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【銭湯めぐり27 十條湯@十条】喫茶付きのユートピア銭湯

【銭湯めぐり27 十條湯@十条】

ユートピアにてディストピアを考える日となった。十条は池袋と赤羽の間に位置し、メジャーな場所ではない。しかし、十条銀座商店街は、東京の三大銀座(あと2つは戸越銀座、砂町銀座)と言われていて、先週の戸越に匹敵するということで期待して訪問。

行ってみると、酷暑にアーケードが如何に有効か思い知る。昭和52年に竣工したアーケードは、おそらくその後も改修されているが、雨の日だけじゃなく、今日のような日には見事に効果を発揮し、店舗からの冷気が歩道に保たれ、アーケードなしの部分に比べて格段に涼しい。また、週末料理当番の身には、格安の八百屋や魚屋、肉屋、惣菜屋がひしめき合っている感じが最高。農水大臣賞も受賞してました。最近の有名商店街にありがちな新店舗もあるものの、昔ながらの洋品店や荒物店、乾物店とか、昭和と令和の融合っぷりが、今まで東京で見た商店街の中で最高レベルでありました。

アーケードがこれほど有難いと思うことも少ない


今日は珍しく最初に銭湯へ。#十條湯 はサウナのみならず人気の #喫茶深海 併設で、とても上手に入浴料520円にプラスしてマネタイズする方法を駆使している感じでした。お湯はぬる湯に背中・ふくらはぎ・足裏にちょうど当たるジェットが付いており、あつ湯も44度ほどとなかなかいい感じの湯加減でありました。浴槽奥の壁には、喫茶深海のメニュー紹介と喫茶店文化の振興のためのエッセーが貼られており、私のような客が湯上がり客ホイホイに容易に引っかかる仕掛けが施してあった。気分良い湯上がりに、ちょっと大人のコーヒー牛乳(コーヒーで作った氷に瓶牛乳を注ぎ入れるもの)をゆっくり頂く。

ちょっと大人のコーヒー牛乳


入浴後は目当ての鰻屋、#和孝 へ。「日本酒をうまく飲ませる店」にも認定されており、瓶ビールと長陽福娘・光栄菊をいただく。肝焼きも、ちょっぴり辛めの味噌を付けたきゅうりも、お酒によく合う。鰻重は普通のサイズ&ご飯少なめで。それでも十分満足。

〆の鰻重



途中喫茶店での休憩を挟み、SNSでチェックしていた #サケラボトーキョー へ。かなりの数の日本酒を飲み放題にしてて、店員の知識も豊富。自分はすでにそれなりに飲んでからの参戦だったので、軽めに4種類。赤武、裏雅山流、無想、あたごのまつ。店員も客もとても若い(サウナーと似たタイプか)が、オッサンでも必ず再訪したい。

こんな感じで出してくれる



旅のお供は、島田裕巳さんの「AIを信じるか、神(アッラー)を信じるか」。軽いタイトルで重いテーマ。十条は意外にも素晴らしいユートピアであったが、この本が問いかけるディストピアは、かなり切実なリアリティに見える。「自由からの逃走」と「1984」を、いよいよ真剣に見つめ直さなければいけない時代が来たということか。

※2023年7月の訪問です。

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