②高野山・金堂での出来事
デジタルミュージアムに向かった理由は、カフェで昼食を頂くためでした。
途中、宿坊協会中央案内所で拝観料が割引になる「講堂内共通券」を手に入れようとしましたが、あいにく閉館中。
中の橋まで行くか・・・と思っていた矢先、このデジタルミュージアムの真横に「高野町観光協会」があるのを発見しました。
きっと共通券もあるだろうと尋ねると、難なく入手できました。
よく見ると、共通券には「授戒」体験もセットになっており、それはデジタルミュージアム目の前の大師協会で行われるとのことでした。
でも、正座できないしなぁ・・・
金剛峯寺や大師協会は、宿坊から歩く範囲ですので、すぐにまた行く機会があるだろうけれど、壇上伽藍はレンタカーを借りるガソリンスタンドからの方が近いから、まずはこちらから回りましょう、と考えました。
そして、レンタカーを借りて中門前に停め、早速壇上伽藍へと向かいます。
とっても大きな中門を通ると、目に入ってくるのは金堂です。
ここで、早速お経が聞こえてきました。地方から来た団体の方々が奏上している様子でした。
とてもいい声で、素敵だなぁ、お経っていいなぁ・・・聞けて良かった、と思いつつ、御社へと向かいます。
ここは、弘法大師さまが勧請された高野山を守る神様がいらっしゃるとのことで、ご挨拶しました。
ああ~、ここにはいらっしゃるなぁ、それはそれは霊験あらたかな神様が、と分からないなりにも思いました。
お寺なのに、神社があるなんて、とても素敵です。しかも、風景に馴染んで全く違和感がないところがさらに素敵だなぁと思いました。
再び、金堂前を通ると、私と同年代かそれより上の夫婦が、身体の不自由な年配の方を抱き上げて、階段を上がろうとしています。
お堂の階段って、一段一段がものすごく高いですよね。お婆さんに力がなく、おんぶができないようで、抱きかかえるしかないようでした。
あまりに大変そうだったので、見るに見かねて、「大丈夫ですか?」と尋ねても、「大丈夫です、すみません!」と答えるものですから、そうか・・・と、一足先に中へ進みます。
そうして私が一回り見終えた後も、まだ階段途中で息を切らせていました。
上がった所に車いすはありますが、どうしようもありません。
下の受付のお坊さんを呼ぼうかとも思ったけれど、まどろっこしいと思い、「お手伝いします!」と言って、手を貸しました。
お婆さんは、しっかりと私の手を握り、なんとかたどり着きました。ご夫婦は、私は手をつないだだけなのに、ありがとうございました、ありがとうございました!と、汗を拭き拭き私に何度も頭を下げるのでした。
聞けば、長崎から来られたとのこと。お婆さんは、コロナになってから、急に歩けなくなったのだとおっしゃいます。そんなお婆さんを連れて遠路はるばるここまで来るなんて、なんて健気なんだろう。
お婆さんを診ること、ここに連れてくること、すべてが、愛に包まれているなぁと思いました。
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