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私は透明人間という話

怪談ではありません

ずいぶん昔の話です。夜の大学病院エレベーターの中のことです。
某外科系教授と医局長の先生が
「患者の数を増やさなきゃ経営がまずいな」「なるべく外来を頻回の通院させるようにすればいいだろう」と相談していました。
部外者の私が一緒なのに、ただのマネキンだと思ったのか、何を話してもわからない人(白衣は着ていましたが)に見えたのか…
奥にいた私を振り返りもせず、出ていきました。

学生時代に友人の彼の車に乗せてもらうことが多かった
大学近くのバス停に待っていると、二人で出かけるところなのか、渋谷(新宿)まで乗せてあげるわと(友人の)彼の車い誘われます。ありがたく乗せてもらって、後ろの座席でおとなしくしていた。
まるで私を乗せたことを忘れたかのように、これからの楽しい予定を話していた。
駅近くになると降ろしてくれるのですが、その間の私はまるで居ないかのよう。

姉の彼の車にもずいぶん乗せてもらいました。
私が後ろの座席乗り込むと姉は「寝なさい」「寝てもいいわよ」と言います。私は寝たふりをします。
激しく口論していることもあり、ますます強く目を閉じる。
私は車中でいないことになっていました。

まだ、携帯とかスマホがない時代。
証拠をつかみにくい。
たとえ私が両親に訴えても、夢を見たのねで片付けられてしまう。

聴いていないと思っても、女子供と思っても話は聞かれていることが多いのです。
透明人間も耳があります。ご用心。


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