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[ミーティングx構造化] みんなでお手軽に現状を可視化→共有するやり方

前の note に引き続き、ミーティングx構造化の話です。
唐突ですが、「現状を知る」って難しいですよね。ミーティグの大事な目的は「関係者で理想と現状のギャップを把握して意思決定する・適切なアクションに繋げる」ことです。なので「理想と現状のギャップを把握」する前提として「現状把握」をせなばならないわけですがこれが意外と難しい。

例えば今月の売上数字については、目標 (理想)に対して、今いくらか?(現状)は比較的簡単に把握できます。しかし、本当に把握したい現状 =「どこにボトルネックがあるのか?」「詰まっている案件はどれか?」は数字だけでは見えてこなかったりします。

そもそも現状ってなんだろう?

「現状」を私なりに表現すると「対象領域における(有意義な)事実の集合」になります。
対象領域」とは今関心を寄せているスコープのことです。営業の数字の話をしている時に「シドニーの天気」は多分関係ないです。直感的に分かると思うので一旦これぐらい。(掘り下げるとすごく深いのでまたどこかで)
事実」も直感的に分かると思いますが、一つ大事なポイントがあります。良く「事実」と「解釈」という形で「人の意見などは解釈だよ」と教えられると思います。これ自体は正しいのですが、「ある人がそういう意見を持っている」ということ自体は事実として扱えますし、問題発見につなげる上ではかなり大事になります。
難しいのは「有意義な」です。例えば営業数字全体の話をしている時に「ある特定の案件のステークホルダーの興味」は関係ないことが多いのですが、実は数字が上がらない理由が特定の商材の売り方で、その中で1人だけ関心を持ってくれている人がそのステークホルダーだったりすると、途端にその事実は有意義になってきます。

現状とは?

なのでちゃんと「現状を把握」するために、数字などの定点/俯瞰的な事実を横目で見つつ、色々な抽象度の事実を集めながら、それらを手掛かりに有意義な事実を見つけ出す必要があります。ファシリテーション能力も求められる活動なわけですね。

2つのタイプの現状可視化

数字などの客観的な事実は集まっている前提で「色々な抽象度の事実を集める」ために私が良く使う方法は次の 2 つです(私が勝手にこう呼んでいるだけでもっと適切な名前があるはず)。

  • トップダウン型の現状可視化

  • ボトムアップ型の現状可視化

やりたいことは一緒です。「集めた事実を遠目から眺めて全体の形を見る」「ボトルネックになっていそうな場所を探す」ことで、掘ったら「有意義な事実」が出てきそうなところを見つけるために使います。

トップダウン型

簡単に言えば、ある1つの事実(=だいたいはこうなって欲しいという目標)に対してそれを構成する事実をトップダウンに洗い出すことで現状を可視化するやり方です。OKR などの目標設定、プロジェクトの WBS などをイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。
予め構造を作っておいて、MTG 中では状態を変える(Balus なら付箋の色を変える)ことで現状を把握することができます。
引いて眺めることで、色が変わっていないブランチを見つけたり、進めるのがうまくいっていない箇所を自己申告で別の色に変えて問題箇所を発見したりする、など色々な使い方ができます。

プロマネ的なタスクベースの現状把握

ボトムアップ型

人ごと、案件ごとなど「なにかの単位」で事実を表してもらい、それらを積み上げる=ボトムアップすることで現状を可視化するやり方です。案件状況や受け持ちタスクの状況などを個人ベースで可視化するイメージです。早い話がカンバンですね。
単純な状態を見たいだけであればエクセルなどでも事足りますが、個人の感情(やばい、辛いなど)を色で表現する、分担範囲などを枠で表現することで、引いてみたときに全体の傾向がわかりやすくなります。
ふりかえりも実はこのボトムアップ型の一種だと思っていまして、前回の[ミーティングx構造化] みんなの考えを聞くとファシリが楽になるもマイクロなボトムアップ型の現状把握と言えるかもしれないですね。

個人の YWT を出発点にした現状把握

組み合わせ、現状把握の先へ

それぞれいいところがあるので、組み合わせて使うのもおすすめです。チームの状況に応じて変えたり、マンネリ化を避けるためにたまにフレームを変えてみたり、色々試してみてください。
Balus を使ってリアルタイムに現状把握をしておくと、メンバーの認識が揃った状態で深掘りや個別議題に入れるので意見も出て来やすいです。
集めた事実からフォーカスを絞ったり、問題を構造的にあぶり出したりする話はまたどこかで書こうと思います。


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