京まで出向いて
カキモリのお店を訪れていました。



3つめは京都発のTAG STATIONERYより、
京の音シリーズ 秘色(ひそく)

ペン先をつけて、
インクを吸い上げる

もう、秘色っていう名前と
ラベルのデザインが反則レベルで良いです。
(このあたりからテンション上がってきます笑)

このインクは発売日当日に
職場でなんどもオンラインショップを見て
リアルタイムで在庫を確認し、
仕事帰りにTAG本店に行ったところ売り切れ、
その足で近くの文具店まではしごして購入…と
なかなかがんばって手に入れたものです。
(いまはオンラインショップにも在庫があります)

京の音シリーズは日本の伝統色がテーマで、
秘色というのは青磁器の色である
青みがかった緑のことだそうです。

私のインクのなかでは鮮やかめで綺麗です。


4つめはPILOT 色彩雫(いろしずく)の霧雨

霧雨は何色かといわれるとグレーなのですが、
同じ色彩雫の冬将軍が青みグレーだとしたら
霧雨は赤みのあるブラウングレーだと思います。
ひとことで言い表せないニュアンスのある色。

個人的にすごく刺さる色です…


書くまでは、グレーって薄いかなと思いましたが
可視性も十分あるのではないかと感じます。

色彩雫はサラサラしたインクだと思いますが
ガラスペンにのりやすく書きごこちが良いです。




最後は、同じく色彩雫シリーズの山栗です。

温かみのあるブラウンブラックです。
正直、万年筆ならではの鮮やかさとか
濃淡の面白さとかはそこまでないのですが ←

でも日本語、とくに漢字を書くとき
黒よりはちょっと変化をつけたいというときに
このブラウンで書くと味が出る気がします。

私が万年筆のインクではじめて買ったもので、
どれか1つを選ばないといけないと言われたら
きっとこれを残すであろう相棒的インクです。

久しぶりに使ったのですが、
自分の好みすぎて「え、良すぎない??」と
ひそかに脳内パニックでした。

写真では伝えられなかったのですが、
書いた直後は赤みがけっこう強く
乾くにつれて黄色みのブラウンに変わります。
そんな変化もインクの魅力ですよね。



以上、ガラスペンと手持ちのインクで
いろいろと書いてみました。

使い終わったらきれいに洗います。


おわりに

数年ぶりにガラスペンを使いましたが、
こまめに手入れできていなくても
問題なく使うことができました。

なかなか普段手書きの時間がとれないかたには
ガラスペンという選択肢はおすすめです ◌

なお、細字のペンは濃淡が表現しづらいので
インクの濃淡をはっきり楽しみたい場合は
太めのペン先のものがいいのかなと思います。
ぜひお気に入りの1本を見つけてください*

今日書いたものたち。


いまの私にはたくさんのモノは必要ないけど、
少ないモノでもこれだけ楽しむことができると
良い気付きがありました。

読んでいただきありがとうございました 𖡼܀


ボールペンなどその他の文房具については
こちらにも少し書いています⇣

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