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電子タバコは結局安全なの?危険なの?

こんにちは。level4です。

大学院時代、国の研究機関で加熱式たばこの発がん性に関する論文を何本か出しました。
論文のAbstractとしては、「主流煙に含まれる発がん性物質は紙たばこの1万分の1程度」。

結論としては、加熱式たばこは紙たばこと比較して発がん性は非常に低い(と思料される)というものです。

ただし、主流煙(フィルターを通した煙)での研究であって、副流煙については世界的にも研究があまりされておれません。

なぜ発がん性物質が少ないのか

まず、そもそもここでいう発がん性物質とは何かというと、芳香族アミン類のことを指しています。

芳香族アミンの骨格

芳香族アミンとは、お焦げなどによく含まれているアミノ酸が燃焼などにより反応してできる生成物質です。

芳香族アミン類は、体内に取り込まれると体内酵素(シトクロムP450 1A2 /CYP1A2)の関与で発がん性物質となり各種癌を引き起こします。


アミノ酸はタバコ葉にも多く入っています。
先ほども書いた通り、芳香族アミン類はアミノ酸等を燃焼してできる物質なので、紙たばこを燃やすことで多量の芳香族アミン類が発生してしまうのです。

一方、加熱式たばこはタバコ葉は入っていますが燃焼させません。加熱温度も燃焼と比べるとかなり低い温度になります。
したがってアミノ酸が反応せず生成される芳香族アミン類も非常に少なくなるのです。

<簡単にいうと>
加熱式たばこはタバコ葉を燃やさないので、発がん性物質が生成されない(にくい)ということです。

加熱式たばこと電子タバコの違い

私は論文中に「加熱式たばこ」と記載しておりますが、これは明確な理由があります。
加熱式たばこと電子タバコの違いはタバコ葉があるかどうかです。

よく言われる電子タバコには種類があり、

  • タバコ葉を液体状にし、それを加熱して発生する水蒸気を吸うもの

  • タバコ葉を加熱してそこに発生する煙を吸うもの

  • 香料を含んだ液体を加熱してその水蒸気を吸うもの(ニコチンは含まれません)
    通常、ベイプ(VAPE)

このうち、タバコ葉を加熱するものが一般的な電子タバコ(加熱式たばこ)となります。

しっかりと違いを定義するために、あえて加熱式たばこと呼んでいます。

たばこが身体に悪いのはニコチンではない?

実は紙たばこが身体に及ぼす影響で大部分を占めるのが燃やすことで発生する一酸化炭素です。
よく一酸化炭素中毒で亡くなる方がニュースで聞くように、物を燃やした際に不完全燃焼することで発生する気体です。(完全に燃焼すると二酸化炭素となる)

紙たばこは、発生する煙の80%近くを一酸化炭素が占めます。
一酸化炭素は脳血管を収縮させるなど、心血管リスクを増大させるだけでなく脳細胞を死滅させる作用もありますので人体にとってはとてもよろしくない物質ですね。

一方で加熱式たばこは燃やさないので当然一酸化炭素も発生しません。

ちなみにニコチンの依存度はアルコールや大麻よりも低いことが分かっています。

最後に

ここまで加熱式たばこの安全性をただ書いてるだけのnoteになってしまいましたが、加熱式を推奨しているわけではありません。
あの独特の臭いが気になる人も多く、また副流煙についてはまだまだ研究が不十分なので注意が必要です。

またたばこには税金がかかります。
具体的には、

  • 国たばこ税及びたばこ特別税(国)が26.3%

  • 道府県たばこ税が3.7%

  • 市町村たばこ税が22.6%

  • 消費税及び地方消費税が9.1%

です。(東部県税局ホームページより抜粋)

600円の箱を買ったとすると、480円(65%)くらいは税金ということです。
喫煙者が減ると税収もさがってしまうので、今後はますます税比率は高くなっていくと予想されます。


また機会があれば、次は研究内容についてもっと詳しく書きたいと思います。
その研究方法がすごく独特で面白いのでぜひ読んでくれると嬉しいです!

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