見出し画像

適応障害 もうアカンときのバロメーター

母は専業主婦で健康診断には行かないが、「眠れないほどの何かしらの症状があれば病院にかかる」というマイルールを持っている。数年前は肩の痛みで夜中に目を覚ましたので病院にかかっていた。あれこれと精密検査を受けた結果五十肩であった。

母親は結婚する前は病院勤めの臨床検査技師であったが、毎年健康診断を受ける会社員と受けない自営業者や専業主婦の病が判明してからの死亡率がそう変わらない(と、母親は感じたらしい)ことから、むやみやたらに健康診断を受け、正解もがわからない結果に一喜一憂するよりも、症状が出てから病院にかかりたい、それで手遅れだとしてもかまわない、と考えるようになったそうだ。

母の「寝られないほどの症状があったら病院にかかる」というマイルールのように、「これがあったらこうする」という一定のバロメーターを決めることは大切だなと思う。それは判断をバロメーターに委ね、自分でいちいち判断しなくて済むということになる。「こういうときはこうする」という一律の判断基準があれば、そのときが来てからあれこれ悩まずに済む。

わたしは仕事で適応障害になってから、「この症状がでてきたら、どんなに忙しかろうとまわりに何を言われようと(実際に何か言ってくる同僚はいないが)、残業をしない。定時退勤死守」というルールを決めている。なまじ体力があるため、このようなルールを決めなければ、仕事があればあるだけ働けてしまうのだ。そしてその代償として適応障害になったりする。
わたしのバロメーターは以下のとおりだ。

歯磨きをしなくなったとき

24時間の中で1回も歯磨きができなかったときは、それを疲労のサインだと考えて残業をしないようにしている。
風呂に入るのはやや大変だし、汗をかかない冬場などは1日くらいスキップすることもまああるだろうと思うが、歯磨きという手軽な行為すらできなくなっているというのはかなり身体が疲れている。

1週間同じ服を着たとき

汗をかかない冬場であれば、1週間同じ服を着られる。が、上から下まで1週間同じ服を着続けるというのはかなり判断力が低下している。判断するだけの体力が残っていないというべきか。

メガネを拭かないことが続いたとき

どんどんメガネが汚れていっているのを知っていながら、そしてバッグにはメガネ拭きがあることも知っておきながら、なぜかその汚れたメガネを拭けない、というとにがある。これも歯磨きと同じで、メガネを拭くという手軽な行為をする元気すら残っていないと考えていい。疲労が溜まると身だしなみに気を使わなくなる、気が回らなくなるのだ。

昼ごはんをスキップしたことに気づかなかったとき

繁忙期で忙しさのあまり昼ごはんが食べられないことがある。それは別によい。
問題は、忙しさのあまり昼ごはんを飛ばしたが、飛ばしたことにすら気づかないまま夕方や夜になっていた、というときだ。
普通に頭がトリップしている。疲労あまり時空を飛んでいる。
時空を飛ぶほどの疲労が体にいいわけがないだろうということでこれもかなりアカンときのバロメーターになる。

適応障害者は健常者より過労死に近い

縁起でもないことを言ったが、事実なのだ。適応障害の人はぜひ聞いてほしい。

過労死という言葉が社会的に知られて久しいが、「そういえばなんで人は過労で死ぬんだろう?自発でもないし、外傷もないのに」と思って、調べたことがある。
過労死の原因は様々だが、ものすごく雑にまとめると、「仕事のストレスによって自律神経が狂い、自律神経が狂ったことによって身体が異常な反応をし、内臓に負荷をかけるから」ということらしい。
たとえば、仕事とストレスで常に交感神経が優位になり、交感神経が優位になり続けているということは血圧、心拍数、血糖値などが上がり続けるということで、脳や内臓に普通ではない負荷をかかる。この負荷に耐えられなかったことによる突然死が、過労死と呼ばれるもののひとつだ。

このことを知ってわたしはかなり他の人より過労死に近いなと思った。というのも、わたしの適応障害や自律神経失調症は、仕事のストレスによって緊張状態に常にある身体が、交感神経優位の状態を続けてしまった結果だからである。

なので今は、交感神経優位が続いていそうな状況になる前に、これが来たらもうアカン休めというバロメーターを自分で設けて、自分の心身を休ませることにしている。どんなに仕事が多くても、お客さんに「遅い!」と怒られても。だってわたしあなたより死に近いんですもん。自己管理は大切でしょ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?