エイプリルフールの詩
消えないように足跡残した
パン屑の代わりにと大地を踏みしめ
出来損ないの僕らが残せる物は
ごく限られてる
問答無用で連続する日々から
逃げおおせるなんて思っちゃいない
それでも有限と云(い)うなら
その分わずかくらい欲張らせてほしい
春風が咲(わら)う
見返りなどいらない
朽ちた矛と盾を携え
なんだっていいどうだっていいを
嘘っぱちと綯(な)い交ぜにして
この小さな器に盛りつけよう
四月の実りなきフィクション
よしんば幻だろうと
嘘を喰らわば皿まで
頂きます
あぁ美味しかったって咲ってやろう
昨日のニヒリズムごと平らげてしまえ
四月の狂おしきフィクション
たられば譚(ばなし)だろうと
嘘を喰らわば皿まで
ご馳走さま
生まれてきてよかったって咲ってやろう
これまでの後悔全部を平らげてしまえ
最後に咲うのは僕ら虚構の脇役
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