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ついついムキになる大学教員

高校で世界史を習って、大学の一般教養で世界史系の授業を受講して以来、ほとんど世界史の勉強をしてきませんでした。

大学教員になってから、いろんな国から来る留学生を相手にする機会も多く、彼らを理解するためにも、彼らのバックグラウンドを深く知る必要性を感じていました。

そんな折、この春、NHKで「3か月でマスターする世界史」という番組が始まりました。

特定の地域にフォーカスするのではなく、世界史のおおまかな流れをつかむコンセプトなので、3ヶ月で全体像を復習したのち、自分で留学生の出身国について勉強しようと考えています。


今週は2回目、ローマ帝国に関する内容でした。
早稲田大学の岡本隆司教授がナビゲーター、同じく早稲田大学の井上文則教授がゲストとして登場し、ヨーロッパからオリエントまで広大な領土を誇った古代ローマについて、アジアとの関わりに着目した歴史を紹介するという内容です。

かなり前に流行った、古代ローマと現代をタイムスリップするローマの浴場設計技師が大真面目に面白おかしく活躍する漫画、テルマエ・ロマエをつい最近購入し、読み終えたところなので、ワクワクしながら視聴を開始しました。

ところが、番組開始直後、お二方の教授が互いの歴史見解の相違を匂わす発言をし、不穏な空気をかもしつつ、番組が進行しました。

聞き手の佐藤あゆみアナウンサーがやりにくそうです。

その後、中盤までは何事もなく、番組は進みましたが、後半で見解が分かれて再び不穏な空気が流れました。ネタバレ防止のため、その内容は省きます。

先生方の表情は微妙でしたが、一応、大人として振る舞い、最後にうまく番組を締めていました。


学会発表とかで見るアレですね。

学説が割れて、質疑応答の時間が炎上するやつです。

なんかもうそのバトルと関係ない人は質問できない空気に包まれるやつです。


研究者は自分の意見や考えを主張するのが仕事なので、学会で激論するのも仕事のうちです。

一般市民が視聴する番組であっても、どうしても抑えきれずに言ってしまうのが研究者なんですね。

もしかしてNHKの仕込みなのかなとか勘ぐってしまいますが、多分、本気でやっていそうです。

カメラが回ってなければ、唾が飛ぶ勢いで激論になっていたのかもしれません。


ちなみに、岡本先生と井上先生は同じ早稲田大学ですが、幸い学部は違うようです。早稲田の教授会は平和です。たぶん。





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