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Le Wagonの卒業生:人道支援活動家から社会起業家に転身した尹世羅さんをご紹介します。

尹世羅さんは国連と国際赤十字でのキャリアを通じて、難民や移民、武力紛争の影響下にある人々を支援するために世界各地で人道支援の仕事に従事しました。社会課題解決のためのより良いソリューションを構築したいと考え、Le Wagon Tokyoでプログラミングを学び、現在は社会変革のためのソーシャル・ネットワーキング・アプリ「ソーシャス」を開発しています。

尹世羅さん、あなたの起業家としての歩みを教えてください。

私は、在日コリアンの母と日本人の父の間に生まれ、川崎南部の工業地帯で育ちました。マイノリティの背景から、学校ではいじめの対象となり、鬱病を患い、非行に走るようになりました。精神病院に入院し、親友を失ったことをきっかけに、私たちのような生きづらさを感じている人々のために何かしたいと思うようになりました。

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ジュネーブで国際法の学位を取得した後、私はUNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)に就職し、レバノンでシリア難民を支援する任務に就きました。その後、ICRC(赤十字国際委員会)ではアルジェリア、イラク、バングラデシュで人道支援の仕事に従事しました。
国際人道支援業界で5年程勤務した後、他国からの寄付に頼ることは、持続可能なソーシャルインパクトを生み出すためには必ずしも最善の方法ではないことに気づき、国際人道支援を離れてソーシャルベンチャーを始めることを決意しました。

2019年、私は「Discover Deep Japan」という最初のソーシャルベンチャーを立ち上げました。多文化共生社会を実現するというミッションは、在日コリアンとして日本で差別に直面した経験から生まれました。私のチームは、イベントやマーケティングキャンペーンを通じて、地域の人々と外国人観光客/住民の間に深いつながりを築くことを目指しました。

もちろん、社会起業家として資金調達に苦労することも当然のようにあります。しかし、私たちのミッションに情熱を持って取り組んでくれる社員を見つけることは、それと同じくらい困難であることがわかりました。 それがきっかけで、私はソーシャルセクターにおけるこの問題を解決するために、ソーシャスというプロダクトを創り始めました。

起業している最中に、なぜコーディングブートキャンプに参加しようと思ったのですか?

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私がソーシャスの開発を始めた時、私はプログラミングの知識がなかったので、適切な技術系共同創業者を探していたのですが、結果的には失敗に終わりました。共同創業というのは、うまくいくかどうかわからない結婚のようなものです。共同創業者を探すよりも、自分でプログラミングを学んだほうが早く、コストもかからないと判断しました。

プログラミングを学ぶことで、ソフトウェア開発の複雑さを理解し、エンジニアチームとの信頼関係を築くことができました。Le Wagonを経験した今では、小さな機能でもどれだけの時間がかかるかがわかり、どれだけの労力と時間を費やすべきか、現実的な見積もりができるようになりました。


ブートキャンプでの経験はいかがでしたか?

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正直なところ、大変でしたがとても楽しかったです。ソーシャスの開発のほとんどはシニアエンジニアが行っていますが、私はさまざまなソリューションをテストしたり、日常的な作業を自動化したりできるように勉強を続けています。

ソーシャスについて詳しく教えてください。

私たちのミッションは、「出会いの化学反応で社会変革を加速させる」です。ソーシャルセクターで働く人は全体の10%に過ぎません。社会課題を解決するために必要な人材は限られているため、見つけることも最適配置することも困難です。ソーシャスは、同じ社会課題解決に情熱を燃やす人たちを集め、社会変革に必要な人的・金銭的リソースを最適配置することで、この問題の解決を目指しています。

スキルや経験で人を探すことができるLinkedinとは異なり、ソーシャスでは、貧困、持続可能性、男女平等など、同じ社会課題意識を持つ人を探すことができます。近い将来、AIによるレコメンドシステムを導入し、24時間ごとにユーザーの関心や行動に基づいてマッチングします。マッチングに同意した場合、お互いにメッセージを送ることができます。また、社会課題解決につながる行動が、気軽に楽しく参加できるものにするために、ソーシャル・インパクト・ポイント・システムを開発しています。

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現在、私たちはユーザー数を増やすことよりも、製品の改善に注力しています。マーケティングキャンペーンを開始する前に、コアユーザーに最高のUI/UXを体験してもらいたいのです。また、ソーシャスのビジョンに共感していただいた投資家の方ともお話しています。

日本で社会起業家として活動することに関してどう感じていますか?
ロンドンのような活気はありませんが、日本のソーシャル・スタートアップ・エコシステムは成長を続けており、多くの若者たちが日本各地で画期的なソーシャル・ベンチャーを立ち上げています。自分が創りたい社会に向けて、新しいことにチャレンジしてみませんか?

尹世羅さん、お時間をいただきありがとうございました!!ソーシャスの成功を祈っています。

ぜひ、ソーシャスのサービスにご興味ある方はコチラから!



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