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大学教員の出張:旅費における日当

大学教員は学会発表や共同研究などの出張があります。
出張の際に旅費が支給(厳密には自分の研究費から支払い)されるのですが、その中に「日当」なるものがあります。

日当ってなんだ?

教員に支給される旅費の内訳は、交通費、宿泊費、日当です。

交通費は起点となる駅から出張先への交通費です。そのままです。
交通費の算出に関していろいろ思うことがあるのですが、それはまた別の記事で。

宿泊費は、身分と地域ごとに細かく金額が定められており、その表から算出します。
ハイシーズン料金とかの規定がないため、夏の札幌出張だと、長く滞在すればするほど、こちらの懐が寂しくなるシステムです。
こちらもいろいろ思うところがあるので、それはまた別の記事で。

問題の「日当」ですが、うちの大学の旅費の規程を読んでも、日当の定義は見つかりませんでした。

Wikipediaで調べたところ、旅費や宿泊費以外の出費をまかなう意味合いのお金のようです。

仕事のために旅行するとき生活費をカバーするために、1日あたりの従業員に支給する具体的な費用。
旅費日当、出張日当とも呼ばれ、出張中で旅費、宿泊費に含まれていない少額の諸雑費の支払いにあてるものの意味。出張中の出費費用を会社が実費弁償するために支給するもの。

Wikipedia

ちなみに、この日当は食費の意味合いが強いみたいです。
その根拠となる規則などは見つけられませんでしたが、後述しますが、大学事務局の対応を見ると、明らかに食費として取り扱っています。

そして、この日当の金額ですが、大学によりますが、だいたい2,000~3,000円くらいのようです。
ちなみに、教授だと助教より300~500円くらい高かったりします(笑)。

日帰り出張であれば、この金額で十分ランチ代はまかなえるでしょう。

ですが、泊まりがけの出張であれば、最大3食分をこの金額におさめるには、朝はコンビニのおにぎりとドリンク、昼は吉野屋、夜はサイゼリアみたいなかんじになるでしょう。

いや、さすがに、学会の権威みたいな先生方がサイゼリヤで研究について熱くディスカッションしたりはないでしょう…
とうわけで、学会会場近辺の素敵なお店で自腹を切って、先生方は研究について語り合い、親睦を深めるのです。

ランションセミナーで日当が減額される問題

このように手当≒食費なのですが、大学によっては事務局と軽くバトルになる要因の1つでもあります。

中規模以上の学会では、お昼時に「ランチョンセミナー」が開催されます。
これは、企業が学会参加者に自社製品やサービスを宣伝するために、参加者に弁当を配って開くセミナーのことです。
ちなみに、ランチョンセミナーで振る舞われる弁当は企業負担です。

学会会場周辺に飲食店が少なかったりすると、昼食を確保するために、大学教員が企業にはそれほど興味がなくてもとりあえずランションセミナーに参加したり、また、貧乏な学生が食費を浮かせるべく群がります。

そして、大学によりますが、事務局は日当≒食費と考えているため、学会で教員がランチョンセミナーに参加した場合、日当を減額することがあります。

繰り返しますが、ランチョンセミナーの弁当は企業が客寄せのために配っているのです。

学会参加費にランチョンセミナーの弁当代が含まれているのであれば、昼食代が二重取りになるので、日当が減額されてもやむを得ませんが、弁当は企業が我々にプレゼントしているのです。

なので、事務局がランチョンセミナーの参加の有無を確認する大学にお勤めの先生方は、学会に参加するたびにこのストレスに見舞われているようです。

幸い、私は今のところそのような大学に所属していませんので、ランチョン問題は起きていません。

ですが、以前、国際学会に参加したとき、タイムテーブルにランチと記載されていただけで、問答無用に日当を減額されかけた時は少しイラッとしました。
学会参加費にランチ代が含まれない旨を伝えたにもかかわらずだったのにです。


大学教員はだいたい自腹を切って学会出張に行っていると思ってください。




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