HD650とHD660sを試聴した感想

先日東京に行く用事があったついでに、秋葉原に行きゼンハイザーのHD650とHD660sの視聴をしてきました。

それまで同社のHD598を使用してきたのですが、イヤホンやスピーカーをランクアップしていったらHD598の解像度が気になってしまい、買い替えようと思った次第です。

世に似た記事は沢山あるとは思いますが、せっかくなので記録に残しておきます。
また、聞こえ方には個人差がありますので、あくまでこの人にはこう聞こえたんだなくらいに思っていただけるとありがたいです。

HD650

銘器と言われても誰も否定しなそうな超ロングセラーモデルです。クラシックを聴く方に絶大な支持があるように思います。

音の聞こえ方
音場が超広いとは言いませんが、両耳の左右近くで音が鳴っている感じが少ないです。どちらかというと前から音が聞こえてきました。少しコンサートホールの音響に近いものを感じました。

音の特徴
これはよく言われていますが、低音が厚いです。
バスドラムの響き方などはコンサートホールで聴くものを思い出しました。
ただ、他の音が埋もれるということはなく、どの帯域の音もしっかり聞こえます。
中音は特に気になるところはありませんでした。
高音は特に高い音がまろやかに聞こえました。出ていないわけではないですが、ぬるくは聞こえます。
まとめると、低音が厚く高温がまろやかな音です。

音の解像度
十分いいです。まろやかな音の特性からクリアな感じはありませんが、必要十分かなという感じです。
ただ、一音一音が柔らかいのでクリアさを求める人には我慢ならない音をしています。

HD660s

HD650の後継機として開発されたヘッドホンです。
ただ、聞いてみたところだいぶキャラクターが変わっていました(逆に新製品で同じ音をしていたら意味がないのですが)。

音の聞こえ方
HD650と比べると耳の近くで鳴っている感じがあります。
かえって音を細かく聞き取りやすく感じます。
とは言うもののバリバリの開放型なので音が近すぎることや、密閉感などは全くありません。

音の特徴
HD650と比べると一段クリアになったように感じました。
低音が引き締まり、高音がシャープになった感じです。
とは言うもののAKGのようにシャープな感じはなく、あくまでゼンハイザーの音の範疇にいます。

音の解像度
HD650と比べると1段階とは言わないでも、0.5段階くらい解像度は高くなっているように感じました。
一番の進化点ではないでしょうか。

どっちがいいの?

単純に新しいHD660sの方が良いとか言えたらいいのですが、結構音のキャラクターが違ったため個人の好みによるとしか言えなそうです。

HD650はアコースティック系の楽器の響き方がナチュラルです。楽器から音が広がるような雰囲気を感じ取ることが出来ます。
一方で音にシャープさや疾走感はないです。
クラシック、ジャズ、バラード、その他アコースティック系の音楽が好きな方には替えが聞かなそうな音を聞かせてくれます。

HD660sは大変優秀なオールラウンドモデルという感想です。
クラシックからK-Popまでなんでも聴きますという方におすすめです。
解像度も申し分なく、低音から高音までバランス良くならしてくれます。
HD650ほどのクセはいらないけどゼンハイザーが好きという人にはぴったりです。
ただ、あくまでゼンハイザーの優しい音ですので、よりシャープな音質を求めるならAKGのK712やShureのSRH1840あたりを試すべきです。

その他、装着感などは変わりませんでした。

私の選択は

私はほぼクラシックしか聴かない偏食家なので、HD650を選びました。
存在が老害とすら思っていたあの650の後継機がついに出た!良い物なんだろうな(皮肉ではなく)といった思いでお店に入ったのですが、お店を出てきたときには私が老害になっていました。
マーラーの交響曲を聴いたら、コンサートホールで聴いた演奏が思い起こされ、このヘッドホンでしか表現できないものがあることを悟り(というと大袈裟ですが)ました。

ただ、クラシックしか聴かない人はそう多くはないので、(交響曲のハーモニーに吞み込まれたいんだ!!とかいう人でない限りは)基本性能が高く、かつ、ゼンハイザーならではの表現も兼ね備えたHD660sをお勧めしたいです。650はそのうち廃盤になるかもしれませんし(今J-Popを聴いてみていますが眠いです…)。

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